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広島県呉市広駅前 小早川歯科口腔外科クリニック

呉市広駅前 小早川歯科口腔外科クリニックでは、歯科口腔外科・小児歯科・審美歯科・インプラント・レーザー治療など幅広く対応します。

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上顎嚢胞(非歯原性)

顎嚢胞は顎の発生時に上皮組織が骨縫合部に上皮組織が骨縫合部に迷入したりあるいは顎骨内で歯胚形成時に上皮組織が遺残したり、上顎洞の根治手術時の手術傷に歯肉又上顎洞粘膜が入り込んだリした局所に感染あるいは炎症が介入すると発症する。嚢胞は内層が上皮細胞からなり、外層を結合組織が取り巻き、嚢胞壁には血清用の内容物が停滞している。内用液の成分値は血清のそれと値を異にする。内容成分のうち低分量の蛋白質が増量する(コレステリン結晶)と嚢胞壁の内圧が亢進し嚢胞が感染すると嚢胞壁の成分の透過性が変わりタンパク質がさらに増量して周囲の骨を圧迫吸収して嚢胞が増大するとされていた。最近は嚢胞壁にアラキドン酸代謝物質特にプロスタグランジンE2が生成し、周囲骨の破骨細胞に作用し骨芽が吸収し嚢胞が増大すという報告がある。嚢胞壁の感染により嚢胞壁のPGE2の生成が増す。嚢胞壁の処置は①内圧を減圧する②嚢胞空の感染を消去する③嚢胞壁を摘出する。嚢胞が感染している場合の治療法はこの菌に対する抗生剤(マクロライド系)を処方する。これによって嚢胞外の感染は改善できるが嚢胞内の感染の消炎は多少感染されないことがある。嚢胞の感染を抑制すると嚢胞壁の性状が改善し嚢胞壁の除去を行う。(適応症)まず歯との関係を観察する。歯が未萌出であり骨の膨隆があれば濾胞性歯嚢胞、歯が虫歯であったり歯内療法の履歴があれば歯根嚢胞、歯にまったく関係なければ裂隙製の嚢胞(ニッチ嚢胞)上顎洞の根治術があれば術後性上顎嚢胞(POKZ)下顎であればエナメル上皮腫が疑われる。(前処置)巨大な嚢胞は嚢胞腔の大きさは縮小する。嚢胞内は流動性なので咬合不全があると片咀嚼なりがちであるので咬合不全を治して片咀嚼を治す。両側性平衡咬合の変形にする(咬合性外傷が臼歯部で起こらないような理想咬合にする)(術式)①閉鎖法(PartschⅡ法)比較的小さい嚢胞で嚢胞壁を全摘する。歯根嚢胞など。基本唇側からアプローチする。②副腔形成法(PartschⅠ)嚢胞の大きい場合に適用する。嚢胞壁の内層が上皮性細胞層からなるという理由から一部を開窓し嚢胞壁と口腔粘膜を縫合する方法である。開窓は通常口蓋側はとらず頬側からアプローチするのが原則である。嚢胞壁の上皮細胞が腺毛上皮細胞からなる場合も術後1週間で化生し扁平上皮になる。POKZの症例にみられる。かなりの日数を伴う。
 
