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④自己を攻撃する免疫(アレルギー)
(1)自己を攻撃しないはずの免疫が?・・・免疫が反応すべき物質は本来病原体や癌細胞など体に有害なものもあります。花粉やダニ、食物といった異物であっても有益もしくは無害なものは普通は免疫は反応しません。自分自身、妊婦、胎児にも免疫は反応しません。これを「免疫寛容」といいます。ところが免疫寛容が破綻すると同じ免疫機構が自分自身や無害なものに反応してしまい病気になります。「免疫疾患」です。花粉やダニ、食物など本来反応してはいけない外来の異物に反応してしまった場合は「アレルギー疾患」自分自身の分子に反応してしまった場合は「自己免疫疾患」です。自分自身の分子に反応する抗体を「自己抗体」と呼び蛋白質、核酸、脂質、踏査など様々な分子が抗原になります。
(2)4つのアレルギー反応・・・本来反応しない外来物質や自己の分子などに対して起きるアレルギー反応はⅠ~Ⅳ型に分類されてます。Ⅰ型・・・IgEによっておこる即時型アレルギー反応。Th2⇒(IL4)⇒B細胞⇒IgE⇒肥満細胞、好酸球⇒FcεRI受容体⇒抗原結合⇒ヒスタミン、プロテアーゼ放出。
Ⅱ型・・・自己反応性IgM、IgGによって起きる細胞障害。血小板減少症や溶血性貧血。構成物質のペニシリンに対する抗体が出来た場合も赤血球が攻撃されることがあります。
Ⅲ型・・・抗原抗体複合体が血管や臓器に沈着することによっておこります。全身性エリテマトーデスがループス腎炎として現れます。溶血性貧血。DNAもしくはDNAが結合した蛋白とDNAに対する抗体が複合体を作ります。その複合体が腎臓や血管に沈着して腎炎や血管炎を作る。IgAと抗原が複合体を作り腎臓に沈着して腎炎を起こすこともありIgA腎症を起こすことと知られている。
Ⅳ型・・・T細胞による障害。抗体依存性に対して細胞依存性である。金属アレルギー、ツ反など。接触性皮膚炎。
(3)病原体の排除に働く3種類のヘルパーT細胞・・・免疫を引き起こすアレルギー反応の主役は抗体である。そこに至るには抗体産生を仕切るヘルパーT細胞の制御不全、サイトカインという細胞間の情報伝達を担う物質の作用が大いに関係します。
【細胞内の寄生病原体を排除するTh1細胞】マクロファージ、樹状細胞⇒ナイーブT細胞⇒INFγ、IL12⇒Th1⇒INFγ、IL2⇒マクロファージを活性化、キラーT細胞を誘導、IgG産生B細胞⇒結核菌、ウイルス⇒炎症性疾患(マクロファージM1)、Th1が過剰になると激しい炎症が起きたり自己分子や無害なものまで反応するので自己免疫疾患が起こります。【寄生虫の排除を担うTh2細胞】マクロファージ、樹状細胞⇒ナイーブT細胞⇒IL4⇒Th2⇒IL4、IL5、IL9、IL13⇒好酸球IgE産生B細胞⇒寄生虫⇒Ⅰ型アレルギー
寄生虫は細胞より大きいため抗体やマクロファージでは太刀打ちできません。IgEがアレルゲンとして寄生虫を認識すると肥満細胞や好酸球は毒性のある化学物質を出し寄生虫を排除しようとしてます。Th2はIL13を放出して上皮細胞に粘液を作らせ寄生虫を洗い流そうとしています。又IL4やIL13がかゆいという感覚を伝える神経を刺激を刺激していることもわかってきました。【Th17はないと感染症、癌になり過剰だと自己免疫疾患】マクロファージ、樹状細胞⇒ナイーブT細胞⇒IL6、IL1β、IL23⇒Th17⇒IL17、IL22(上皮細胞、血管内皮細胞、繊維芽細胞)⇒好中球IgAB細胞⇒細菌(大腸菌、黄色ブドウ球菌)、カンジタ菌⇒組織損傷、自己免疫疾患
IL17は好中球を動員するサイトカインです。消化管内や皮膚表面にいる細菌や真菌を食べて殺菌します。IL22は上皮機能バリアを強化するサイトカインも作ります。これらは皮膚の細胞や消化管粘膜に抗菌ペプチドを産生させます。「抗生物質」である。TH17細胞はB細胞に作用して消化管粘膜や気道で分泌されるIgAへの抗体のクラススイッチを誘導し感染予防にも働きます。逆に過剰なTh17細胞は自己免疫疾患や様々な組織障害を起こします。皮膚の乾癬は自己免疫疾患でありIL17の阻害薬が使われています。脳梗塞や腎障害をはじめとするさまざまな組織の損傷においてIL17は症状の悪化に関与し阻害薬が使われている。
