下顎最後臼歯部の平均寿命が約50年の理由
歯の寿命に関して統計を取ってみると平均寿命をみると最も長持ちする歯が下顎の前歯で約66年で上顎の前歯で約61年~62年である。逆に最も早く失われるのは下顎の最後臼歯で約50年である。永久歯の萌出時期が5歳から12歳であるとすれば早い歯は約60歳で抜けてしまうことになります。余談ですが歯石が付きやすいのは下顎前歯部と上顎臼歯なのに比較的長持ちします。何故下顎最後臼歯部の平均寿命が一番短いのでしょうか?(体に糖尿病などの持病を持っていない人のお話)いろいろな要因が考えられますが➀咬合のズレ(機能的中心位と咬頭嵌合位が一致しない)②片咀嚼③下顎智歯抜歯後④失活歯⑤矯正後⑥下顎4番の解剖学的な理由⑦切端咬合
➀咬合のズレはブラキシズムによる咬合の負荷が下顎の最後臼歯にかかることにより咬合圧が上昇し歯根膜炎に陥りやすい。(下顎隆起がある人)スプリントや対処療法的な削合は悪化する可能性。②片咀嚼により一番がかかりやすいのは下顎の最後臼歯(顎関節前方運動と側方運動によるもの)③下顎智歯抜歯後は下顎最後臼歯は後方の遠心咬頭が後方に移動するので咬頭干渉起こしやすい。④咬合性外傷性による歯根膜炎なのに抜髄した結果⑤4番抜歯の矯正後の近心傾斜移動によるもの⑥下顎4番の舌側咬頭欠如の人今まで対処療法できた人は基盤が崩れてくるので理想的な咬合に再編成すべきである。特に最後臼歯がない人。もしくはクラウンが入っている人。
2024年08月14日 18:09