2026年05月27日 04:52

歯性上顎洞炎

歯性上顎洞炎の治療は原因歯(根治、抜歯)、抗菌剤、内視鏡手術(EES)などが行われる。この中で必ず行わなければならないのは第一選択として原因の抜歯です。あるいは根治です。これらの原因はほとんどが抜髄や感染根管治療後である。そうなったら最終的には抜歯となる。抜歯となっても穿孔の直径が小さく抜歯窩が深い場合は自然閉鎖するが上顎洞穿孔の直径が5mm以上に大きく洞底の骨が薄い場合は周囲より道内へ上皮が入り込み口腔上顎瘻孔を作りやすい。しかし閉鎖副鼻腔での慢性炎症の悪循環に陥った難治性歯性上顎洞炎は治癒せず内視鏡下副鼻腔手術が必要となる。最近は原因歯を再治療せず難治性歯性上顎洞炎に対してESS単独で行う治療だけでも治療成績が良いことが報告されている。多くは歯内療法後の歯の根尖病巣が歯性上顎洞炎の原因であった。ESS術後経過観察中では全例では上顎洞自然口は広く開いており上顎洞の換気と排出は再獲得されていた。これにより術後は抗菌薬で症状のない根尖病巣を伴った歯として保存出来た。中にはESSをしても動揺があり抜歯の症例もみられた。ここで原点に戻りますが歯科的に考えると上顎大臼歯が抜髄あるいは感染根管に至った原因を考えてみる。ほとんどが虫歯で抜髄したり感染根管処置後で一部歯周病で辺縁性歯周炎となり抜髄するケースもある。ここまで至るまで咬合不全により外傷性咬合になり原因の歯が生活習慣により傷害を受けるといずれかは歯は亀裂が起こり(マイクロクラック)崩壊して特に隣接面に穴が開くようになり虫歯による痛みと勘違いし抜髄される。一方では歯と歯の間に食片圧入が起こると咬合性外傷となり歯根膜痛(咬合痛)が起こるようになる。(歯周病の初期)。前者が根尖病巣(根尖性歯周炎)後者が(辺縁性歯周炎)となり歯性上顎洞炎になる。咬合不全とは簡単に言うと咬みにくいので片咀嚼になりやすいので習慣的に噛んでいる方が歯の傷害が起こりやすい。従って咬合不全による片咀嚼を治して(両側性平衡咬合の咬合性外傷が起こらないような咬合)健側でも咬めるようにする(場合によっては抜髄しなくて済むかもしれない)。残念ながら根治療後の歯性上顎炎が起これば通気性や換気性をよくするためにESSを行いさらに咬合を変えて両側で噛めるようにしてしばらくは反対側で噛めば対穴を通じてより通気性や換気がよくなる可能性が考えられる。あとは抗菌薬を投与してCTで経過観察を試みる。歯が動揺を起こしているのは辺縁性歯周炎で抜髄もしくは感染根管に至ったケースと考えられます。
 