3変異して免疫をすり抜けようとする
ウイルスは複製過程で突然変異でによって様々な亜株を生み出します。ワクチン接種によって出来た抗体に中和されるような株は淘汰され抗体が中和しにくい株は淘汰され抗体が中和しにくい株が増えていきます。最初のワクチンは武漢株もとに作られています。この武漢株に対する抗体はデルタ株をある程度中和可能です。しかしオミクロン株はスパイク蛋白に30箇所以上の変異があり武漢型のワクチン接種で得られた抗体には中和効果がない状態です。しかしワクチンで得られた記憶T細胞はオミクロン株に対してもほかの株とほとんど遜色なく反応する。つまりオミクロン株に対して抗体の効果は下がるのにT細胞免疫は変化がないということになります。抗体の効果が下がるのはスパイク蛋白質が細胞のACE2に結合します。感染を防御する抗体の多くはRBD(ReceptorーBinding-Domain)に結合します。オミクロン株ではアミノ酸が置換された変異がRBDの部分に集中するので武漢株をもとにしたワクチンでh得られた抗体はオミクロン株に有効ではありません。又抗体は接種後半年もすると抗体価は0に等しくなります。一方T細胞は抗原ペプチドを認識します。数が多いからその中に少しの変異があっても武漢型で得られた記憶T細胞はオミクロン株のスパイクも十分認識します(交差免疫)。又抗体とちがって記憶T細胞は8か月たっても半分以上残っています。オミクロン株の感染者でも重症者、死亡者が増えなかったのはワクチンによるT細胞免疫の効果も無視できないと考えられます。人類が感染症を克服するには①ウイルス自体を弱毒化すること②人類側が感染もしくはワクチンによる免疫をつけることです(集団免疫)【ワクチンの副反応】mRNAワクチンやコンポートワクチンに添加されているアジュバンドは自然免疫を活性化する働きがあります。ワクチン接種後の発熱や頭痛、倦怠感といった副反応は自然免疫の活性化によるものです。人によっては心筋炎や血管炎を起こすことがある。プチサイトカインストームをおこすことがありリンパ球を減少させ獲得免疫系を弱め免疫が落ちることにより帯状疱疹や感染症に起こりやすくなります。さらにワクチンによって出来る抗体が危険の高い副反応を起こすことがあります。「抗体依存性過敏症」と呼ばれるアレルギー反応です。通常のアジュバンド効果はIgMからIgGへのクラススイッチを誘導しますが人によってはIgMからIgEへのクラススイッチが起き2回目の追加接種によりアナフィラキシーショックが起きることがあります。IgGでも抗原複合体が組織に沈着し血管炎や腎炎が起きます。自己免疫疾患になります。血栓や心筋炎も起こることがあります。ポリエチレングリコール(PEG)が抗原になることもあります。【リスクとベネフィット】一般的な免疫学の法則として短期間に抗原を頻回に投与すると免疫のブレーキが強く働いて(Treg細胞)抗体産生やT細胞を抑制する可能性があります。2ワクチンの期待
ワクチンによる感染防御の主体は抗体とキラーT細胞である。又B細胞に優れた抗体を作らせるためにはヘルパーT細胞も欠かせません。これらの細胞は獲得免疫の主役ですが獲得免疫を誘導するには自然免疫を活性化する必要があります。様々なワクチンがどのように免疫を活性化するのでしょうか?B細胞は抗原となるワクチン由来の蛋白質を認識して活性化する。一方ワクチンの投与により活性化された自然免疫細胞、特に樹状細胞は抗原提示細胞としてリンパ節に移動するして抗原の一部をMHCに提示しナイーブT細胞を活性化してヘルパーT細胞とキラーT細胞への分化、増殖しヘルパーT細胞はサイトカインを分泌してB細胞を活性化して抗体を産生するプラズマ細胞への分化・増殖を誘導したりして抗体がクラススイッチや親和性成熟うお起こしたりするのを助けます。キラーT細胞は感染細胞を破壊します。【ワクチンの本来の効能は重症化予防であること】インフルエンザは何故毎年のように接種しなければならないか?現在使われているインフルエンザワクチンは精製したウイルス粒子をホルマリンで不活性死そこから脂質をエーテルで取り除きウイルス表面のスパイクにあたるヘマグルチニンを精製して濃縮したものである。抗原になる成分にになる成分を取り出したものを「スピリットワクチン」と呼ぶ。