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広島県呉市広駅前 小早川歯科口腔外科クリニック

呉市広駅前 小早川歯科口腔外科クリニックでは、歯科口腔外科・小児歯科・審美歯科・インプラント・レーザー治療など幅広く対応します。

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副腎皮質ステロイド服用者の歯科口腔外科処置

副腎皮質ステロイドホルモン剤を長期に受けている患者さんは本剤のために下垂体より下垂体よりACTHの分泌が抑制され二次的に副腎皮質機能が低下している。そのために局所麻酔や抜歯などのストレスに対し防御反応が十分ではなく処置直後に急激な血圧下降や心停止など急性副腎不全といわれるショック状態を起こす危険性がある。例えば膠原病の慢性関節リウマチとか気管支喘息、腎疾患であるネフローゼ症候群とかである。対策としてはステロイド投与してからどれくらい経過しているか問診の必要性あり。1か月以内であれば問題ないが投与終了後1年未満の場合や現在1か月以上投与されていれば抑制があると考え医師と相談して再投与あるいは抜歯の8時間前に倍量投与して急性副腎不全によるショックの発生を未然にふさがなければならない。
2025年04月16日 16:27

糖尿病患者の歯科口腔外科的処置

糖尿病とは膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるインシュリンの作用不足によっておこる代謝の異常状態である。インシュリンの作用不足はブドウ糖とグリコーゲンの合成を障害し血糖は上昇して尿糖が排出されエネルギー不足をきたすがそれを補うために体内の中性脂肪が分解され中間産物としてケトン体やコレステロールが生じる。ケトン体が尿中に排出されるときNa、Kと結合するからアシドーシスになりやすい。また体内の蛋白が分解し血中のアミノ酸、BUNが増加する。これら糖尿病性代謝異常の促進が全身の臓器、組織にみられ心臓、腎臓で硬化性の血管障害や電解質および水分の減少などが生じる。歯科口腔外科的処置としては空腹時に侵襲を与えると低血糖を起こす場合があるから空腹には避けたいところである。また細菌感染に対する抵抗力が弱く,創傷の治癒も悪いので抗生剤、消炎剤は2次感染予防として重要である。


 
2025年04月16日 16:26

インプラントと骨免疫学

インプラント埋入窩形成やインプラント埋入に伴う物理的刺激(過熱、骨変形)により骨細胞が死んでしまった場合は破骨細胞がその周囲骨を取り除くから骨吸収が起きると言われている。しかし破骨細胞の活性を低下させてもオッセオインテグレーションの獲得や維持に不利になることがある。インプラントの成功には骨組織の血液循環が重要である。骨組織には皮質骨を貫通し骨髄と骨膜を連絡する血管(trans-cortical vessel)が無数に存在することがわかった。破骨細胞を抑制する骨粗鬆症治療薬がARONJを引き起こすメカニズムが骨の循環障害が関与する可能性がある。インプラントが失敗する要因①プラークによるインプラント周囲炎②初期固定不良による線維性被包(線維性組織)③メカニカルストレスや熱などの物理的な刺激に伴う炎症と線維性被包
以上のことから成功率をよくするためには①プラークコントロール②適切な初期固定③力のコントロールである。
2025年04月12日 04:24

