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広島県呉市広駅前 小早川歯科口腔外科クリニック

呉市広駅前 小早川歯科口腔外科クリニックでは、歯科口腔外科・小児歯科・審美歯科・インプラント・レーザー治療など幅広く対応します。

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⑤アレルギー治療・予防の考え方と免疫療法

5-1【アレルギーの治癒との向かい方】「治癒と寛解に関する議論」(治癒)は再発も心配しなくてよいほど完全に治った状態を指し(寛解)は治療の結果、症状がなくなったり消失したりする状態を言います。風邪なんかはけがと同じで長引かない病気(急性疾患)で治癒と寛解がほぼ一致するため患者さんと医療従事者と認識が異なることはありません。しかし癌や心臓病などはいったん症状が落ち着いても、病気自体は完全に治癒しておらず再発する可能性があるため(寛解)と判断されることもあります。アレルギーはどうでしょう?アトピー性皮膚炎や喘息のような慢性炎症性疾患は症状が出てくるかどうかをみて治癒か寛解かをみて語らなくてはならない疾患である。客観的な根拠がない場合ではしばらく症状は出なかったけど4年目から症状が出た場合は治癒ではなく寛解だったとというとらえ方もあります。「アレルギー治療の実際」・・・喘息は刺激を受けて憎悪すると気道が狭くなって呼吸が苦しくなります。一次的に薬を使って症状を和らげることが出来ますが次の刺激があると再び症状が起こってきます。それは{免疫記憶}があるからです。特定のアレルゲンに対するアレルギー反応が起きてしまうと長時間その免役は記憶され持続します。そのため繰り返し症状が出てしまうのです。つまり医療機関で処方される薬の多くは症状を落ち着かせるすなわち寛解に導く薬です。(対症療法)喘息に対して吸入薬、花粉症に対して点鼻薬、点眼薬、アトピー性皮膚炎に対して外用薬とステロイドを使います。使用する量や期間に注意が必要である。
5-2【免疫療法の正しい知識】「アレルゲン免疫療法」・・・アレルギー疾患の原因となるアレルゲンが明確になったいる場合、そのアレルギーを継続的にに投与したり服用したりすることにより身体を慣れさせてしまうことで(過剰な免疫反応を抑制させる)アレルゲンに暴露された場合に引き起こされる症状を緩和する治療法である。抗ヒスタミンは対処療法に対して免疫療法は特定のアレルゲンに対する人の免疫反応そのものを変える治療となります。「舌下免疫療法」現在ではこちらが主流となっています。この治療では錠剤を口腔底に5分ほど置きます。その間に高濃度のアレルゲンが樹状細胞に取り込まれて効果を発します。アレルギー性鼻炎が保険適応になります。80%有効であるが効果には3か月有する。「アレルゲン免疫療法が効く理由」・・・マスト細胞や好塩基球の表面に存在するIgE抗体の数、アレルゲンを感知するアンテナの数を減らす作用があります。一つは脱感作でマスト細胞の受容体の内在化によりシグナル伝達抑制されアレルゲンをとらえる反応が低下します。それにより脱顆粒しにくくなるということである。もう一つはアレルゲンに対する抗体の質を変化させて「IgE4抗体」を増やすことでアレルゲンを奪いとる役割(競合阻害)それによりIgE抗体を介した抗原提示が低下することによりTh2細胞の活性化とマスト細胞の活性化が低下する。IgE4抗体は濾胞性制御T細胞が関与するとされてます。これによりIL-10、TGFβなどの抑制性サイトカインによりIgG4抗体を作るように指令が出ます。免疫療法ではこの細胞が増えることによりアレルギー反応を抑えさらにTh2細胞や自然リンパ球2の活性も抑えます。ただし1年以上アレルゲンを継続的に取り入れる必要があります。
2026年09月26日 13:59

