Treg細胞と癌
T細胞による免疫反応としてヘルパーT細胞やキラーT細胞がありますが生体にはこうした免疫反応を抑制するT細胞系も存在します。この作用を有するT細胞はこれまでにCD8分子を持つサプレッサーT細胞と呼ばれてましたが遺伝子の実態が解明できていません。これに代わり免疫細胞を抑制するT細胞がTreg細胞である。Treg細胞はCD4分子だけでなく
CD25分子も持ってます。CD25分子はいlL2のreceptorになります。IL2はヘルパーT細胞が産生し細胞性免疫を活性化するサイトカインでTreg細胞に結合するとその分
IL2が減り免疫反応が抑制されると考えられています。Treg細胞は抑制性サイトカインであるIL10、TGFーβ、IL35産生することで抗原提示する樹状細胞に作用してIL12の産生を
抑制しヘルパーT細胞(Th1)の分化、活性化を阻害するすることです。これによりアレルギー反応を抑制し自己免疫疾患の発症を抑制します。ところが免疫系の暴走を抑えるTreg細胞ががん細胞の増殖の手助けをしている側面がある。がん細胞は、非自己ではない自己もどき細胞であり「自己免疫」によってしか増殖を抑制しない。ところがTreg細胞の基本機能は
自己抗原に対する免疫応答を抑制することであり、必然的にがんに対する免疫応答も抑え込んでしまいます。それによってがん細胞の定着や成長が進んでしまう。またTreg細胞は「アンフィレグリン」という物質を産出する。この物質は肺胞壁や乳腺のtissuerepairや腫瘍細胞の増殖生産血管新生転移を促進する。
2023年04月13日 06:00