インフルエンザのヘマグルチニン(HA)には変異が多いため昨年のワクチンによって出来た免疫記憶は今年のウイルスに対して活性が弱い。だから毎年打った方がいいということです。エーテル処置やHAの精製を行っているのでアジュバンドになる成分が少ないことも理由の一つです。何故アジュバンドを加えないか?は副作用があるからです。このワクチンはすでにある免疫記憶を再活性化して効果を引き出しているのです。免疫T細胞や記憶B細胞の再活性化には自然免疫(アジュバンド)必要ないからである。インフルエンザワクチンは「感染しても重症化させない」ことに重点を置いたワクチンといえます。毎年接種しなければ意味ないと言えます。【mRNAワクチン】病原体のmRNAは通常は病原体のDNAから転写され作られ細胞内でリボソームによって翻訳されます。DNA⇒蛋白質をつなぐメッセンジャーとして働く。そこで抗原蛋白質をコードするmRNAを細胞に送り込めばその情報をもとに抗原蛋白質が作られ免疫が誘導します。RNA型ウイルスに対するワクチンはウイルスのRNAの代わりに人工的に作ったmRNAを細胞の送り込めばいいのです。しかし問題点が2つあります。①mRNAは生体内で酵素によって壊されてしまします(不安定)②投与したmRNAがTLR3(二本鎖RNA)、TLR7(一本鎖RNA)やRIG-1などのRNAセンサーに感知されアジュバンド効果が強く表れて自然免疫が激しく活性化されてサイトカインストームをおこしてしまうことです。これらを解決したのがmRNAの構成成分の一つであるウリジンを一メチルシュウドウリジンに置き換えたのでした。これによってRNAセンサーに認識されにくくなったのでした。一方でほかに加えられているアジュバンドよりも強いので副反応も強いと考えられます。しかし修飾されたウリジンに置換されただけではmRNAは不安定なので体内で酵素によってこわされてしまいます。MRNAが細胞に取り込められてタンパク質に翻訳されないとワクチンの価値がありません。そこでこれを可能にしたのが脂質ナノ粒子(LNP)である。LNPは想像以上の効果をもたらしました。LNPに包み込まれたmRNAは体内で分解されることなく細胞まで入り分解されることなく蛋白質が作られた(スパイク蛋白、ウイルスRNA、ウイルス蛋白)。その蛋白質から切り出された抗原ペプチドは樹状細胞によって抗原提示されT細胞免疫を強く活性化したのです。LNPにもアジュバンド活性がありmRNAとともに自然免疫も活性化します。このため抗体のみならずヘルパーT細胞、キラーT細胞を誘導します。他にアデノウィルス型がありアデノウィルスというDNA型のウイルスに目的の蛋白質の情報を持つDNAを組み込み接種する。アデノウィルスは細胞に感染し細胞の中で目的の蛋白を作られます。蛋白質の発現量が高い、複製できないが血栓を作りやすい、抗体価がmRNAより弱い、感染を阻止する効果弱い。【ワクチンの効果はどの程度続くか?】麻疹は一生続くが最近の報告では適切に抗原刺激を繰り返せば記憶T細胞はほぼ無限にいつまでも維持できると言われている。記憶細胞は常に刺激を受けリブート(再起動)を繰り返しています。mRNAワクチンで得られる抗体価は通常の感染で得られる抗体価の10倍以上あるということですが長続きしません。ワクチン接種後に感染するブレークスルー感染や3回目のワクチン接種によって初回以上に抗体価が素早く上がることがわかりました。ワクチン接種による免疫記憶は存在し感染もしくは3回目のワクチン接種によって「リブート」されたのです。【ハイブリッド免疫の獲得】ブレークスルー感染した人にワクチンを接種して感染するとより質の高いかつ多様な変異株に対応できる免疫が得られることが報告されています。「ハイブリット免疫」と呼ばれています。まとめると新型コロナワクチン感染症ワクチンによる免疫記憶は少なくとも1年以上は維持され実際の感染や再度のワクチン接種で「リブート」される。ワクチン接種は1年に1度、実際に感染した人は数年に1度でよく健康な若者であればオミクロン株のような軽症のウイルスでは打つ必要ないでしょう。むしろアジュバンドによる副反応や抗体による病気を引き起こすリスクが高いのです。③病原体との攻防ー1過剰な免疫応答「サイトカインストーム」