④アレルゲン別にみるアレルギー

4-1【食物アレルギー】・・・食物アレルギーはとても早い時期に始まることが多い。生後数か月から2歳、3歳ごろまでが発症のピークと言えます。多いのは鶏卵です。クルミやカシュウーナッツが原因の子供も増えてます。アレルギーと診断されればその食べ物を一時的に食事から取り除く「除去食」で対応する。食物アレルギーは食べものの中に入っているタンパク質に体の免疫が敵と間違えて反応してしまうことで起こります。食物アレルギーには大きく分けてIgE抗体が関係するタイプと関係しないタイプがあります。前者は食べた後2時間程度でアレルギー症状が出る場合(即時型)や食べて運動するとアレルギー症状が出るタイプ(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)が含まれます。一方後者(IgE抗体が関与しないタイプ)はリンパ球などの免疫細胞がかかわっていてもっとゆっくり出ることが多い)消化管アレルギーなどが含まれる。食物アレルギーは体質と環境の影響を受けることが多い。「大人の食物アレルギー」子供は大人になるにつれて耐性を獲得し治ることがありますがこれまでアレルギーがなかった成人が突然なることがあります。代表例として甲殻類やアニサスアレルギー、コチニールアレルギーがある。甲殻類は目、鼻腔、皮膚などで起こるが口腔内でも症状が起きます。アニサスは寄生虫でこれに対するアレルギーである。コチニールはカイガラムシから抽出した天然由来の赤色色素であるが化粧品や加工食品に含まれている。「大人になってから発症する理由」背景にあるのが(免疫老化)と(環境暴露)である。加齢により免疫の調節機構が低下し、自然免疫と獲得免疫のバランスが崩れやすくなるとされてます。長期にわたって蓄積された化学物質、アレルゲン、ストレスが臨界点を超えた時、アレルギーが発症するともいわれてます。女性はホルモン変動の時期にアレルギーが起こりやすいとされてます。「経口免役療法と舌下免疫療法」前者は原因となる食べ物を医師の管理の元でごく少量から食べ続けていく治療法です。最初は少量ずつ食べ始め体をアレルゲンに少しずつ慣れさせてある程度の量を食べても症状が出ない(脱感作状態、持続的無反応)ようにしていくのが目標である。慣らす治療である。後者の舌下免疫療は原因となる食物のエキスを舌の下に数分間保持してから飲み込む方法です。副作用が少ないのが利点である。さらに効果的にプロバイオティクスを組み合わせる方法も報告されてます。乳酸菌とビフィズス菌を組み合わることです。最近は生物学的製剤と呼ばれている抗IgE抗体である「オマリズマブ」で症状を和らげる作用があるので併用されることで効果が期待される様になりました。
4-2【口腔アレルギー症候群】・・・食べものを食べた後唇や口の中、喉や耳の奥などに痒みなどのアレルギー症状が出るタイプの食物アレルギーです。原因食物は桃、リンゴ、サクランボ、メロン、スイカ、キユーイなどの果物である。何故アレルギーを引き起こす食品を食べても口腔内など局所的な症状で治まるのでしょうか?理由はこれらのタンパク質は消化酵素や加熱加工で容易に壊されているので胃や腸で分解される頃にはアレルゲンとして認識されなくなるからである。
4-3【金属アレルギー】・・・正確には接触性皮膚炎と呼び外的な異物が原因となって皮膚に起こる炎症の一つで免疫細胞(T細胞)が異物を排除しようとする反応によってひきおこされ症状の持続にも免疫細胞が重要な働きをしていることが分かった。かぶれには2種類あり一つはアレルギーによる「アレルギー性接触皮膚炎」と外的な物質が皮膚に直接刺激を与える「刺激性接触皮膚炎」とがある。免疫反応として感作相ではアレルゲンを認識してその情報をランゲルハンス細胞や樹状細胞にアレルゲンを取り込ませる。抗原提示細胞の活性化、成熟、リンパ節の遊走します。リンパ節内でナイーヴT細胞に情報を教えます。(抗原提示)。同じアレルゲンが再び体内に侵入してきた際に素早く戦うことが出来る抗原特異的T細胞⇒ヘルパーTやキラーT細胞に分化します。惹起相では皮膚に再侵入した同じアレルゲンを出来るだけ素早く排除するために炎症反応が誘導されます。(炎症惹起)。これらを誘導型皮膚関連リンパ組織と命名された。「何度もかぶれるのはなぜか?」この抗原特異的T細胞は通常は血液を流れていて体内に異物が侵入したり癌細胞ががん細胞が発生したときに、皮膚やその他の組織に集まりこれらの敵を排除すると考えられていたが近年T細胞は末梢組織に長期にわたってとどまり外敵に対する最前線の防御を提供することがわかってきたのである。特徴からレジデントメモリーT細胞TRMと名付けられました。免疫記憶をT細胞にはいくつか種類がありますが成人の皮膚表面には200億個のメモリーT細胞がありそのうち80%がTRMとされてます。「現場にたまり、特定の敵に対してその場で防御を担う」によって名ずけられた呼び名である。TRMのうち15~20%は一度炎症が起こった場所に半年以上も留まり続けることが報告されています。そのため症状が治まったように見えても同じ場所で再び炎症が繰り返されるのです。これは毛嚢(毛穴)細胞由来のIL7とIl15というサイトカインによりTRMが局所で安定的に維持されることが明らかになりました。毛嚢はTRM細胞にとって生存に必要な因子を供給する「支えの場」として機能しており再び感染や炎症が起きた際に即座に反応出来る準備を整えているのである。「かぶれの原因はなにか?」1位は硫酸ニッケル2位金チオ硫酸ナトリウム3位漆オール4位パラフェニレジンアミン5位塩化コバルトであり金属アレルギーが占めています。
「金属アレルギーにいかにして対応するか?」ニッケルが接触性皮膚炎を引き起こす最大の原因とされていて医科歯科領域では手術などを受ける患者の金属アレルギーをしっかりと確認し対応することが重要である。又ニッケルはコーヒー、チョコレート、豆類、穀物などに含まれており全身に湿疹や痒みがが出ることがありコバルトは貝類(アサリやムール貝)で全身の皮膚炎を引き起こすことがあります。(全身性接触皮膚炎)「酸っぱいものを食べると手がかぶれる(食事と金属アレルギーの不思議な関係)」・・・食物自身が原因となる食物アレルギーと食物に含まれている金属が原因となって全身に症状を起こすアレルギー(全身性接触皮膚炎)は異なるもので対応も変わります。トマトジュース、レモンなどの酸っぱいものを摂取すると数時間後に手のひらに水疱が出来数日間持続することがある場合は皮膚アレルギーは陰性であるが金属のパッチテストを施行したところ『パラジウム』が陽性となり金属アレルギーが診断されたのです。『パラジウム』は㏗4程度以下の酸性環境でイオン化することが報告されました。歯科金属に含まれる『パラジウム』が口腔内の酸性環境でイオン化しイオン化した金属が血液を回って皮膚にまわって皮膚に吸収され遅れてアレルギー反応を引き起こした可能性が突き止められた。酸性食品を摂取した際に症状が悪化する場合には歯科金属のパッチテストを行う必要があります。金属アレルギーの可能性を考慮する必要があるからです。食品に含まれる金属が原因でアレルギー反応が引き起こされる場合も特定の金属が酸性環境でイオン化しアレルゲンとして働くことがあります。
4-4【薬物アレルギー】・・・薬によるアレルギーは免疫が過剰に反応してしまうことによって引き起こされる。即時型(Ⅰ型)か遅延型(Ⅳ型)です。アナフィラキシーでも特に気をつけないといけないのは『周術期アナフィラキシー』である。「手術室での危機的状況(周術期アナフィラキシー)」手術中では麻酔薬、筋弛緩薬、消毒薬、輸血製剤などの薬剤が短時間で使用されます。その中のどれかによってアナフィラキシーショックが起こることがあります。これが周術期アナフィラキシーと言います。血圧が下がるとかがわかるのみでどの薬が原因なのかわからないことが問題です。「診断が難しい」「治療は時間と勝負」「再発防止が難しい」の課題があります。しかし最も多いのが筋弛緩薬、術前抗菌薬(セファゾリン)などがあげられる。「重症薬疹」これらは遅延型アレルギーでステイ―ブンス・ジョンソン症候群(SJS)、薬剤性過敏症症候群、中毒性表皮壊死症(TEN)がある。体を守るはずの免疫細胞が薬に対して過剰に反応してしまうことです。T細胞が薬の成分を異物と誤認して過剰に反応し皮膚の細胞まで攻撃してしまうのです。もう一つは好中球です。SJSやTENでは皮膚に入り込んだT細胞がリポカリンー2という物質を出し好中球を活性化させNETsを放出させる。SJSではこのNETsが皮膚の細胞に対して有害に働き炎症や細胞死を引き起こす。こうして皮膚の細胞が次々死んでいくことで水疱が拡大していくことと考えられます。「固定薬疹」薬を飲んだ後なぜか毎回、同じ場所に赤い皮疹が現れる。皮疹の出る場所が固定されていることが特徴です。固定薬疹は薬剤の成分に反応し一度炎症が起きるとその部位の皮膚に免疫記憶を有する細胞であるTMR(レジデントメモリー9)が溜まり続けることがわかってきました。皮膚、特に毛嚢の角化細胞から出るIL15、IL7などのサイトカインがこのTMR(T細胞)を長時間皮膚に留まらせることが示唆された。「多形紅斑(EM)」手のひらや足の甲などに丸く赤い中央がへこんだ皮疹が現れることがあります。原因はヘルペスウイルスなどの感染症であるが抗菌薬、解熱鎮痛剤などが原因の場合もあるため服薬歴が重要となります。ウイルスまたは薬剤特異的なキラーT細胞が活性化されそこから出される細胞性傷害性メディエーターによって皮膚の角化細胞が傷害されていると考えられて免疫反応のの結果標的型紅斑が出来るのです。EMでは皮膚病変がINF-γ、IL7やIL15のサイトカインの発現が上昇しているのでT細胞の活性化や生存を調整する働きを持ち皮膚内での免疫の維持・増幅にかかわっている。
2026年09月26日 13:57