口腔バリア部の特殊性

「自己」と外部環境との境界を規定しているのは皮膚と粘膜といったバリア構造である。タイト結合と呼ばれる非常に厳密な接着様式で連結した上皮細胞のシートが体表面を覆うことで、自己成分の自由拡散を防ぐと同時に「非自己」の侵入を物理的に拒んでいる。あらゆる生命体にはバリアが存在し自己同一性を担保する根源機構である。人体でこのバリアの連続性を破綻しているのが歯周である。歯は粘膜を貫通し顎骨に植立しているため歯周組織は人体で最も感染に脆弱なバリア部位である。人の口腔内には約700種類の細菌が生息し腸管の次に複雑な生態系を形成している。歯の表面あるいはポケットに形成されるプラークには細菌が生息する。脆弱なバリアに接近して大量の細菌が発生する。この特殊性から「人類史上最も罹患者の多い感染症である」そこで【口腔細菌が他臓器疾患に影響を及ぼすメカニズム】歯周炎組織から口腔細菌は菌血症、嚥下、誤嚥により遠隔部位へと移動する。口腔細菌によって歯周炎組織で誘導された免疫細胞(Th17)へと移動する。歯周炎によって口腔粘膜で誘導されたTh17細胞は口腔細菌への特異抗原性を持つ。このTh17細胞が腸管粘膜へと遊走しそこで唾液と共に飲み込まれた口腔細菌で感作され炎症を引き起こす。「口腔細菌とそれを認識する免疫細胞(Th17)が双方とも移動し他臓器でばったり出会うことで炎症が起きる」また口腔細菌Pg菌Aa菌はPAD(タンパク質アルギニンデミナーゼ)を産生し自己たんぱくをシトルリン化することによりシトルリン抗原に対する抗体ができ関節リュウマチになる可能性がある。
2025年04月11日 04:00

骨免疫学

骨は生体の支持や運動に必須の臓器であると同時に体液のカルシウム濃度調節や造血器官としての機能を持ち脊椎動物の生命運動において中心的な役割を果たしている。骨組織の恒常性は骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスが保たれていることで維持されている(リモデリング)免疫系の過剰な活性化は骨形成を阻害、骨吸収を促進することで骨恒常性を破綻させ、炎症性骨破壊を引き起こす。関節リュウマチや歯周病、癌の骨転移などさまざまな疾患において免疫が骨を破壊する現象が問題となる。免疫学的には「T細胞作るサイトカイン(RANKL、INFγ)バランスが破骨細胞形成を制御する」CD4陽性T細胞の破骨細胞分化においてTh1やTh2、Treg細胞は破骨細胞分化への影響は抑制しTh17だけがRANKLを介して破骨細胞分化を促進する能力を持っている。Th17細胞はIL17の産生を介してバリア部つまり関節の滑膜線維芽細胞上にRANKLを発現させ破骨細胞による関節破壊を促進する。一連の骨免疫学がリュウマチ性疾患の治療に大きく貢献してきた。炎症と破骨細胞分化を同時に抑制する生物学的製剤(抗TNF抗体、抗IL-6受容体抗体)があり骨粗鬆症や癌骨転移に伴う骨病変に使用される抗RANKL抗体(デノスマブ)が関節リュウマチ骨破壊に対しても適応された。Th17は本来ならIL17おを産生し局所のバリア部上皮細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞IL8、IL6、GM-CSF産生させ好中球性の炎症を推し進めるが何故Th17が骨誘導能をもっているかは口腔のバリアに特殊性があることがわかった。
 
2025年04月10日 04:54

親知らずの考察

18歳から20歳ぐらいに生えて来つつある親知らずであるが咬合が悪くなる可能性があるため抜歯する傾向にあるが親知らずも非炎症性の親知らず、炎症性の親知らず、虫歯のある親知らずとあるがこの中で一番痛いのは炎症性の親知らずである。さて何故痛みが起こるかというと下顎親知らずが最後に生えることによりちょうどあおり運転見たく前方に押してくることにより傷害性咬合になりやすく親知らず(8番)の最後の歯(7番)が側方運動起こすことにより衝突することで摩擦が起こり7番8番はクラックが生じ虫歯に発展する可能性があるが虫歯にならなければ半埋伏歯となり歯肉周囲組織が炎症となり痛みを生じる。これが智歯周囲炎となる。この場合初発の場合は理想的予防咬合に戻して消炎を試みる。治らなければ抜歯しなければ治らない。この際いきなり親知らずを抜歯すると一番最後臼歯(7番)が後方にずれて痛みが出る場合があるので気をつけなければならない。非炎症性の親知らずも抜かない方がいい場合が多い。(もちろん人によって咬合が違うので例外もあります)
2025年04月10日 04:34