身体には幾つもの感染防御機構が備わっています。にも拘わらず病原体の感染で死亡するものもいます。新型コロナ感染症ではウイルスは細菌に滑り込み複製して増殖して細胞の外に飛び出すことを繰り返します。新型コロナウイルスは肺の細胞に潜り込んで増殖し肺の細胞を破壊します。その結果呼吸が苦しくなり重症化すると肺炎になります。通常はウイルス感染から時間がたつと体内のウイルスは減ってきます。ところが減ってきても肺の損傷は継続し心臓や肺や能hに血栓ができるのです。このような症状の原因となるのが「サイトカインストーム」である。通常サイトカインはマクロファージⅠによって産生され炎症を起こして病原体を排除するのに必要な物質である。ところがサイトカインが全身で強力におこれば発熱や倦怠感や血栓が全身にわたって起こりいろんな臓器が障害されて多臓器不全となります。新型コロナウイルスの治療薬は軽症では抗ウイルス薬としてレムデシビル、モルヌピラビル、ゾコーバなどがあるが重症者患者には効果がありません。重症者患者に投与される治療薬は過剰な免疫応答がである「サイトカインストーム」を抑える薬になります。デキサメタゾン、トシリズマブ®アクテムラ、バリシチニブがあります。それぞれの治療薬の作用機序は異なります。デキサメタゾンは副腎皮質ホルモンの一種で免疫全般、特にマクロファージⅠからの炎症性サイトカインの産生を抑えます。トリシズマブ®は炎症性サイトカインのIL6の受容体と結合するのを阻害します。IL6gaが結合する受容体は細胞膜を貫通して細胞内の部分にはJAK(ヤヌスキナーゼ)が結合していなす。キナーゼは細胞内の蛋白質をリン酸化する酵素である。JAKはサイトカインによるシグナルを細胞の核内にあるDNAに伝える働きをしており様々な炎症反応を引き起こすための鍵となる重要な酵素である。【何故高齢者が重症化し子供が軽症なのか?】新型コロナウイルスの感染による重症例のほとんどが高齢者や基礎疾患がある人で重症化した人は好中球やマクロファージなどの自然免疫系の細胞が増加しリンパ球(T細胞、B細胞)が減少していることはわかっています。特に高齢者は胸腺のT細胞は減ります。子供は免疫系の発達が未熟なためサイトカインストームを起こしにくいのではないかと考えられます。子供が軽症なのはインターフェロンの産生量が多く自然免疫と獲得免疫が発動されてサイトカインストームを起こすことなくウイルスが排除されているのは間違い内容です。川崎病はウイルス感染や細菌感染をきっかけに過剰な免疫応答により全身において動脈炎が起こるのではないかと考えられている。【日本が軽症なのは交差免疫のため?】交差免疫とは過去にある病原体に感染したことでその病原体に似ている別の病原体に対しても働く免疫のことです。一つの例が天然痘です。一方天然痘に似た書状が出る「牛痘」という牛の病気があります。種痘は牛痘に感染した人に出来た水疱から液体を取り出して接種すると天然痘にかからなくなります。これが交差免疫の代表的な例です。新型コロナにウイルスに一度も感染していないにも関わらず健康な人の20~50%が記憶T細胞を持っています。4種類の感冒ウイルスに対する交差免疫である。HLA-AーAは2402という型は日本人の約6割が持っ就ている。日本人に多いHLAーAーA2402が感冒ウイルス(HKU1,OC43、NL63、229E)のどの部位のペプチドと結合するかを調べました。その結果スパイク蛋白の幹の部分から切り出されたペプチドであることがわかりました。HLA-A-A2402は新型コロナウイルスの同じ部位から切り出されたペプチドとも結合しHLAー抗原複合体を記憶T細胞が認識して活性化されることを乱しました。従って新型コロナウイルスの感染は初めてなのにHLA-A-A2402に結合して提示された新型コロナのスパイク蛋白のペプチドを過去の感冒ウイルスの感染で作られた記憶T細胞が認識して活性化され交差免疫が発動されるのです。「交差免疫」は子供が軽症である理由の一つとも考えられている。子供は常に風邪ひている。感冒コロナウイルスに感染してあまり時間がたってないにも関わらず感冒ウイルスの記憶T細胞があるからだということです。子供はや若者は交差免疫によって新型コロナウイルスが排除されるのでサイトカインストームが起きることなく治ってしまうのです。②ー2獲得免疫で働く2つのリンパ球B細胞とT細胞