③アレルギー性疾患VS各器官vol2

4-3【好酸球性消化管疾患ー消化管での戦い】・・・「好酸球性の食道炎と胃腸炎」食べものがアレルゲンとなって様々な炎症を起こすものに好酸球性消化管がある。アレルギーと類似の背景を有し、近年増加傾向にあります。好酸球が消化管のいずれかに入り慢性的に炎症を起こし嚥下障害、胸やけ、胸痛、腹痛、下痢といった症状を引き起こす。好酸球食道炎と好酸球胃腸炎があります。「好酸球性消化管疾患のメカニズム」・・・好酸球性消化管疾患の病態形成は何らかの抗原に暴露した際にTh2が誘導されIL4,IL5、IL13などのサイトカインが分泌した結果好酸球が消化管内の組織に浸潤し慢性的な消化管の炎症が引き起こされる。好酸球は組織内で炎症性メディエーター(PG、ロイコトリエン)やIL5などのサイトカインを産生し持続的な炎症と組織損傷を引き起こすことが想定されます。「他の環境因子も病気に影響?」腸内細菌では抗菌薬を使用することディスバイオーシスが起こることで細菌感染が起きますが他にも界面活性剤の使用で喘息のような症状を引き起こします。界面活性剤の成分が上皮細胞のバリアの隙間を拡げる働きがあり食道内の食物やバクテリアなどの異物が体内に侵入しやすくなった結果炎症が誘導され上皮細胞が壊れた時に過剰な免疫応答が誘導され食道炎や胃腸炎が発症するものと考えられます。薬は抗IL4・IL13受容体抗体であるデュピルマブが認可される様になるでしよう。
4ー4【蕁麻疹・アナフィラキシーショック】急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹があります。後者は6週間続くものとされています。急性は24時間以内に消えるのですがそれが何度も繰り返されます。種類は「突発性慢性蕁麻疹」「機械性蕁麻疹」「コリン性蕁麻疹(体温上昇)」「寒冷蕁麻疹」「遅延性圧蕁麻疹」などがあります。蕁麻疹は表皮の下にある真皮内の血管から水分が漏出することで起こります。治療はステロイドや抗ヒスタミンなどの標準治療であるが特に突発性慢性蕁麻疹は「オマリズマブ」「デュピルマブ」などが用いられる。「アナフィラキシーのメカニズム」最も多いのがIgE抗体が関与するタイプ。アレルゲンによってIgE抗体がつくられ再び入ったときに肥満細胞や好塩基球が刺激され体のあちこちでヒスタミンが一度に大量に放出することで血圧が急激に下がり呼吸が苦しくなり全身的な症状が一気に出てきます。薬剤が血管に入ってきたときに起こりやすい。一方でIgE抗体が関与しないものもあります。IgG抗体である。補体などによる免疫反応が関与しマスト細胞が活性化することにより起こります。解熱鎮痛剤や造影剤などである。
2026年09月19日 08:51