自律神経との咬合自律神経の関係

歯は周りの組織にある組織、舌、顎関節、唾液、唇、口蓋などと連動して機能される「口腔」という臓器の一部でありほかの臓器とともに自律神経と関わっています。唾液の分泌量、口腔粘膜の免疫応答、咀嚼筋の開閉時のコントロールなど自律神経がうまくいかないと口の乾燥、口臭や歯周病、虫歯、咀嚼筋の筋肉や顎関節の痛み、緊張性疼痛などを引き起こす。又かみ合わせがズレたり、矯正治療の一部でかみ合わせに不都合が生じたりすると自律神経失調症に陥るケースもある。又食いしばりなどによる筋肉の持続的な緊張も自律神経に対して弊害をもたらす。筋肉の緊張が持続すると副交感神経優位になれず不眠、動悸、消化不良を引き起こす。「歯ぎしりは左右の歯をこすり合わすことで下顎の範囲が側方にかかるので奥歯に過剰な側方にかかるので歯や周囲組織の疾患を引き起こす。一方「食いしばり」は上下の歯をあて続けることで歯に垂直な力で筋肉に過緊張を続けることになり顎関節症や不定愁訴につながります。かみ合わせが悪いと顎や後頭部の筋肉が緊張し首や肩、背中が凝ってきます。筋肉がかたくなれば背中の柔軟なたわみがなくなり後頭骨や蝶形骨の動きが止まり脳に良い刺激が伝わらなくなり自律神経だけでなく視床下部や脳下垂体において内分泌の機能が狂ってきます。傷害性咬合から理想的予防咬合にしてリハビリメンテナンス。
2025年04月10日 04:32

骨粗鬆症治療と顎骨壊死(MRONJ)の新しい展開

2003年に骨吸収抑制剤に関する顎骨壊死が発表された。当初はビスホスホネート製剤やデノスマブといった骨吸収抑制剤が原因とされた。2010年には「歯を抜く前には3か月はBP製剤の休薬が必要で再開時は抜歯後3か月経過してから」という解釈であった。2012年は経口BP製剤と注射BP製剤では発生リスクに差はないとされた。2016年では「BP製剤服用中は休薬せず侵襲的な治療を出来るだけ避ける」と変更された。2023年になると骨粗鬆症治療薬以外でも顎骨壊死が報告されMRONJと統一された。「休薬のため歯性や顎骨感染の進行が進む一方長期に及んだ場合に骨折のリスクが上昇する。結果的には休薬の有用性を示すエビデンスがないことから「原則として抜歯時に骨吸収抑制剤を休薬しないことを提案する」こととなった。【病理】一般的な感染性骨髄炎や放射線顎骨壊死を見分けることが出来る特異的な病理組織所見は確立されていない。【口腔における顎骨の特徴】歯は口腔上皮を破って顎骨から萌出するため感染源は罹患した歯から上皮を通じて直接骨に到着しやすいといった解剖的な特徴を持っている。顎の骨は薄い口腔粘膜で被われているだけなので咀嚼などで傷つきやすくなり、粘膜の傷による感染が直接顎の骨に広がる可能性ある。口蓋隆起や下顎隆起は粘膜が菲薄であり注意が必要である。【発生機序】①骨のリモデリングが抑制され新しい骨に置き換わることなく骨細胞が寿命を迎え壊死に陥る。(骨のリモデリング阻害】②グラム陰性菌のLPSはサイトカインを誘導し歯槽骨の破壊(細菌感染)③血管内皮細胞増殖因子を阻害し骨形成、血管新生を抑制することにより抜歯窩の治癒を遅延する。(血管新生阻害)【発生にかかわる因子】薬剤・・BP製剤、デノスマブ(抗RANKL抗体)ロモそズマブ(抗スクレロスチン抗体)抗悪性腫瘍薬、グルココルチコイド、免疫抑制剤局所・・・歯科の感染性疾患、抜歯、過大な咬合圧全身因子は糖尿病、自己免疫疾患、透析、骨系統疾患、貧血など