自然免疫でウイルスが排除できなくなった場合に発動するのが「獲得免疫」です。獲得免疫で働く細胞はB細胞とT細胞でリンパ球というとこの2つです。B細胞で働く免疫のことを「液性免疫」T細胞で働く細胞を「細胞性免疫」という。【T細胞への抗原を提示する仕組み】T細胞はヘルパーT細胞とキラーT細胞であり前者はサイトカイン(炎症性サイトカインとは異なります)を放出してB細胞の抗体産生の補助やマクロファージを活性化させたりして間接的に感染防御に働きます。後者は感染細胞を殺します。T細胞もB細胞も抗原と結合する受容体を持ちTCRと呼ばれBCRが直接認識するのと違って相手に(抗原提示細胞である樹状細胞、マクロファージ)MHCが必要です。NK細胞はクラスⅠ分子MHCがあれば攻撃しません。TCRが認識する抗原は抗原となる小さなペプチドがMHCのポケットに入り込んだものです。アミノ酸が50個以上がタンパク質で未満のmpのがペプチドです。新型コロナのスパイク蛋白はアミノ酸が1300個ほどつながったものですがこのうちMHCにはまり込むのは25個程度のアミノ酸がつながったペプチドである。ペプチが抗原にはまり込んだものが「MHC-抗原ペプチド複合体」という。MHCクラスⅠ分子とⅡ分子があります。前者は細胞内で合成された蛋白質(ウイルスの蛋白質のペプチド)後者は細胞外から取り込まれた蛋白質(細菌の蛋白質)のペプチドが結合します。クラスⅠ分子MHCはキラーT細胞に、クラスⅡ分子MHCはヘルパーT細胞にそれぞれ抗原ペプチドを提示しTCRによって認識されます。ウイルスの蛋白質のような細胞内で合成されたタンパク質は(ユビキチ)という目印が付加されてプロテアソームという酵素によりペプチドは小胞体に輸送されクラスⅠ分子MHCに結合して細胞表面に運ばれキラーT細胞に表示されます。クラスⅡ分子MHCの場合はウイルスや細菌はエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれエンドソームやリソゾーム内でプロテアーゼによりペプチドに分解してクラスⅡ分子MHCに結合し細胞表面へ運ばれてヘルパーT細胞へ提示されます。【厳密な抗原特異性を獲得】MHCー抗原ペプチド受容体T細胞によって2回使われます。1回目はナイーブT細胞がMHC抗原ペプチド複合体によって活性化されこの時の抗原提示細胞は樹状細胞である。樹状細胞は体内に侵入したウイルスや細菌を取り込みクラスⅠ分子とⅡ分子のりょほうのMHCー抗原ペプチド複合体を発現します。その樹状細胞はリンパ節にてヘルパーT細胞やキラーT細胞に分化・増殖する。それで感染場所に移動して感染細胞を見つけて殺すのです。(2回目)。ヘルパーT細胞はキラーT細胞と違ってサイトカインを出してほかの免疫細胞の活性化をサポートする。主な相手はクラスⅡ分子MHCー抗原ペプチド複合体を発現しているB細胞とマクロファージである。B細胞とマクロファージを活性化させる。【病気に対する個性が血液型によって決まる】MHCは人の場合は人白血球抗原(HLA)と呼ばれています。白血球はHLAの形で分類できます。人ではクラスⅠ分子にはA、B、Cの3つの形がクラスⅡ分子ではDP、DQ、DRの3つの形があります。それぞれの型には200~2000種類の細かい違いによる種類がある。HLAは人種による偏りもあり日本人が新型コロナに感染しにくいのはHLA型のためではないかと考えられている。【免疫には記憶がある】侵入してきた病原体を撃退した後のT細胞とB細胞は役目を終えて大部分が死滅する。」しかし少数のメモリT細胞、メモリーB細胞は残ります。これらを記憶リンパ球といいます。記憶リンパ球は同じ抗原を再び認識すると速く活性化して仕事を行います。記憶リンパ球がある2回目の感染では自然免疫を必要としないので数日で十分です。これを利用したものがワクチンである。麻疹のワクチンは一生続きます。記憶リンパ球は血液を循環しているものと病原体が侵入した部位(気道や消化管粘膜)を記憶してそこに集まっているものもあります。病原体が侵入しやすい部位に記憶リンパ球が存在していることにより2回目の感染ではより早く強い防衛反応が誘導されるのです。②ー1五つ感染防御機構