③アレルギー性疾患VS各器官vol1

4-1【アトピー性皮膚炎】・・・「強い痒みを伴う湿疹ができ、良くなったり悪くなったりをくりかえす」皮膚疾患です。乳幼児期のアトピーから幼児期に喘息、学童期以降にアレルギー性鼻炎と現れることから「アレルギーマーチ」と呼ばれている。アトピ性皮膚炎は何故起こるのでしょう?それは「バリア機能の低下」「免疫反応」「痒み」の生物的要素が複雑に絡み合っているからです。①バリア機能機構の低下・・・正常なフィラグラリン(蛋白質)が減り天然保湿因子が少なくなることにより形成不全を起こすにより起こります。これらはIL3、IL13などのサイトカインの影響により抑制することがわかっています。バリア機能が低下した皮膚では水分が蒸発しやすくなるため乾燥し痒みや刺激を感じやすい状態になります。また外界からの微生物、アレルゲン、化学物質といった異物が角層を突破しやすくなるため皮膚内に侵入し、免疫応答が誘導されやすくなります。②暴走する免疫反応(2型免疫応答の活性化)・・・過剰な免疫反応が病気の発症や悪化の中心的な役割を担ってます。異物が入ってきた場合にTH2や濾胞ヘルパーTが誘導され活性化されるとⅠ型アレルギーが起こりヒスタミン遊離されることにより皮膚に赤みや痒みを引き起こす。又TSLPというサイトカインが発現することにより樹状細胞の機能を変化させTH2を誘導しやすい状態を導く。③痒みの悪循環(神経と免疫のかかわり)・・・皮膚のかゆみはヒスタミンによって引き起こされます。しかしアトピー性皮膚炎はこのヒスタミンだけでは説明できないことが多くこれはアトピー性皮膚炎の痒みがヒスタミン非依存性のけいろによって引き起こされるからです。これらはIL31というサイトカインが注目されています。これはTh2細胞が分泌するサイトカインで皮膚の感覚神経に作用し痒みを引き起こすことが明らかになってます。IL31は感覚神経に発現する受容体と結合し痒みの神経回路を活性化させます。この刺激はC線維と呼ばれる神経を通って脊髄に伝達され最終的に脳で「痒い」という感覚として認識されます。又角化細胞が分泌するサイトカインのTSLPも神経への直接な刺激作用を持つことが報告されています。アトピー性皮膚炎の痒みは皮膚における末梢の単なる反射的な反応でなく免疫系と神経系が相互に影響しあいながら成立する複雑な現象です。『治療』は皮膚機能の低下に関しては保湿剤やスキンケア、免疫の過剰な働きに関してはステロイド、特定のサイトカインを標的にした分子標的治療薬が効果的です。
4-2【喘息ー呼吸器での戦い】・・・最初は気管支の痙攣による気道狭窄が喘息の主な病態ととらえられて気管支拡張薬が主流であったが短時間作用型β2刺激薬過剰使用による喘息死が増えたことにより病態が気管支の痙攣でなく好酸球を主体とした慢性的な気道炎症であることから吸入ステロイドが喘息の第一選択枝となりました。『外界と共存する呼吸器の防御システムー気道上皮のバリア機能』・・・人間は毎日約2万回の呼吸をします。呼吸を介して生命維持に不可欠な」ガス交換をします。しかし酸素ではなく有害な物質も含まれています。それらが体内に進入しないようにバリアが存在します。それが気道上皮でこの気道上皮の「粘液線毛クリアランス」と「細胞間接着装置」の2つのメカニズムによって維持されてます。」前者は線毛を持ち杯細胞により吸い込んだ有害物質を粘液にとらえて体外に排出します。痰として出すものとして出すものの一部はこのシステムによって集められた異物や古い細胞です。後者は細胞同志がしっかりと結合して隙間を作らないことです。タイトジャンクションでクローデインというタンパク質が隣接する細胞どうしを強固に結合して有害物質の体内への侵入を防いでいる。喘息患者はこれらの気道上皮のバリア機能が傷害されていることがわかっています。喘息患者は活性化された免疫細胞が上皮においてIL13を分泌し杯細胞を増加させて粘稠度の粘液が大量に生産されます。それにより気道表面の線毛が逆に減少し働きが妨げらます。結果として粘液線毛クリアランスが低下し有害物質を体外へ排出させる機能が損なわれます。又IL4やIL13がタイトジャンクションを形成するタンパク質の発現を低下させることも報告されている。「変わりゆく喘息の病態概念」喘息の病態は『気道の狭窄』から『慢性的な気道炎症』さらに細菌は「気道上皮のバリア機能傷害」という考え方もされる様になりました。それにより傷ついた気道上皮は「アラーミン」を発信して免疫システムに異常を知らせます。IL33、TSLP、IL25が気道炎症に関与しています。それによりIL4、IL5、IL13といったサイトカインが産生し気道の収縮や喘息の炎症にかかわる好酸球を活性化される。「喘息の治療と今後の展望」現在は吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤の吸入療法が主流となっている。それでも効かない場合は生物製剤です。抗IgE抗体やIL4IL5のサイトカインとその受容体(抗IL4α鎖抗体)、アラーミンであるTSLPを標的とした皮下注射の抗体薬。
 
