自己免疫疾患の起こるメカニズム
【免疫システムの異常】免疫システムは侵入した有害な異物や細菌、ウイルスなど自己ではないと認識して攻撃、排除します。自己免疫疾患はこのシステムが異常をきたし本来は攻撃するはずもない「自己由来のタンパク質(細胞表面の膜タンパク質)に対して攻撃し炎症や機能障害を起こす疾患である。免疫システムでは正常であれば自己たんぱくに対して攻撃することがないように(免疫寛容)が機能します。具体的にはT細胞の教育の場である胸腺において自己に反応するT細胞はアポトーシスにより死なせて排除します。これを「中枢性免疫寛容」と言います。全身のリンパ節ではマクロファージなどが自己タンパクをT細胞に提示した場合補助刺激分子が欠如しているためにT細胞が応答できないアナジー(不応答)になります。これを末梢性免疫応答と言います。免疫寛容はB細胞においても同じように行われます。骨髄において自己反応性B細胞は除去されますし末梢のリンパ節においても自己反応性B細胞はT細胞の補助を受けられないためアポトーシスを起こして除去されます。このように免疫寛容のメカニズムが正常に機能しないことが起こるのです。これが自己免疫疾患である。【何故自分を攻撃するのか?】自己抗体の出現には4つ考えられます。①感染や薬物などの投与が原因となり自己たんぱくの構造が変化し自己を異物として認識してしまう。②外来タンパクの構造が自己タンパクと類似していると「交差免疫」を起こし自己タンパクを外来タンパクと間違えてしまうことから自己抗体が産生されていると考えられている。③他には胸腺における「自己反応性T細胞」の排除が不十分であると考えられている。④免疫を抑制する「Treg細胞」の変異も考えられます。Treg細胞が正常に働かず免疫細胞が過剰に進んでしまった場合、アレルギー反応と同じように自己攻撃する反応が誘導される。【ヘルパーT17細胞の関与】最近ではTH17が自己免疫の発症に関与しているという報告があります。TH17細胞はIL17toiuサイトカインを産生分泌するがIL17が関節炎や心筋炎などの炎症性の自己免疫疾患を起こすと考えられている。TH17はナイーブヘルパーTから分化しますが何らかの原因でTH17saibouが多く出現した場合、末梢神経でIL17が過剰分泌され心臓、関節、肺など自己組織に炎症を誘発させる。【自己免疫疾患の発症メカニズム】①T細胞関連・・・自己反応性ヘルパーTの出現、ヘルパーT17過剰な出現、Treg細胞の異常な変異(減少)②B細胞関連・・・ウイルスなどによる感染による自己たんぱくの構造変化、外来タンパクとの交差免疫⇒自己反応性B細胞の出現⇒自己抗体の産生。B細胞T細胞ともに免疫寛容の破綻⇒自己免疫疾患【TH17細胞の作用】TH17細胞は好中球を活性化し上皮細胞も活性化する。その結果好中球による炎症と関節炎や心筋炎などの自己免疫疾患をおこす一方細菌や真菌の排除。【自己免疫疾患の真の主役】TH17細胞の産生するIL17が脳、関節、心筋、肺、小腸における各種の自己免疫疾患を悪化させることから自己免疫疾患で組織の障害を引き起こす主役と考えられるようになった。その一つ心筋炎はウイルス感染などで心筋タンパクに反応する異常ヘルパーT細胞が炎症を引き起こす。T細胞グループによる複雑な免疫応答としてTH1は(IFNγ)でTH17を抑制しTNFβでTH17刺激。TH2はIL4で抑制しIL6で抑制する。
2026年06月11日 10:35