2026年05月27日 04:51

ゲノムが拓く新しいがん医療

【初めは偶然見つかった抗がん剤】がんの治療に抗がん剤が一般的な選択肢として採用される様になったのは半世紀前です。それらの薬は「細胞傷害性抗がん剤」と「分子標的治療薬』に分けられる。細胞性抗がん剤はがん細胞の分裂の仕組みを何らかの方法によって阻害してがん細胞の増殖を抑え死滅させる機能を持つ薬物でこれまで多くの種類が開発されてきました。細胞傷害性抗がん剤は天然物質や合成物質の中から偶然に抗がん効果を発見し開発されたものが多くアルカリ化剤(シクロホスファミド)・・・マスタードガスに由来する。薬剤のアルキル基がDNAの塩基に結合してDNAの複製を妨げます。代謝拮抗剤(メトトレキサート、フルオロウラシル、シタラビン)・・・DNA合成に必要な材料である核酸や葉酸の合成を阻害してDNAやRNAをつくれなくする働きを持つ物質です。消化器がんで使われているフルオロウラシルはウラシルに似た構造を持ちウラシルに代わってRNAに取り込まれてDNAの合成を阻害する。抗がん性抗生物質(ドキソルビシン、アクチノマイシン)放線菌が産生する物質から抽出されてのち抗がん剤となった。植物アルカロイド(ビンククリスチン、ドセタキセル)、白金製剤(シスプラチン)・・・使っていた白金電気が溶液と反応して大腸菌の細胞分裂を阻害していることから抗がん剤となった。【細胞傷害性抗がん剤と分子標的薬】従来使われてきた細胞傷害性抗がん剤の作用の仕方はDNAに作用して合成や修復を妨げるもの、核酸の合成や修復を阻害するものいなどがありますがいずれもがん細胞だけ作用するわけではありません。がん特異性が低く、正常細胞にも影響を及ぼすため長期投与は困難であり思い副作用を伴うことも少なくないです。これに対してがん特異性が高く、長期投与も可能な抗がん剤が分子標的薬である。分子標的薬はやがん化やがん細胞の増殖にかかわるタンパク質や酵素の分子に的を絞って狙い撃ちしその働きを抑えることによってがんを攻撃する。分子標的薬には低分子の化合物を使用する低分子薬とがん細胞に発現している増殖にかかわるタンパク質の抗体をつくりこれによってがんを制圧する高分子の抗体薬がある。【チロシンキナーゼ活性を抑える分子標的薬】乳癌の治療薬としてトラスツズマブ®ハーセプチンがあります。抗体薬としての糖タンパク質で遺伝子組み換えにより製造されたヒトモノクローナル抗体治療薬である。マウスに抗体をつくらせその抗原部位を遺伝子組み換えによってヒト由来の抗体分子に移植して作製した薬である。トラスツズマブが分子標的薬として効果を発する前庭となっているのは細胞の表面に存在するHER2(ヒト上皮増殖因子受容体2)タンパク質である。このタンパク質は正常細胞では細胞の分化や増殖を調節する働きを持っているが何らかの原因でHER2遺伝子に変異が起こり細胞増殖の常にONとなりがん化が点灯する。HER2タンパク質は細胞の内から外へと細胞膜を貫通した構造を持ち、膜の内側の細胞質部分にチロシンキナーゼ勝製を持つ領域が外側の細胞表面には細胞外から増殖因子をシグナルとして受け取る領域が連なっている。チロシンキナーゼはタンパクのチロシン残基をリン酸化する酵素である。シグナル分子を受け取るとチロシンキナーゼが活性化されリン酸化をバトンにしてこれを細胞内に伝達する。これによって細胞の分化・増殖のスイッチが入る。正常細胞では適切に調節されていますが遺伝子に異変が生じてチロシンキナーゼの活性化が止まらなくなると細胞増殖が亢進してがん化が始まります。チロシンキナーゼの働きを抑えて細胞の異常増殖を抑制するタイプの薬です。HER2分子を標的にこれに特異的に結合する抗体としてデザインされたトラスツズマブはHER2の細胞外の部分に結合し細胞内のへのシグナル伝達を妨害し結果的に細胞増殖をストップさせる。同時にNK細胞や単球を呼び寄せその抗体が結合している細胞や病原体を殺傷する働きを「抗体依存的細胞障害(ADCC活性)」という。【乳がん治療は個別化へ】HER2は転移性乳がん患者のおよそ25%~30%で過剰発現がみられ予後不良である。手術前の乳がんであれば針で組織の一部を採取して手術した場合では切り取った組織でHER2遺伝子とHER2タンパク質の量を検査する。【広がる分子標的薬の選択肢】さらに低分子化合物としてラパチニブ®タイケルプがありトラスツズマブが細胞外の部位に結合しシグナル伝達を阻害するのに対して細胞内の部分に結合する。