2026年09月15日 13:56

②免疫とアレルギー

2-1【生体の門番「免疫」を司る細胞】免疫というからだのシステムは「自然免疫」と「獲得免疫」の2つに分けることが出来ます。自然免疫は生まれつき持っている生体防御機構で細菌やウイルスなどの病原体が侵入した際に即座に反応する特徴を持ってます。他方一度覚えた病原体などの異物の情報(免疫記憶)をもとに次に備えるシステム、やられたら倍返しの免疫システム「獲得免疫」と言います。「最前線で即応する門番たち(自然免疫)」・・・マクロファージ免疫細胞のそれぞれの主な働きは(マクロファージ)がまずあげられます。体内に進入した細菌やウイルスの異物を食作用で取り込み消化する能力を細胞で異物の情報を他の免疫細胞に伝達し炎症を引き起こすサイトカイン(免疫細胞から放出される連絡物質)を分泌することで免疫の反応を活性化します。(樹状細胞)は体内に進入した病原体を認識しそれを取り込んで分解します。その後異物の情報をT細胞に抗原提示し獲得免疫を誘導する役割を誘導する。樹状細胞は主に自然免疫と獲得免疫の橋渡し役として重要な役割を担っており免疫システムとしての司令塔として大切な機能を持ちます。(マスト細胞)(好塩基球)(好中球)(好酸球)など細胞内に顆粒を持つ細胞群もいます。この袋状の構造物には化学物質が備えられており感染部に集まってその物質を放出して病源体を攻撃するのです。その中で好中球も食作用があります。(NK細胞)もウイルスに感染した細胞やがん細胞を直接攻撃し破壊する働きを持つリンパ球の一種である。尚これらの免疫細胞にかかわる細胞は病原体の特徴を認識するためのパターン認識受容体(PRR)を持っている。代表的なも胃のがTLR(トルライクレセプター)である。ウイルス、細菌、真菌、寄生虫など病原体で保存された共通の特徴的な構造(PAMPs)を特異的に認識しそれぞれに対する免疫を活性化します。人では約10種類が見つかっています(TLR78は一本鎖RNAウイルス、TLR4はLPS、TLR3は二本鎖RNA、TLR5はフェラジェリン、TLR9は非メチルかCPGモチーフ体を持つDNA)に対して有害だと考えられる敵のパターン認識孤高を有効に発動する生体防御の第一波で第二波として「獲得免疫」の発動につながるのである。「敵を識別し立ち向かう精密な防御システム(獲得免疫)」・・・樹状細胞を中心として獲得免疫に関与する細胞たちに敵の情報を提示します(抗原提示)(ヘルパーT細胞)樹状細胞から抗原提示を受けると攻撃開始の合図を出します。(B細胞)T細胞の合図によって活性化する細胞の代表。増殖してその数を増やすとともに一部が形質細胞に分化し特定の外的に合わせた抗体を作ります。(キラーT細胞)ウイルス感染細胞やがん細胞を破壊します。NK細胞との違いはNK細胞が標的細胞を直接認識し即座に攻撃するのに対し、キラーT細胞は樹状細胞により抗原を提示されてから機能を発揮します。この獲得免疫を利用し、初回の感染より素早く免疫応答を始める仕組み(免疫記憶)を作ることで2回目以降の感染に素早く対応できるようになります。
2-2【免疫細胞VS外敵たち(壊す、食べる、追い出す)】・・・(ウイルス)に対しては壊すの戦略で対処。ウイルスが入り込んだ細胞はウイルスに感染したというサインです。その時はIFNⅠ型がサインを出します。ウイルスに対する感染防御を強化し感染細胞を壊すキラーT細胞の活性化を誘導します。(パーフオリン+グランザイム攻撃)。(細菌)食べることで解決。食細胞の機能。最近は自分で増殖くすることが出来る生物である。細菌は身体の表面や内側に入り込んで炎症や感染症を引き起こします。例えば肺炎や膀胱炎や扁桃炎などは細菌が原因となる代表的な疾患です。まずは「食細胞」であるマクロファージや好中球が登場します。これらは細菌を見つけると食べることで処理します。その後炎症性サイトカイン(IL1、IN6、TNF-α)の産生を介して他の免疫細胞を呼びよせます。(寄生虫)大掛かりな作戦で追い出す。かなり大きな生き物であり食細胞では処理しきれません。'爆弾,のようなもので攻撃したり、囲い込んだり追い出すことが目標です。これらは細胞の中に外的をやっつけるための酵素や化学伝達物質を内包している「顆粒」を持つ免疫細胞つまり好酸球、好塩基球、マスト細胞などである。例えば好酸球の場合は寄生虫の表面を破壊するタンパク質や毒性のある物質が含まれこれらで寄生虫を攻撃をするのです。
2-3【アレルギー反応と免疫(反応のメカニズム)】・・・アレルギーのメカニズムは寄生虫に対する生体防御機構に似ていると言われている。アレルギー性鼻炎は症状としてくしゃみ、鼻水は鼻腔に入りこんだ異物を物理的に排除する機構である。花粉などのアレルゲンが鼻の粘膜に進入すると鼻腔粘膜に存在するマスト細胞が活性化して顆粒が放出されます。このヒスタミン(化学伝達物質)が感覚神経を刺激しくしゃみ誘発して外敵を物理的に排除します。同時にロイコトリエン(生活活性物質)とともに血管透過性の亢進や血管拡張を誘導し、鼻汁の分泌を促し外敵を追い出すことを容易にします。気管支喘息も咳や痰や気道の収縮が新たな外敵を入ってくるのを防ぐ。アトピー性皮膚炎の皮膚のかゆみも同じである。かゆみはヒスタミンに加えTH2から産生されるIL4,IL13IL31のサイトカインによって誘発される。「Ⅱ型免疫応答」これらはTh細胞と自然リンパ球が重要な役割を果たしています。Th2と2型自然リンパ球です。IL4IL5IL13を産生することで寄生虫の免疫応答を起こします。「IGE抗体を中心としたメカニズム」樹状細胞が抗原を取り込んでリンパ節にて提示を受けるのはナイーブT細胞である。これが2種類のサポート役の細胞に分化します。Th2と濾胞ヘルパーTでB細胞に対して特定の抗原に結合する「IgE抗体」である。これらがアレルギー反応の中心的メカニズムである。再びアレルゲンが侵入するとIgE抗体に結合するとヒスタミンやTNFαと呼ばれる炎症性サイトカインを産生する。「Th2とILC2は何する?」Th2はサイトカインを産出することで炎症を起こします。IL13は上皮細胞に作用し粘液の分泌を促したり平滑筋の収縮を誘導する。IL5は好酸球がたくさん作られる様にし(活性化)(生存延長)これりより炎症が長引いたり組織傷害を引き起こされたりします。
2-4【免疫の働きとアレルギーへの影響】・・・「粘性の網を張る好酸球」好酸球について爆弾以外に好酸球自身が特殊な死に方『エトーシス』をし細胞の中身に存在するDNAを網状に放出し粘性の高い網をはって外敵を動けなくすることです。それにより慢性的に組織が傷害され組織の線維化や構造変化が起こるのです。「ストレスでもアレルギー反応が起こる?」抗原がなくても皮膚の掻破や寒冷刺激などの物理的ストレス精神的ストレスがきっかけとなってアレルギー反応が誘発することがあります。この病態について腸管で発現を示すIL25とリンパ節、肺、皮膚、脳に発現するIL-33が重要な役割を担っている。これらに応答するのが自然リンパ球ILC2である。IL33は上皮細胞が掻破で破壊された時に出てくる物質でほかに神経ペプチドがストレスと関係している。TSLPもその一つである。これらを『自然アレルギー』と呼ぶ。



 
2026年09月12日 11:47

①アレルギーとは?