 
2025年04月07日 18:47

歯周炎骨による骨破壊メカニズム

歯周病の発生には口腔常在菌の存在が必須であるがその進行には宿主の免疫応答が重要な役割を示す。口腔常在菌は700種類おり頬粘膜、舌、歯面、歯肉溝にいて「口腔フローラ」として成立している。善玉2:日和見菌7:悪玉1からケアが崩れると「口腔フローラ」のバランスが崩れ歯周病に発展する。T細胞とB細胞による獲得免疫系の活性化が歯周炎に進行に重要であり特にCD4陽性T細胞が重要えあることを突き止めた。歯周炎組織にどのような免疫細胞が集積しているか解析したところTh17細胞の数が増殖することが明らかになった。Th17細胞は歯槽骨破壊と口腔細菌排除の両方に寄与することが示唆された。そこでTh17細胞が歯槽骨破壊が何故起こるのか?関節リュウマチの炎症滑膜においてTh17細胞の一部が炎症を抑制するはずのPTregに由来することを見出した。関節炎環境下ではIL6によってPTregが遺伝子FOXP3の発現を失いTh17細胞になることで炎症や骨破壊を憎悪していた。このTreg由来のTh17細胞をexFOXP3TH17細胞という。歯周炎組織においてもexFOXP3TH17細胞の数と頻度が増えた。
全体像として口腔内衛生状態が不良の場合Pgが増え口腔常在菌のバランスが破綻し歯周炎組織では口腔細菌感染に応じて歯根膜繊維芽細胞がIl6wo産生し口腔粘膜局所においてナイーブTがIL6IL23TGFβによりTh17細胞(exFOXP3TH17細胞)に分化されIL17を産生し歯肉上皮細胞に好中球の遊走、抗菌ペプチドにより細菌を排除する。さらに歯根膜繊維芽細胞、骨芽細胞にRANKLの発現を誘導することにより破骨細胞形成を促進し歯槽骨破壊を引き起こす。またLPSや炎症サイトカインも協調して働く。『骨免疫学』抜粋
2025年04月04日 06:42

メカニカルストレスによる骨形成とスクレロスチン

「力」による骨代謝制御で重要と考えられている分子が「スクレロスチン」である。「スクレロスチン」は骨芽細胞の分化に必須のWntシグナルを阻害することで骨芽細胞による骨形成を強力に抑える作用を持っている。骨細胞が分泌する。骨細胞は神経細胞のように突起を伸ばし骨細胞同志が密接にコンタクトしている。この骨細胞ネットワークは骨に生じたひずみなどの「力学的刺激」の感受、応答を可能とし骨恒常性を制御していると考えられている。骨細胞が分泌する「スクレロスチン」は「力学的刺激」によって制御されている。過重が加わらない骨では骨細胞の「スクレロスチン」産生が亢進し骨芽細胞が減る。反対に力学的刺激存在化においては膠細胞は「スクレロスチン」産生をストップする。「スクレロスチン」の働きを抑えることで骨形成を促進する新しい骨粗鬆症治療薬として【抗スクレロスチン抗体】商品名イヴェ二ティが認可された。総入れ歯などは咬合に伴う顎骨への負荷が減少した結果「スクレロスチン」産生し顎堤が廃用性萎縮する。骨隆起やポンテック下骨増殖は逆に骨が増えてくる。応力による骨細胞の「スクレロスチン」低下と骨膜間葉系幹細胞の活性化が骨隆起やポンテック下骨増殖の原因である可能性がある。非炎症性親知らず抜歯後の7の咬合が遠心に加わることでもうかがえる。一方で炎症性サイトカインのTNFやLPSも「スクレロスチン」の上昇させ骨形成を阻害する。「生体防御」からすると骨を感染や炎症から守っている応答である。骨細胞が死んでしまった部位は「スクレロスチン」が低下するために炎症寛解後は骨芽細胞による骨形成が亢進する。炎症性智歯周囲炎の抜歯後など。従って抗スクレロスチン抗体は骨形成を促進するだけでなく骨吸収を抑制する働きもある。『骨免疫学』より抜粋

 
2025年04月04日 06:40

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