他にぺルツズマブ®パージェタも抗体医薬ですが別の部位に細胞の外で結合して作用します。一方トラスツズマブとエムタンシンの複合体医薬®カドサイラもある。ここではトラスツズマブは抗がん剤を正しく標的に導き送り届けるガイドと輸送の役割を担当している。さらに細胞周期を制御不能にして無制限な細胞増殖を起こす選択的サイクリンキナーゼ(CDK)4および6を阻害する経口薬バルボシク®イプランスがありHER2陰性の進行性乳がんにも選択性が広がった。【副作用と治療抵抗性】EGFR(上皮成長因子受容体)の阻害剤は上皮細胞が増殖するシグナル受容体を阻害するため正常な歯肉に対しても作用して皮膚炎や肺の粘膜異常である間質性肺炎や肺線維腫を起こす。ゲフィチニブ®イレッサなどがある。薬剤抵抗性もある。【融合遺伝子】ALK遺伝子HER2と同じく受容体型チロシンキナーゼの仲間である。」その遺伝子が何の関係もないまま別の遺伝子EML4と融合するとチロシンキナーゼ活性が異常に更新して細胞増殖が起こりがんの原因になることが明らかになりました。(EML4-ALK癒合遺伝子)ALK阻害剤クリゾチニブ。あとはBCRーABL癒合遺伝子は慢性骨髄性白血病で認められる。これの薬がイマチニブ®グリベックである。【遺伝子を解析して治療薬をつくる時代】最近は遺伝子の解析の技術が進み肺癌の原因となる遺伝子異常とその割合が調べられています。肺がんは分子標的薬ゲフェチニブ、KRAS(10%)、ARK融合遺伝子(4%)による肺癌はクリゾチニブ、アレクチニブ、せりチ二ブなどがあり副作用も少ない。【がんの分類は原因遺伝子を根拠に】原因遺伝子を目印として分類していくと肺癌で少数の人に見つかるBRAF遺伝子の変異は悪性黒色腫では日本人で30%大腸がんでは5~10%。ALK癒合遺伝子ではEMLA4と融合すれば肺がん、NPM遺伝子と融合するとリンパ腫、VCL遺伝子と融合すると小児の腎臓がん、FNIと融合すると卵巣肉腫を起こします。【細胞内で遺伝子に直接働く核酸医薬】分子標的薬が効果を発揮する例は変異した遺伝子による細胞表面のタンパク質が標的でした。ところが抑えたい標的がいつも細胞表面に存在するとは限りません。抗がん剤も治療による耐性があらわれて効かない人もいます。効果がない人はDNAを調べるとRPN2という遺伝子が強くはたらいていました。子遺伝子がちよく働くと乳がん細胞は抗がん剤を細胞外に排出するようになり抗がん剤に対する耐性を獲得するのです。これは核内に核内にあり分子標的薬では難しい。そこで核酸医薬の登場です。従来の抗がん剤や分子標的薬では狙えなかった細胞内の遺伝子に直接働きかける核酸分子です。PPN2遺伝子に対して最も得働く核酸医薬はsiRNA(2本鎖RNA)で標的遺伝子に対して働くsiRNA(長い2本鎖RNAが酵素によって21~25塩基に短く切断されたもの)で人工的に合成することが出来る。siRNAは標的の遺伝子から作られたmRNAをRNA干渉の仕組みで特異的に切断して破壊します。その結果mRNAからの翻訳が不可能になりタンパク質をつくることが出来なくなるのです。【核酸医薬に運搬役が不可欠】しかし核酸医薬にがあります。そのまま投与すると生体内で分解され標的である固形がんに届かないことです。RPN2遺伝子を働かないようにするsiRNA核酸医薬は「TDMー812」です。siRNAと運搬役であるA6K分子の複合体である。これが使えるようになればほかの臓器に転移がある進行した乳がんの腫瘤に直接投与して効かなくなった抗がん剤が再び効果を発揮するようになることが期待されます。乳がんで「トリプルネガティブ」の患者さんが10~15%存在します(がん抑制因子P53に変異が生じている)。核酸医薬はトリプルネガティブの患者さんにも効果をもたらす可能性がある。広島大学では手術が出来ず化学、放射線、免疫療法で根治が難しい患者を対象に治療効果を高め副作用を抑え耐性胃かかわるタンパク質PAIー1を分解する「TMー5614」の臨床試験を始めた。【分子標的薬の問題点】肺がんの治療でゲフェチニブ®イレッツサはEGFR遺伝子の阻害剤であるが半年過ぎると効かなくなるどころか間質性肺炎になることがある。なぜか?RGFR遺伝子の別の遺伝子の別の部位に新たに突然変異が出来てクリとの結合が低下し再びEGFRの活性が上昇します。それとEGFRとよく似たタンパク質キナーゼがゲフェチニブの溶世により拮抗的に増えて別ルートでキナーゼを活性化させがんの再発に導くことです。
2026年05月20日 14:01