(1)5つの感染防御機構・・・身体には感染に対する様々な防御機構が備わっている。①バリア障壁②インターフェロン③自然免疫④獲得免疫⑤免疫記憶です。【病原体の病原体の侵入を阻止するバリア機構】・・・いわば水際対策で粘膜の上皮細胞や皮膚の角化細胞がシールされ病原体を侵入させないようにする。さらに痰や唾液、涙も病源体を洗い流す働きがあります。くしゃみや咳も肺に入りそうな病原体をたたき出すバリア障壁である。【インターフェロンがウイルスに負けない細胞を作る】・・・バリア障壁でいくら侵入を阻止してもウイルスが気道や肺の上皮細胞にくっつて細胞内に潜り込むことがあります。この時最初に働く防御の武器がインターフェロンです。インターフェロンはまだ感染していない細胞に対して細胞を「ウイルス抵抗状態にします。例えばコロナウイルスの場合は細胞に侵入するとウイルスのmRNAをもとにRNA転写され、ウイルスRNAの情報の基に蛋白質が出来ます。複製されたRNAとウイルス蛋白が次々組み立てられます。そうして増殖したウイルスは細胞外に放出され別の細胞に侵入していきます。ここでウイルス感染細胞から放出されたインターフェロンα、βによってRNAを分解する酵素やウイルスを構成するタンパク質の合成を抑制する因子を誘導します。このようなウイルス抵抗状態になった細胞に滑り込んでもウイルスは増えることはできず感染が拡大しません。さらに細胞がウイルスの侵入を感知してインターフェロンを作らせるウイルスセンサーとして働くRIG-1というタンパク質も重要です。一方で全身性エリトマトーデスのような自己免疫疾患ではインターフェロンが慢性的に作用し続けることで悪化するのでインターフェロンの作用を阻害するモノクロール抗体が治療に使われます。【NK細胞が感染細胞を見つけて速く殺す】初期の段階では感染してしまった細胞はNK細胞が担当します。目印はクラスⅠ分子というタンパク質です。クラスⅠ分子MHCは通常ほとんどの細胞で表面に発現します。NK細胞はクラスⅠ分子MHCが発現している細胞を攻撃しません(受容体が抑制的)。一方でウイルスが感染した細胞ではウイルスの構成蛋白をたくさん作っているためにMHCの産生が低下します。受容体を介したブレーキシステムが作動せずNK細胞はウイルスに感染した細胞を攻撃します。ウイルスが侵入したときに細胞ら発生するインターフェロンもNK細胞の活性化に一役買ってます。癌細胞もクラスⅠ分子MHCの発現が低下するので癌細胞を攻撃してきます。又2度目の感染やワクチンを接種したことでウイルスに対する抗体が存在すればNK細胞は抗体を介して感染細胞を認識して攻撃することもできます。「抗体依存性細胞障害反応」という。NK細胞にはFc受容体があり感染細胞表面のスパイクに結合した抗体を認識して感染細胞を攻撃するのです。【食細胞が食べて消化する】死んだ感染細胞や死にかけた細菌細胞を素早く食べて消化するのが好中球とマクロファージである(貪食作用)。NK細胞と同じくFc受容体がありウイルスに結合した抗体や感染細胞表面のスパイクなどウイルス蛋白質に結合した抗体を認識して食べることが出来る。【マクロファージが炎症を起こす】マクロファージには①貪食の他にウイルスのDNAやRNAを感知して炎症を起こす。②細菌は糖タンパクや脂質を感知して炎症を起こす。さらに③死んだ細胞から出る物質がマクロファージを活性化して炎症を起こす。死んだ細胞から出る物質をダメージ関連分子パターン(DANPs)といいます。マクロファージがウイルスや細菌を感知する病原体センサーはTLRと呼ばれるものです。これらが感知されると炎症性サイトカインが分泌され炎症細胞をどんどん感染部位に集めます。炎症が強くなると患部は赤く腫れて熱を持ちます。さらに炎症が強くなると体温が37度©を超えるような全身性の発熱が始まります。マクロファージが作る炎症性サイトカインが脳の視床下部に作用してP・GE2が作られ疼痛、発熱が起こりウイルスの増殖スピードが落ちます。発熱は体力を消耗します。マクロファージは炎症性サイトカインを盛んに分泌する(M1型)貪食によって異物を排除する(M2型)後者は炎症を抑え繊維芽細胞にコラーゲン産生を盛んにさせて組織を修復する働きがあります。【好中球が炎症をひろげてしまうことも】好中球は「食べて消化し、消毒すること」が専門です。好中球は炎症時にはマクロファージが分泌するサイトカインにより骨髄から動員されます。そして感染細胞や死んだ細胞を食べその後好中球は自壊して膿になります。(2~3日の命)。好中球は死ぬときDNA断片(好中球細胞外トラップ)(NETs)を放出し断片が短くなるとマクロファージを活性化し炎症拡大します。そうすると「サイトカインストーム」がおきて多臓器不全が起きます。コロナ感染症では重症化した患者ほど好中球が多いとの報告あり。ここまでが自然免疫です。
