上顎洞炎
副鼻腔炎のうち上顎洞におこるもの。鼻腔からの細菌感染と上顎臼歯部(特に6番)の歯根を通じての細菌感染で歯性上顎洞炎で全体の20%ぐらい占めている。(症状、病態)鼻から黄色い汁が出る。頬・頭痛。目の奥が痛い。鼻の周りが痛い。
(病因)歯が原因のものを歯性上顎洞炎である。根尖病巣からの波及、根管治療時にリーマーなどの上顎洞内迷入、抜歯創と上顎洞の交通、歯根尖の上顎洞内迷入などにより感染して引き起こす。
(検査)①体温上昇脈拍上昇②血液検査白血球増多CRP上昇③CTでの上顎洞底と歯根・抜歯窩との交通像、上顎洞内の不透過像
(治療)上顎洞の歯根のみの病変では自然口が開いている場合は原因歯の治療と投薬。抜歯後に口腔上顎瘻孔を生じたときに炎症がない場合は自然閉鎖が期待できるが3か月たっても閉鎖しない場合は閉鎖術も考慮し炎症が残っていれば根治術を考える。
原因歯の治療では改善しない場合は上顎洞根治術+歯根端切除術。入院して全身麻酔下にてCaldwellーLuc法にて切開し上顎洞前壁を開洞し上顎嚢胞、肥厚粘膜を切除し原因歯の切端を切除し鼻腔に向けて対孔を形成する。出血コントロールのためヨードホルムガーゼにて挿入し1週間後に抜去する。上顎洞は変形治癒し20~30年後にPOKZになる場合がある。
2024年12月11日 16:26