歯周炎骨による骨破壊メカニズム
歯周病の発生には口腔常在菌の存在が必須であるがその進行には宿主の免疫応答が重要な役割を示す。口腔常在菌は700種類おり頬粘膜、舌、歯面、歯肉溝にいて「口腔フローラ」として成立している。善玉2:日和見菌7:悪玉1からケアが崩れると「口腔フローラ」のバランスが崩れ歯周病に発展する。T細胞とB細胞による獲得免疫系の活性化が歯周炎に進行に重要であり特にCD4陽性T細胞が重要えあることを突き止めた。歯周炎組織にどのような免疫細胞が集積しているか解析したところTh17細胞の数が増殖することが明らかになった。Th17細胞は歯槽骨破壊と口腔細菌排除の両方に寄与することが示唆された。そこでTh17細胞が歯槽骨破壊が何故起こるのか?関節リュウマチの炎症滑膜においてTh17細胞の一部が炎症を抑制するはずのPTregに由来することを見出した。関節炎環境下ではIL6によってPTregが遺伝子FOXP3の発現を失いTh17細胞になることで炎症や骨破壊を憎悪していた。このTreg由来のTh17細胞をexFOXP3TH17細胞という。歯周炎組織においてもexFOXP3TH17細胞の数と頻度が増えた。全体像として口腔内衛生状態が不良の場合Pgが増え口腔常在菌のバランスが破綻し歯周炎組織では口腔細菌感染に応じて歯根膜繊維芽細胞がIl6wo産生し口腔粘膜局所においてナイーブTがIL6IL23TGFβによりTh17細胞(exFOXP3TH17細胞)に分化されIL17を産生し歯肉上皮細胞に好中球の遊走、抗菌ペプチドにより細菌を排除する。さらに歯根膜繊維芽細胞、骨芽細胞にRANKLの発現を誘導することにより破骨細胞形成を促進し歯槽骨破壊を引き起こす。またLPSや炎症サイトカインも協調して働く。『骨免疫学』抜粋
2025年04月04日 06:42