①病原体と免疫の戦い
【免疫のカギとなる「抗体」】・・・抗体は免疫を担っている細胞の一種であるB細胞によって作られます。抗体が結合する相手のことを「抗原」と呼ぶ。ウイルスや細菌など病原体そのものではなく抗体が結合する物質の総称である。Yの2本の枝の部分はFabはFragmennt(断片)abはAntigenBinndinng(抗原)に結合する。抗体はB細胞に突き刺さっていてこの状態をBCRという。B細胞は抗原に出会うと増殖します。Bsaibouが増えるのではなく、その抗原に特異的に結合するBCRを持ったB細胞だけが増殖する。(クーロン増殖)増殖したB細胞はやがて遺伝子の発現様式が変化してプラズマ細胞(形質細胞)になり細胞の外に分泌される抗体が作られる様になります。分泌された抗体はウイルスに直接結合してウイルスが細胞に潜り込まないようにする。又感染した細胞にも抗体は結合します。すると抗原に結合した抗体のY字の幹の部分をマクロファージやNK細胞が攻撃します。【モノクローナル抗体】・・・1個B細胞は1種類の抗体しか作れません。特定のB細胞が増殖して出来た遺伝的に同じクーロン細胞から作られた均一の抗体を「モノクローナル抗体」という。以前は特定の抗体を作るB細胞と癌細胞を融合して無限に増殖できるようにしてその細胞を増やすことでつくってましたが現在では抗体の遺伝子だけを別の細胞に導入してモノクローナル抗体を作っている。「抗体医薬」という。抗体医薬として使われているのはサイトカインに結合してその働きを阻害するモノクローナル抗体である。ニボルマブ®オブジーボやガルカネズマブ(片頭痛薬)レカネマブ(アルツハイマー病薬)など。リツキシマブはB細胞の表面に特異的にあるCD20と呼ばれるたんぱく質に対する抗体でCD20を発現しているB細胞を殺すことが出来ます。B細胞リンパ腫の治療薬として使われています。同時に正常なB細胞も殺すので抗体が作られなくなります。抗体が悪さをする自己免疫疾患の治療にも使います。難治性ネフローゼ症候群(自己免疫疾患)にも使えます。
【免疫を強化する「抗体の多様性」】①遺伝子の再構成・・・1個のB細胞は1種類の抗体しか作れません。しかし理論的にはほぼすべての抗原に対応できる抗体が存在します。抗体遺伝子は切り貼りのような遺伝子の再構成によることを利根川博士が解明しました。抗体は重鎖と軽鎖と呼ばれるパーツで構成されています。重鎖と軽鎖の先端が抗原にくっつく抗原結合部である。重鎖を作る遺伝子はV,D,Jという領域がありそれぞれの領域には塩基配列が巣恋ずつ異なる遺伝子断片が複数個並んでいます。そして重鎖の抗原結合部がつくられる過程でV領域とD領域とj領域から一つずつ遺伝子断片が選ばれて組み合わせられるのです。これを「遺伝子の再編成」という。重鎖の遺伝子部分にはV(Variable)65、D(Diversity)27、j(Jining)6があり65×27×6の10530通りあり、VとD,DとJno結合部に塩基が負荷されることになり多様性が増します。軽鎖も同様です。抗体の多様性は1000億になります。②クラススイッチによる抗体多様性の獲得・・・重鎖の定常領域には種類がありその種類によってIgM,IgD、IgG,IgE、IgAgaあります。最初に作られるのはIgMとIgDでありIgG,IgE,IgAとクラススイッチします。さらにIgGha4つのサブクラスがあります。コロナワクチンを何回も接種した際にIgG4にクラススイッチしたのが言われてました。ウイルス感染を防御するのはIgGとIgAでウイルスに対してはIgGが高い親和性を持ちます。IgGのFc領域は他のクラスのFc領域よりもマクロファージやNK細胞の受容体に認識されやすいようになっtリる。抗原結合部が作られるときに遺伝子の再構成が起こりさらに抗原に出会ったときに突然変異により遺伝子の塩基配列が変化します。そうして作られる抗原結合部は抗原に対して親和性が高まりより強く結合し中和活性が上がります。「親和成熟」という。ところで遺伝子再編成でランダムにさまざまな抗体が出来るなら自分自身の分枝に反応してしまう抗体ができないのでしようか?これは「負の選択」といって自分自身の分子に反応するBCRを持つB細胞は早期に排除される仕組みになっています。T細胞も胸腺学校で排除される仕組みがあります。