1-1【アレルギーとは体の行き過ぎた反応】人間は身体を守るために「免疫」という仕組みを持ってます。細菌やウイルスなどの「異物」を体の中に入ってきたときにそれを見つけて攻撃し体外に追い出そうとする働きのことです。風邪のウイルスがはいてきたときに熱が出たり鼻水が出たりするのも「体が戦っている」サインである。ところがこの免疫が「本り敵でないもの」に対しても必要以上に反応してしまう現象があります。花粉や食べ物に対して無害なはずなのに「これは危険だ」と体が過剰に反応してしまうものです。これが「アレルギー反応」と呼ばれるものです。「体が頑張りすぎてしまう」です。
1-2【アレルギーという言葉は「いつ」からあるの?】1920年代に皮膚アレルギー反応を介在する物質が血清中に存在していることがわかりレアギンと名つけられました。微量であるためその正体は長い間不明であったがIGE抗体というタンパク質であることが同定されました。この抗体は現在考えられているアレルギー反応のメカニズムの礎となっています。
1-3【アレルゲンと抗原の意味】抗原とは「これは身体にとって異物」と判断して反応を起こす物質のことを指します。細菌やウイルススギ花粉などの物質が抗原となりうるわけです。そしてこれらのうちアレルギーを引き起こす抗原のことを「アレルゲン」です。そのほとんどが「タンパク質」である。一言で「アレルゲン」と言っても複数のタンパク質から構成されています。鶏卵では卵白がアレルゲンであるが卵白も様々なタンパク質で構成されておりそれが「コンポーネント」とよばれていて「アレルゲン」の中にはアレルギー反応を引き起こしやすいコンポーネントとそうでないコンポーネントがある。
1-4【アレルギーとアレルギー疾患の違い】「アレルギー」とは本来生体にとって無害であるはずの特定の物質に対して免疫が過剰に反応する現象のことを指します。一方アレルギー疾患はアレルギー反応が一員となって発症する特定の臨床的疾患群あるいは病気のことを指します。何故両者を区別する必要性があるかというとアレルギー疾患の中に特定のアレルゲンによってのみ引き起こされる疾患(1対1)とアトピー性皮膚炎や気管支喘息のように特定のアレルゲンだけが原因でない疾患が混在しているからです。例えばアトピー性皮膚炎はダニとか花粉は憎悪因子であるが他にも機械的刺激、汗、ストレスなど特定のアレルゲンでないものも憎悪因子になり得るのです。自然免疫と獲得免疫の両方が関与している。
1-5【アレルギー疾患は現代病】これは衛生仮説という考え方があり「現代の生活が清潔なりすぎたせいで免疫が本来戦うべき敵(細菌や寄生虫)に出会わなくなり代わりに無害なものまで反応するようになった」という説。
1-6【様々な反応のタイプ】Ⅰ型IgE抗体の働きよる即時型アレルギーⅡ型細胞膜などの抗原にIgGやIgM抗体が反応し補体が結合して起こる細胞傷害Ⅲ型可溶性抗原とIgGやIgM抗体と免疫複合体によっておこるⅣ型感作T細胞による遅延型アレルギー
1-7【体の個性という考え方】アレルギ「反応のしやすさ」が人によって違うということである。「アレルギー=悪いもの」と考えるのではなく「その人の体の特徴」と考えるのが大切である。
2026年09月12日 10:15

⑤細胞核

【細胞は分化する】体の細胞はすべて元をたどれば1個の受精卵たどり着く。1個の受精卵が「卵割」と呼ばれる特殊な細胞分裂によって数を増やしていく。最初は目立たないが細胞の数が多くなるに従って徐々に異なる細胞へと変化していく。この変化にはDNA塩基配列の変化ではなくDNAに生じる化学的な変化がかかわる。例えばシトシン(塩基)がメチル化するとその遺伝子は不活性化されヒストン(DNAを糸巻きのように巻き付けているタンパク質)がアセチル化されるとその遺伝子は活性化されることが知られている。こうして受精卵から始まった細胞は遺伝子の使い分けをしながら体細胞へと姿を変えていく。これを「分化」という。【移植出来る細胞小器官】細胞核は真核動物にとってなくてはならない細胞小器官である。何故なら内部にあるのは生物の設計図であるゲノムだからである。しかし時として細胞核は宿主である細胞本体から離れて独自の行動を起こすことがある。その行動とはクーロン動物の作製に用いられる「核移植」とその結果として移植された細胞核が引き起こす「プログラムのリセット」である。最初はカエルの胚の細胞核が細胞核を不活化した未成熟卵に移植されクーロン動物が作製された。10年後胚の細胞ではなくオタマジャクシの体細胞すなわち分化が完成した細胞の細胞核を移植した。分化が完成したということは体細胞が何らかの役割を果たすような成熟した状態になっていてもはや他の種類の細胞になることはない。それでもその細胞核を移植された未受精卵から一匹のきちんとしたオタマジャクシが生まれた。分化が完成した細胞の細胞核であっても条件さえ整えてやれば受精卵の細胞核と同じ状態へと‘リセット,される。さらに体細胞の細胞核を細胞核を不活化した未受精卵に移植する実験が行われ哺乳類として初めてのクローンが羊で作られた。【細胞核の働き】細胞核は無数の核膜抗が存在する脂質四重層となった核膜がDNAを含むクロマチンを取り囲んだ構造をしている。ところどころリボソームサブユニットの合成を行う核小体が存在する。細胞核の内部は遺伝情報まとまりゲノムの本体であるDNAが納まっている。内部には核小体が存在していてメインの仕事は「リボソームの製造」である。リボソームのrRNAの遺伝子がDNA上に複数ありさかんにrRNAの転写がおこなわれている場所こそが核小体である。リボソームは細胞質に無数に存在する「タンパク質の合成装置」である。細胞質で働くものをわざわざ細胞核内の核小体で作られなければならない理由が核小体の謎である。リボソームはrRNAとリボソームタンパク質から出来ていてrRNAはその遺伝子であるrDNAが細胞核内に存在するのだからそこで転写されるがリボソームタンパクはタンパク質なので細胞質のリボソームで作られるはずである。謎なのは核小体で起こるのはrRNAの転写ではなく細胞質で作られるはずのリボソームタンパク質がわざわざ核小体までやってきて「リボソームユニット」が組み立てられ細胞質に出ていくということです。