外傷性咬合と歯周病の併発で歯槽骨吸収を憎悪

外傷性咬合は単独では歯槽骨吸収を起こさないが歯周炎に加わると歯槽骨吸収を憎悪させることを分子レベルで解明。歯周病は歯ぎしりなどによる外傷力との関係が示唆されており「過大な咬合力(咬合性外傷)は直接的な原因にはならないが歯周病の悪化には寄与する」。「歯周炎群」「外傷性咬合群」「歯周炎群+外傷咬合群」にて分類して経過を観察した。その結果歯周炎群+外傷咬合群では歯周炎群と比べてより重度の骨吸収が認められた。一方外傷性咬合群だけでは歯槽骨吸収は認められなかった。歯周炎群と歯周炎+外傷性咬合群の骨組織を評価したところ炎症性サイトカインであるTNF-αなど遺伝子群の発現上昇が認められ、破骨細胞分化を抑制的に調節する遺伝子群は発現が低下していた。
2026年05月17日 18:54

がん予防できるか?

【がんの原因の多くは生活習慣】がんの原因はアメリカでは「たばこ」と「食事」がそれぞれ30%と多く運動不足、職業、遺伝、ウイルス、細菌、周産期、生育がそれぞれ5%と続きます。一般社会では遺伝や放射線、化学物質などががんの原因として向けられることが多いが実際には生活習慣の方が圧倒的にがんリスク原因として大きな割合を占めている。6割以上です。日本とアメリカは生活習慣が異なるためがんリスク要因は1位が喫煙2位が感染3位が飲酒である。【日本では感染によるがんが多い】に法腕感染によるがんの割合が多いのかというと肝臓がんや胃がんが多いためです。肝臓がんは肝炎ウイルス胃がんはヘリコバクターピロリ菌です。ウイルスや細菌は免疫細胞により排除されますが中には潜り抜け血液中に棲みついて増殖し続けることがあり特殊感染としてがんを引きおこすのである。肝臓がんはB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスに感染すると慢性的な炎症を起こし20年かけて肝硬変や肝臓がんを引き起こす。他にはヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんやヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型による成人T細胞白血病・リンパ腫がある。【どんな生活習慣ががんにかんよするのか?】飲酒と喫煙については多くのがんで「確実」で肥満は大腸がんや肝臓がんで「ほぼ確実」となっています。食品では食塩・塩蔵品と胃がんが「ほぼ確実」と評価されています。がんリスクを下げる要因は運動が大腸がんはほぼ「ほぼ確実」野菜と果物の摂取が食道がんで「ほぼ確実」【5つの健康習慣によりがんのリスクがほぼ半減】がんの予防法として「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」という5つの健康習慣を取り上げる。喫煙は肺がん、肝臓がん、胃がん、食道がんが「確実」飲酒は肝臓がん、大腸がん、食道がんと関連があり飲む量は純エタノール量換算で23g程度。身体活動はがんだけでなく心疾患のリスクも軽くなる。体重はBMI21~25に抑えましょう。