⑪癌と自己免疫疾患
【癌ワクチンとは】癌ワクチンには予防ワクチンと治療ワクチンがある。癌ワクチンは予防ワクチンと治療ワクチンがある。子宮頚がんワクチンと肝細胞ワクチンがそれである。治療ワクチンは癌mRNAワクチンである。【mRNAワクチンが働く仕組み】使用するmRNAワクチンはウイルスのスパイク蛋白質を作る情報を持ったmRNAである。目的の蛋白質を作る遺伝子の塩基配列がわかれば人工的につくつことが出来る。スパイク蛋白は免疫抗原とするのに適した蛋白である。筋肉注射されたmRNAは筋肉脂肪と樹状細胞の細胞質に取り込まれる。樹状細胞の細胞質にて翻訳されてスパイク蛋白が出来る。作れたスパイク蛋白は酵素によってペプチドに分解されMHCⅠ分子に乗せて提示する。一方細胞質で作られたスパイク蛋白は細胞の外に排出されることもある。それを樹状細胞が食べてペプチドをMHCⅡ分子に乗せて提示する。同じころリンパ節の濾胞にもスパイク蛋白の破片が流れ着くだろう。こうして獲得免疫が始動し活性化T細胞が作られ記憶細胞も作られる。【ノーベル生理学医学賞】弱点①mRNAは非常に壊れやすい物質で細胞質まで届けることが出来なかった。②外部から導入した人工のmRNAは自然免疫を非常に強く活性化し激しい炎症を起こすのである。①は壊れやすいmRNAをLNPに包み込むことにより細胞質に無償で届けることに成功した。②カリコ博士がウリジンを1メチルシュードウリジンに置換することによりパターン認識受容体に認識されなくなった。自然免疫も活性化しウイルスの蛋白も作る。【癌mRNAワクチンの特徴と課題】癌ワクチンはスパイク蛋白の代わりにネオ抗原に替えれて免疫の働きを強めようとというのがその目的である。これはかっつ成果キラーT細胞を誘導する能力が高いことを特徴とする。メリットは①MHCⅠ分子+抗原ペプチドを樹状細胞に提示できる。②オーダーメイドのmRNAワクチンが出来る。【免疫逃避とT細胞疲弊】癌は免疫システムによる破壊から逃れるためにさまざまな方法を用いている。①癌細胞は抑制性サイトカインを分泌している。②癌抗原を食べた樹状細胞ではCD80/86が減少しナイーブT細胞のCD28分子よりTreg細胞のCTLA4分子に優先的に結合してしまう。③さらに活性化細胞にPD-1に対してリガンドを出すことにより働きを抑制する。④活性化キラーT細胞も効かなくなる(T細胞疲弊)【チェックポイント阻害剤の併用】PD-1、PDL-1CTLA-4などの分枝の機能をブロックすることでがん細胞に対する免疫を強化しようとするのがチェックポイント阻害剤である。【異所性リンパ節】癌組織ではリンパ節のような構造が出現することがある。HEV(高内皮細静脈)が現ればそこから免疫細胞がどんどんあらわれて組織に入っていくと癌治療の予後はよい。癌mRNAとコロナワクチンに違いは活性化キラーT細胞が主軸になるのとコロナワクチンは抗体がウイルスを中和することである。免疫抗原が表面抗原か細胞内抗原化である。mRNAワクチンは抗体誘導と「MHC1+抗原ペプチド」を誘導できたため活性キラーT細胞を誘導できた。【自己免疫疾患】自己抗原でT細胞やB細胞が活性化してしまうと自己免疫疾患が起こる。①T細胞の胸腺学校にて自己反応性のT細胞やB細胞を取り除けない時。②アナジーの機能を持たなかったり③制御性T細胞がうまく機能しない場合。【原因】環境的な要因としては腸内細菌や脂質の総量やある種の脂質やストレスがある。脳にはストレス中枢があり何らかのストレスがかかると活性化する。脳の特定な血管部位に免疫細胞を通す侵入口が出現する。脳は酸素やアミノ酸は通すが免疫さいぼうや蛋白質は通さないがストレスがかかると脳に入った免疫細胞の中に運悪く自己抗原で活性化するものが混じっている。脳に炎症を起こし、炎症の部位に分布している今まで活性化していなかった神経回路が強く活性化されることがある。【治療】①T細胞やB細胞の働きを弱める薬②自然免疫細胞の働きを弱める薬③炎症の悪循環を引き起こすサイトカインの働きを弱める薬(アクテムラ)をRN
