唾液腺病変
①唾石症・・・唾液腺の腺体内または導管内に結石がみられる疾患をいう。原因は炎症などにより唾液の性状が変化し無機質が析出すると思われる。好発部位は顎下腺が多い。男性に多く2対1の割合である。【臨床所見】腺体部の腫脹と疼痛、唾せん痛、開口部の発赤、腫脹、排膿を認める。【治療】管内唾石は口腔内より摘出が行われ、腺体内または移行部唾石では腺全摘出。②慢性硬化性唾液腺炎(Kuttner腫瘍)・・・・・唾液腺が無痛性に徐々に硬く腫脹する。原因は唾石などの唾液流出傷害、自己免疫疾患【臨床所見】唾液腺造影で腺房の消失や導管の拡張、唾石を多く含む。【鑑別診断】顎下リンパ節炎、腺系腫瘍、悪性腫瘍のリンパ節転移、シェーグレン症候【治療】消炎、唾石摘出
③流行性耳下腺炎・・・・ムンプスウィルス感染、両側に腫脹。小児6~8の学童に多い。一度罹患すれば免疫を得る。【臨床所見】唾液腺が急速が急に腫脹し、1週間ほど持続して自発痛、圧痛を示す。合併症として髄膜炎、睾丸炎、血清中のウイルスの抗体が上がる。【治療】対症療法
➃ガマ腫・・・・・導管の損傷により唾液が溢出したために起こる停滞したために起こる貯留嚢胞の一つ。【臨床所見】舌下型では口底粘膜は盛り上がり波動を触れる。増大すると青味がかかった半透明な色調を示す。舌の挙上、嚥下障害をきたす。顎下型では口底部の腫脹はみられず、顎下部のびまん性腫脹、無痛性の腫脹をきたす。【治療】全摘出は困難なため嚢胞壁と口腔粘膜を縫合する。
⑤多形性腺種・・・・・唾液腺腫瘍の中で最も多く60~65%を占める。上皮性起原の腫瘍で腺腫に属するものと考えられ耳下腺に多い。20~50歳に多く女性に多い。【臨床所見】腫瘍の発育は緩く無痛性に腫脹するため自覚してから来院するまでに時間がかかる。鶏卵大で不規則な類球形で表面は平滑で分葉状を示す。周囲との境界は明瞭で癒着は認めない。【治療予後】腫瘍の完全除去。予後は比較的に良い。
⑥腺リンパ腫(Warthin腫瘍)・・・嚢胞状の腺腔構造とリンパ性基質からなり乳頭状の嚢腺リンパ腫と呼ばれている。好発部位は片側の耳下腺特に下顎に隣接する耳下腺下極に発生する。男性に多い40歳以上に好発する。【臨床所見】発育が緩やかで表面は平滑で弾性硬である。周囲との境界明瞭である。【病理所見】上皮組織とリンパ性組織との増殖からなる【治療】摘出
⑦腺様嚢胞癌・・・・唾液腺悪性腫瘍の中で最も多い。顎下腺や小唾液腺に好発する。40~70代の女性に多い【臨床所見】浸潤性で局所の疼痛や顔面神経麻痺を生ずることが多い。【病理所見】小嚢胞腔を形成している。間質は線維性結合組織よりなり硝子化している。【治療予後】外科的に切除。放射線療法、化学療法は効かない。再発転移を生じやすく予後不良。
⑧粘表皮癌・・・・・高悪性型と低悪性型とに分けられる。好発部位は耳下腺が多く。30~40代に多く低分化型に多い。【臨床所見】無痛性の腫瘤で悪性度の高いものは浸潤性を示し皮膚や粘膜などを呈し骨の破壊も認められる。【治療予後】外科的に拡大全摘出。悪性度と進行度のよって頸部郭清術、化学療法、放射線療法。悪性度の高いものは転移、再発が多く予後不良である。
➈悪性多形性腺種・・・・・・多形性腺種の悪性型である。発現頻度は唾液腺腫瘍の1、5~5.5%。女性に多い。【臨床所見】長い経過を示す良性腫瘍が急に増大したり浸潤したりすることにより皮膚や粘膜と癒着、顔面神経麻痺、潰瘍形成を示す。【治療予後】外科療法が主流となり拡大全摘手術。放射線療法、化学療法は行われない。予後不良。
⑩シェーグレン症候・・・乾燥性角結膜炎、口腔乾燥症や多角性関節炎を併発する。自己免疫疾患。30~50代の女性に多い。【臨床所見】口腔内症状として口腔乾燥、粘膜萎縮、唾液腺の無痛性の腫脹。目症状として羞明、結膜炎その他関節リウマチなどある。血液検査で白血病減少、赤沈亢進、高γグロブリン血症。【治療予後】副腎皮質ステロイド、対症療法
⑪リンパ上皮性疾患(Mikulicz病)・・・・・・涙腺と唾液腺の無痛性対称性の腫脹を示す原因不明の疾患。中年女性に多く耳下腺に多い。【臨床所見】涙腺および唾液腺が無痛に腫脹し口腔乾燥を認める。【診断】シェーグレン症候が口腔乾燥、目の異常に対して唾液腺のおよび涙腺の腫脹、硬結を主訴としている。【治療】副腎皮質ステロイド。
2025年03月18日 04:09