これを行えば男性で43%女性で37%がんのリスクが低くなる。【薬でがんを予防する「化学予防」】がんの予防法には生活習慣の改善や感染の予防・検査の他,遺伝的にがんリスクが高い人や癌を治療して再発が心配される日知、がんになる手前の前がん病変がみられる人は薬による予防いわゆる「化学予防」という方法です。1次は生活改善。2次は早期発見に努める。「化学予防は」その中間です。長期にわたり薬を飲み続ける負担はあるが手術よりはハードルは低い。もう一つは遺伝子検査によりがん抑制遺伝子であるBRCA1に生まれつき異常があるため乳房や卵巣・卵管のを切除する手術です。(アンジェリーナジョリー)【ドラッグ・リポジショニング】がん予防薬の開発はあまり進んでないが他の薬で成功例がある。狭心症の治療薬のシルデナフィル®バイアグラ高血圧の治療薬としてミノキシジル®ロゲイン、インフルエンザの治療薬としてのアマンタジン、抗てんかん薬としてのソニサミドがそれぞれパーキンソン薬。がんの予防薬はアスピリンや糖尿病のメトホルミン、スタチン、閉経後骨粗鬆症治療薬であるラロキシフェンなどがある。【アスピリンが大腸がんを予防する?】アスピリンを5年以上服用した人は服用しない人に比べ大腸がんによる死亡率が半減したことが報告されてます。しかし喫煙者や飲酒についてもはアスピリンの予防効果は減弱していました。薬を服用すると分解・排出にかかわる反応を薬物代謝と言い薬物代謝で働く酵素を「薬物代謝酵素」という。これには遺伝子多型が存在する。遺伝子多型はゲノムの塩基配列の個体差のことでいわゆる「体質」のことです。たばこの嗜好品として接種される生体外の異物の解毒代謝にも働きます。たばこのがん原性物質はそのままでは発がんしないが代謝される過程でかっつ成果反応性の高い代謝物質となりDNAに結合して遺伝子の損傷をもたらすことで発がんすると考えられている。喫煙者がアスピリンを服用した際にたばこのがん原物質とアスピリンが代謝される際に起こる相互作用が発がんリスク増加を生み出している。【アスピリンが何故大腸がんを抑制できるか?】何故解熱鎮痛剤であるアスピリンが大腸がんに対して予防効果をしめすのか?それはアスピリンの抗炎症作用と抗血小板作用にあるのでは?大腸がんの予防においてもCOX(シクロオキシゲナーゼ)に結合してプロスタグランジンの働きを阻害して炎症を抑えることががんを抑えることになる可能性があるということです。また抗血小板作用によりがんの抑制に効いているのではとも思われています。【肥満と大腸がん】大腸がんの予防薬としてスタチンやメトホルミンがある。メトホルミンの服用に大腸ポリープの再発率が40%低下する。メトホルミンは糖新生を抑制する作用があり、中性脂肪やコレステロールの合成の抑制、インスリン抵抗性の改善にも働くことがわかってきました。肥満と大腸がんの悪性サイクルは脂肪と糖質の過食⇒肥満⇒アディポサイトカイン(IL-1,TNFα、IL6)⇒インシュリン抵抗性、炎症反応、脂質異常症⇒肥満⇒肥満⇒(悪性サイクル)⇒大腸がん。この悪性サイクルを断ち切ることでメトホルミン、スタチン。アスピリンが大腸がんに寄与している。

