骨吸収抑制剤を使用している患者の抜歯をすることになったら
ビスホスホネート製剤(BP)剤は骨粗鬆治療の第一選択薬であり、悪性腫瘍(前立腺がん他)による高カルシウム血症、癌の骨転移、多発性骨髄腫、骨代謝による骨量減少等の場合でも使用されている。これに加えて抗RANKL抗体製剤が使われるようになり骨吸収抑制薬という。それにより骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)が問題となった。MRONJ(血管新生阻害薬)の報告も多くなった。【症状】1)痛み、軟組織の腫脹、感染、歯の動揺、排膿、骨露出。2)オトガイ部の近く異常一部歯・歯周病疾患に類似するが通常の歯科治療に反応しない。3)感染がみられる場合とみられない場合がある。4)数週間~数か月間、症状がみられないことがある。5)症状は明らかな局所的な誘因がなく、自然に発生することがなく多くの場合は過去の抜歯窩から発生する。【鑑別】1)現在、過去にBP製剤あるいはデノスマブによる治療歴がある。2)顎骨への放射線治療歴がない。顎骨へのがん転移がない。3)口腔・顎・顔面領域に骨露出や骨壊死が8週間以上持続している。ただし病気分類でステージ0の場合はこの基準に適応されない。【BP製剤投与患者の歯科治療時の対応】可能であれば歯科治療が終了して口腔状態が改善してからBP製剤、抗RANKL抗体製剤を投与するのが望ましい。原則的には注射用BP製剤を継続している場合は侵襲的な歯科治療は出来る限り控える。万が一抜歯になる場合はリスク因子例えば骨路出面があるかどうか?インフォームドコンセントの必要性。抜歯前の口腔ケアを徹底する。予防的抗菌薬の投与(ペニシリン系)。抜歯窩にデンタルコーン投与し縫合する。血が出るようになったらシーネを骨面を露出させないように装着する。定期的に抜歯窩の骨治癒を確認する。骨吸収抑制薬の再開を医師と連携。
2025年12月23日 09:23
