アレルギー反応はすべて抗原抗体反応により説明できるものではない。例えば喘息では寒冷や運動負荷による発作の誘発さらに心身医学的因子(ストレス)による誘発も考えられる。
心身医学的因子や物理的化学的刺激は体液内酵素活性によりこれが自己抗原となりアレルギー症状が発生するとしている。又抗原抗体反応によりおこるアレルギー症状に心身医学的因子が加わると症状が憎悪する。その中で気管支喘息、蕁麻疹、鼻アレルギーなどは特に心因の関与は重要である。
【気管支喘息】気管支の収縮と気管支粘膜の浮腫によって空気の肺胞への出入りが障害される発作的な呼吸困難な状態である。幼児期のときは遺伝的素質(アトピー)が基盤となっている。中年以降の場合はアレルゲンは認められず気管の感染症を認める。(治療)アドレナリン、ステロイド剤抗、ヒスタミン剤、β刺激薬
【アレルギー性鼻炎】鼻粘膜の充血、浮腫、粘膜分泌亢進、掻痒感伴うアレルギー。季節性アレルギーを花粉症という。(治療)抗ヒスタミン剤
【蕁麻疹】皮膚血管の一過性かつ限局性の血管透過性亢進(治療)アドレナリン、エフェドリン。
【薬剤アレルギー】皮膚症状(蕁麻疹、紅斑、水疱、丘疹)が80%占める。重篤な場合はアナフィラキシーショックがある。歯科口腔外科的処置においてはピリン系やペニシリン系が多い。局麻剤やヨード系の過敏症に気をつける。局麻剤は循環器系や中枢神経系への中毒作用である。ヨード系はヒスタミン遊離作用が推測されていたが最近では補体成分C3aC5a(アナフィラトキシン)遊離作用などが考えられる。
【接触性皮膚炎】Ⅳ型アレルギーで金属アレルギーもその一つである。パッチテスト有効
アレルギー性疾患と歯科口腔外科的処置として問題になるのは長期ステロイド投与中患者のほかに投薬が重要である。一般的にアナフィラキシーはペニシリン系(ペニシリンショック)が多い。気管支喘息はアスピリン(アスピリン喘息)蕁麻疹はぺニシリン系が多い。抗生剤はマクロライド系抗生物質消炎鎮痛剤は非ピリン系が少ない。
2024年07月29日 15:39