 
2026年05月16日 18:28

がんを見つける、見極める

【現在のがんの発見と診断の方法】症状が現れてから治療を始めたのであれば病気が進行していることがあります。そうならないために予防・早期発見を目的に健康診断が行われます。しかしがんは早期段階から徴候が現れる生活習慣病と違い症状が現れたころには病気が進んでいる可能性のある病気である。現在健康診断で行われている血液検査などで調べられている項目からがんの予兆を捉えられることはできません。個別のがん検診にも問題があります。例えばマンモグラフィーは被ばく量が胸部X線の100倍なので頻繁に検査を受けれません。大腸がんの内視鏡検査も優れていますが苦痛が伴うため嫌がる人が多いです。結局病変の一部をとってその組織や細胞を顕微鏡で観察する病理検査を行います。病理検査では細胞の形が違っていたり細胞の核が通常より大きかったり、細胞の端によっていたりといった細胞の「異形」を見つけそこからがんの種類や悪性度を判定する。これとは別にがんの広がり血管やリンパ管にがん細胞が入り込んでいるかを調べます。がんの性質が明らかになったらどんな薬物を使うか?放射線療法は必要かなど治療方針も決まります。【腫瘍マーカーはがんを早期発見できない】がんが進行して大きくなり腫瘍の中心まで血液が届かなくなるとがん細胞は死にばらばらになって血液に入り体中を流れるようになります。腫瘍マーカーの多くはこの現象を利用したものだからです。がんが小さいうちは基本的に腫瘍マーカーは検出できません。がんの動態を観察することが出来ます。治療がうまくいっているかの指標になります。他に血液中にがん細胞由来のDNAも流れてきます。(ドライバーミューテーション)【がん細胞のおしゃべりmⅰRNAに耳を傾ける】ゲノムの塩基配列がどのように代わっているのか?(変異)ゲノムにどのような化学修飾がついているか?(エピゲノム)を調べそれががんの転移にどう関連しているかを解明しようとしています。がんの転移を止められたら多くのを患者を救うことが出来ます。最近はがんが「おしゃべり」だということがわかってきました。他の細胞に自分の味方になってくれるように働きかけたり、敵である免疫細胞をだまして攻撃を回避したりいろいろ悪巧みを持ちかけているみたいである。このおしゃべりの正体が「マイクロRNA(mⅰRNA)」とエクソソームである。mⅰRNAは20塩基ほどの短い一本鎖のRNAでゲノムDNAから転写されて出来るRNAから切り出されます。多くは「遺伝子発現調節」を細胞質の中で行っていてエクソソームに入れられるなどして細胞から分泌され血液中に入り込みます。これは健康な細胞でもおこっているが癌になるとがん細胞特有のmⅰRNAが分泌される。【いろんな役割を持つmⅰRNA】mⅰRNAは基本的に番号が付いていてその番号によってどんな遺伝子を調節しているかわかります。例を挙げると赤血球は451番でmⅰR-451です。これがなくなると貧血になります。【がんとmⅰRNA】人間には薬2500のmⅰRNAしそのうち特定のmⅰRNAが増えたり減ったりすることでがんが発生することがわかりました。がんは遺伝子が傷ついて起こる病気ですがその結果として起こるのはタンパク質の異常やmⅰRNによる遺伝子発現調節機能の異常で、それががんの直接の原因です。【ストレスの程度を知りがんの予防につなげる】がんになる大きな要因の一つがストレスだとわかってきました。ストレスが細胞に作用すると正常な反応として細胞はストレスから逃れようとします。この反応ががんのきっかけになっています。mⅰRNAを指標にストレスを知ることが出来ます。【mⅰを運ぶエクソソームの大事な役割】mⅰRNAは血液中に検出されますがそのまま細胞外に出たら壊れるのでそれを防いでいるのがエクソソームである。【エクソソームとがんの転移】エクソソームはmⅰRNAだけでなくたんぱく質やDNAほかのRNなど様々な機能を持つ分子を内包としそれオ働くべき細胞に届けます。その為にエクソソーム表面にどの細胞に行くかを決めるタグとなる分子「インテグリン」があります。そのインテグリンががんの転移にも大きくかかわっています。がん細胞は増殖、浸潤転移といった悪性化を促進する因子やがんが生着しやすい微小環境を整える分子を作ってエクソソームに入れて周囲の細胞へ渡します。METタンパクはメラノーマ転移を促進する因子やMIFが肝臓の転移にかかわっていることが明らかになっています。今注目されているのは膵臓癌が分泌するエクソソームの表面にはグリピカン1(GPC1)が診断法として研究されています。
 