 
2026年09月09日 12:24

④細胞内膜系

小胞体はエンドプラズミック・レテキュラム」という細胞小器官である。小胞体は細胞膜やミトコンドリアの内外膜、エンドソームなどと同様に脂質二重層からできている。ミトコンドリアやエンドソームの膜が丸く袋のような形状を作っているのに対して小胞体は扁平な袋のような構造をしている。それがさらにいくつも重なって細胞内に存在している。細胞核を覆うように存在し表面にリボソームを付着させているものが「粗面小胞体」でついていないものが「滑面小胞体」である。【細胞外に分泌されるタンパク質】細胞の外に分泌されるタンパク質として一番有名なのは免疫細胞であるリンパ球の一つ「B細胞」が作り出す防御タンパク「抗体(免疫グロブリン)」である。抗体は免疫応答に始まりヘルパーTからインターロイキンによる刺激を受け抗原提示細胞による抗原の提示を受けたB細胞が分化して抗体産生細胞となり放出される。又「コラーゲン」も繊維芽細胞内のリボソームで作られ細胞の外に分泌されるタンパク質である。抗体やコラーゲンのように細胞外に分泌されて働くタンパク質を合成するとき細胞内のリボソームはある小胞体の表面へと移動しそこに結合する必要性がある。【小胞体は何をやっているか?】リボソームは症補体の表面に結合しなければならないか?その理由は合成したタンパク質を小胞体の内部へと放出しそこで細胞の外へと分泌するための‘下ごしらえ,するためである。それはリボソームが合成した細胞外分泌タンパク質を適切に折りたたんだり修飾することです。(タンパク質の分子に踏査がくっついたり、硫黄(S)を分子内に持つアミノ酸のシステイン同士でジスルフィド結合(S-S結合)を形成するなどの化学的な修飾のことです)。抗体産生細胞の粗面小胞体は大量の抗体をリボソームで合成し小胞体を経由して細胞外へと分泌しているため粗面小胞体が発達している。小胞体ではまずこの合成されたてのポリペプチド鎖が長い鎖の状態からタンパク質としてきちんと役割を発揮できる形へと整えられる。その様子がポリペプチド鎖を折りたたんで見えることから「フォールディング(折りたたむこと)」と呼ぶ。小胞体でのタンパク質には「タグ」がつけられている。糖鎖である。これがアミノ酸(アスパラギン酸)に付加される。これはうまくフォールディングがなされているかの目印である。このタグはタンパク質のフォールディングがうまくなされているかの目印で小胞体はいわば「タンパク質の品質管理役」を担っている。うまく折りたためてないと「異常タンパク質応答」と呼ばれる反応を示す。【ゴルジ体とは何か?】小胞体の内部で細胞外分泌のため'下ごしらえ,がなされた後、脂質二重層からなる小胞体の一部がちぎれ、それ自身がタンパク質を乗せた「輸送小胞」となってタンパク質を次の細胞小管である「ゴルジ体」に運ぶ。役割は「配送センター」のyプなものである。ゴルジ体には小胞体方面から輸送小胞を受け入れる「受け入れ面(シス)」と細胞膜方面に分泌小胞を放出する「放出面(トランス)」がある。シス面からやってきたタンパク質は小胞体でなされたものよりさらに細かいタグ付け(糖鎖修飾)が行われ不良品かどうかその後のタンパク質の行く先を込めるのである。そして細かいタグ付けされたタンパク質はトランス面からちぎれて出てきた「分泌小胞」の中に封じられて細胞膜まで運ばれ分泌小胞が細胞膜まで運ばれ細胞膜に融合することによって外科医へ解き放たれるのである。下界に出るときはエンドサイトーシスとは逆の「エキソサイトーシス」という。最終的にゴルジ体で行き先が振り分けられるようなタンパク質を作る際にリボソームは小胞体に取り付くのだ。合成された当初「小胞体シグナル」と呼ばれるアミノ酸配列がN末端側に結合していてそのシグナルを「SRP」と呼ばれるタンパクが認識して小胞体の表面にリボソームごと誘導するのである。それで無数のリボソームが結合することとなり表面がザラザラした小胞体の表面いわゆる「粗面小胞体」と呼ばれる様になった。リボソームがつかない小胞体は「滑面小胞体」と呼ばれる。こちらは脂肪合成を重要な役割とする。滑面小胞体の中にコレステロールやステロイドホルモンを合成する酵素が埋められている。例えば肝細胞の滑面小胞体に血液中での脂質の運搬役を担う「リポ蛋白」の脂質を合成する酵素が多くみられる。又油外な不溶性物質などを水に溶かしたりして排出するための酵素や解毒に働く酵素も滑面小胞体に存在することが知られている。【細胞内膜系というもの】細胞核を覆う核膜、タンパク質の合成に関する小胞体、タンパク質分泌にかかわるゴルジ体、リソソーム(消化酵素を含む小胞)ペルオキシソーム(酸化酵素を含む小胞)など脂質二重層でできたたくさんの膜がある。【新型コロナウイルスの場合・・・細胞侵入術】新型コロナウイルスも小胞体を利用して増殖することがわかっている。従来のコロナウイルスは呼吸などを通して体内(気道)に入り粘膜の層を通り抜けることに成功するとSタンパク質を細胞表面のACE2という受容体に結合させエンドソームの中に包まれて細胞内部に侵入したのち細胞内にRNAゲノムを放出する。一方新型コロナウイルスはエンドソームに包まれることなく細胞に入り込む仕組みも報告されている。その場合はSがタンパクがACE2に結合するとその付近にある細胞のプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)がSタンパクの一部を切断しそれがひきがねとなって新型コロナウイルスのエンベロープと細胞膜が融合してそのままRNAゲノムが細胞質へと侵入する。【新型コロナウイルスは小胞体をどう利用するか?】新型コロナウイルスは細胞内に放出されたRNAゲノムから転写された遺伝子の一部からリボソームで翻訳されタンパク質が出来るとその蛋白質が小胞体の膜を変形させ新型コロナウイルスのRNAゲノムが複製するための「囲い」を作らせる。その囲いの中で新型コロナウイルスのRNAゲノムはさかんに複製される。複製されたRNAゲノムは何らかのメカニズムによって「囲い」の中から飛び出して細胞質に侵入し同じく細胞質のリボソームで合成されたヌクレオカプシドタンパク質に囲まれ安定する。
 
2026年09月09日 09:11

③ミトコンドリア

【ミトコンドリアの働き?】ミトコンドリアは外膜と内膜という二重の膜からなり1個の細胞に数百個から数千個も含まれる細胞小器官です。それほどたくさんのミトコンドリアが何故細胞内に存在するのか?それは細胞内で「好気呼吸」を司る細胞小管である。グルコースが細胞質で解糖系によって分解できるピルビン酸、体外から呼吸によって取り入れた酸素を利用してエネルギー物質であるATPを作り出している。副産物として二酸化炭素を作る。作られた二酸化炭素は呼吸によって体外に排出する。細胞はミトコンドリアが生産するATPを使うことによって、日々の活動を行うことが出来る。【ミトコンドリアとATP】ATPはRNAの材料となる重要な物質でリボースという糖とアデニンという塩基と三つが直接につながったリン酸が結合した形をしている。この直列につながった三つのリン酸のうちリボースから最も遠いリン酸(γ位リン酸)とその手前のリン酸(β位のリン酸)との間の結合が「高エネルギーリン酸結合」と呼ばれておりこの結合を加水分解することにより一モルATPあたり7キロカロリーもののエネルギーが生じる。そのエネルギーの使い道の一例はとれたリン酸を不活性型タンパクに結合させ活性型に変えることである。その重要な物質、ATPを作る細胞小器官がミトコンドリアである。グルコースの分解でできたピルビン酸が細胞質からミトコンドリアに入り込むとそこでアセチルCoがミトコンドリアのマトリックスと呼ばれる実質部分で「クエン酸回路」と呼ばれる反応経路に入ると「NADH」という物質が作られる。(還元型補酵素)これは「NAD+」(酸化型補酵素)(電子とプロトンが一次的に預けられたもの)。NAD+に一時的に預けられた電子はミトコンドリア内膜の電子伝達系に入り「呼吸鎖を構成する酵素群」にすりぬけていく。その伝達系の水素イオン(プロトン)を膜の内外へととりぬけさす「プロトンポンプ」というたんぱく質複合体が電子がその中を通り抜けることにより活性化することにより内膜にたまっていたプロトンが内膜と外膜の間の空間に放り込まれていく。その過程で生まれたプロトンの濃度勾配によりATPが合成される。伝達された電子はプロトンとともに酸素と結合し水となる。最近ではインフルエンザウイルスに感染するとインフルエンザウイルスのタンパク質が宿主細胞のミトコンドリアに入り込みその機能を低下させることが知られている。ミトコンドリアにはATP産生という主要な役割以外にウイルスが細胞内に侵入してきたことを感知して、自然免疫に必要なインターフェロンなどの免疫物質を細胞に生産させる役割があることがわかっている。
 
2026年09月08日 11:48

②リボソーム

細胞が細胞であるからには必ずできなければならないことが3つある。1つは必要な物質をやり取りできること。2つは自己複製が出来ること。3つは代謝を行ってATPを得ることである。そのうち1つはタンパク質合成装置である「リボソーム」の存在である。【絶対に失ってはいけないもの】細胞にも失ってはならないものがリボソームである。タンパク質は細胞が活動するには不可欠な物質である。細胞がエネルギーを作り出しエネルギーを使って活動するための「酵素」の本体もほとんどがタンパク質である。一個の細胞の中に何十万個と言われるほど存在している。遺伝子の本体はDNA(赤血球は核無し)である。それによって塩基配列として存在する遺伝子をタンパク質の設計図としてタンパクを作り細胞として生を全うしている。リボソームの存在が細胞たるゆえんである。【タンパク質を自分で作るということ】細胞は代謝と自己複製を自ら行う能力を持っている。自己複製とは増殖して(細胞の場合は分裂をとる)みずからの遺伝子を受け継ぐコピーすなわち子孫を作ることで自分で行えることが重要である。こうした一連の化学反応は反応速度を格段にアップさせることが出来る触媒である酵素で行われるのである。これらもタンパク質でできている。タンパク質があって代謝、自己増殖を自分の手で行うことが出来るということだ。タンパク質は10万種類そのうち酵素として働くのが半分(酵素タンパク質)構造タンパク(細胞の構造を担う)、収縮タンパク(筋肉)、防御システムタンパク(抗体など免疫の仕組みだ働く)。これらはリボソームが作ってくれる。【リボソームの形】リボソームは「RNA」とタンパク質からなる複合体である。リボソームの材料となっているのが「リボソームタンパク質」である。一方のRNAは核酸であり用いられる塩基が違う。(チミンーウラシル)構成される糖がDNAではデオキシリボースに対しRNAはリボースである。DNAでは日本のDNAが相補的に抱き合って二本鎖になっていてRNAでは一本鎖の中で相補的な配列が部分的に二本鎖を形成し立体構造を作り出している。RNAはリボソームにまでその情報を運ぶmRNAやアミノ酸を運ぶtRNAやmRNAを調節するmiRNAが重要な役割を果たしている。細胞内で最大量を誇るのがリボソームの材料となるrRNA(リボソームRNA)である。原核動物では4種類が一本ずつ集まることでリボソームを作り上げている。個々のリボソームは大サブユニットと小サブユニットの二つの粒子に分けることが出来る。タンパク質の合成をしていないときは二つの粒子はバラバラで合成されるときに合体して完全なリボソームとなる。【rRNAがタンパク質を合成する】リボソームの中でタンパク質を合成する機能を持っているのはリボソームタンパク質ではなくrRNAの方である。タンパク質を合成する機能というのはアミノ酸をつなげていく「ペプチド転移反応」の触媒の働きを行うということである。リボソームではDNAである遺伝子から転写されたmRNAの塩基配列を読み取りその塩基配列が指定するアミノ酸をtRNAが一個づつ持ってきてはそれを一個ずつつなげていく作業(翻訳)が行われる。その作業を行う酵素が大サブユニットを構成するrRNAである。リボソームにおけるペプチド転移反応の触媒はリボソームタンパク質ではなくrRNAが担っている。(リボザイム)【リボソームタンパクによる翻訳作業】タンパク質合成の概略は細胞核の中で遺伝子から転写されその塩基配列を写し取ったmRNAが細胞核が表面無数に開いた核膜孔を通て細胞質にやってきてリボソームの小サブユニットがmRNAに取り付く。小サブユニットでは最初のアミノ酸である「メチオニン」がくっついたtRNAが結合していて「メチオニン」に対してかつタンパク質の合成がスタートする最初のコドンである開始コドンをサーチする。「コドン」とはmRNA上の3つの塩基からなる{アミノ酸の暗号}のことを指す。開始コドンが始まると大サブユニットが結合しリボソームが完成すると同時にタンパク質の合成が始まる。リボソームがmRNAの上をコドン3塩基分ずつ動いている間アミノ酸一個ずつくっつけたtRNAが次々にリボソームの所定の位置に入り込んでいく。こうして入り込んだアミノ酸をぢユニットを構成するrRNAがリザイムとしてつなげていく。塩基でできた言語をアミノ酸でできた言語に変換するいわゆる翻訳である。翻訳作業にはいろんなタンパク質がサポート役として働く。これが「アミノアシルtRNA合成酵素」である。例えばこの酵素によってメチオニンをtRNAに結合させるのはメチオニルtRNA合成酵素である。
 
2026年09月05日 16:14

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