2026年05月16日 18:27

再発と転移

【転移や再発の原因「がん肝細胞」】再発の原因は残ってしまったがん細胞ですが最近これが普通のがん細胞と異なる「がん幹細胞」である可能性が高いことがわかり転移も同じように考えられるようになった。幹細胞とは自らと同じ細胞を増やす能力(自己複製能)と様々な細胞に分化する能力(多分化能)を持つ細胞である。胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵が数回分裂した細胞でまだ未分化していないためどんな細胞にもなれる。(マクロファージ、ニューロン、脂肪細胞、平滑筋細胞、アストロサイト、オリゴデンドサイトetc)。胚性幹細胞のようにどんな細胞になれるわけではないが特定の組織の細胞に分化して無限に増えることが出来る組織幹細胞がある。造血幹細胞や神経幹細胞がそれである。「がん幹細胞」とは?がん細胞の中には性質の異なるがん細胞が幾種類も存在します。「がんの不均一性」と呼ぶ。様々な性質のがん細胞があるのでがん細胞の特定の性質をターゲットに治療するとその性質を備えていないがん細胞が残ってしまい再発する。不均一ながん細胞の中に「がん幹細胞」は含まれています。言いかえれば「がん細胞を無限に作り出せる細胞」ともいえるのでどのような治療をしても「がん幹細胞」が残っていたら通常のがん治療が効きにくいのです。「がん幹細胞」は分化することもなく増殖することもなく細胞分裂静止期状態だから増殖することを抑える薬物療法は効きにくいのです。さらに「がん幹細胞」は薬物を排出する能力を獲得したり細胞死を阻害する分子を発現させたりDNAに傷が出来ても死なないような性質を持っている。【白血病でのがん幹細胞】「がん細胞集団の中にはごくわずかであるが継続的増殖能力と全身への転移能力を持ち抗がん剤などの細胞傷害性治療にに対して抵抗性を示し治療しても腫瘍を再形成する幹細胞のようながん細胞が存在する」。1997年に「白血病はガン幹細胞が存在する」と報告されました。その後乳癌や大腸がん、脳腫瘍からも見つかりました。白血病を発症した細胞ではCD34という細胞膜を貫通するタンパクが発現いていることがわかりました。2010年には白血病に特異的なタンパクとしてM-CSFRやTIM3が白血病の幹細胞の表面に多く存在することがわかりました。この結果からM-CSFR抗原を持つことが白血病幹細胞だということが結論づけられた。【がん幹細胞治療の進展】白血病細胞がどのような性質を持っているかというとEZH1とEZH2というタンパクを多く発現していることがわかりました。これらはどちらもゲノムDNAが巻き付いているヒストンというたんぱく質をメチル化する酵素として遺伝子の発現を抑えます。これらは両方とも欠損させると白血病は治りました。ということはEZH1とEZH2の両酵素を阻害すれば白血病は治せるということです。これらの薬は未分化のがん幹細胞を分化させがん幹細胞を消滅させる働きがある。他には大腸がんに対する薬が見つかっています。大腸がん患者の90%はWntと呼ばれる遺伝子に変異がみられWntシグナルの伝達経路が常に活性化した状態にあるのでがん幹細胞が発生することがわかってきました。この経路を遮断する薬剤があれば治療が可能です。活性化を遮断するには「TNIKというたんぱく質リン酸化酵素」を遮断する薬が「NCB-0846」です。【がん幹細胞の誕生】白血球のがん幹細胞は4種類ありがんは遺伝子の変異がいくつも積み重なって発症されるとされますが稀に一つ遺伝子によっておこることがある。例えば慢性骨髄性白血病は人9番染色体と22番染色体の間で組み換えが起こってBCR遺伝子とABL遺伝子の融合遺伝子が一つできた結果タンパク質リン酸化酵素であるABLが異常に活性化され血液細胞の増殖が亢進して発症する。もともと幹細胞である造血幹細胞にBCR-ABL遺伝子が生じて癌化します。ただし増えた幹細胞から各種血液細胞が作られるので思い症状が急に出ることはないです。慢性骨髄性白血病のように正常な幹細胞が異様な増殖能を獲得することによって誕生する場合もあれば急性骨髄性白血病のように血液前駆細胞が自己複製能を獲得することによって誕生することがあります。がん幹細胞は白血病であれば骨端部など奥まったところに隠れています。大腸がんのがん幹細胞にはCD4抗原やLGR5が発現することが重要です。【転移する能力を獲得するとき】原発巣⇒腫瘍細胞からの離脱⇒細胞運動浸潤⇒血管壁への侵入、離脱⇒血管・リンパ管内を移動⇒接着⇒細胞運動浸潤⇒新しい環境(低酸素、低栄養、足場の違い)への環境⇒転移巣。がん細胞が移動、転移しやすくなる原因としてSrcというチロキシナーゼの活性化があります。【転移しやすい場所】①脾臓,腸などの門脈大循環系⇒肝臓⇒肺。動脈循環系⇒乳、筋肉、皮膚、脳、腎臓⇒静脈循環系⇒心臓⇒肺【がん細胞はどうやってうごくか?】多くのがんはもともと上皮系細胞に由来します。皮膚や消化管、気道、血管は上皮系細胞である。正常な上皮細胞は胎児期に一時的に間葉系細胞に変化します。これが「上皮間葉移行(EMT)」。がんが転移する一歩として上皮間葉移行が起こっているのではないかと言われている。これにかかわる分子がTGF-βでありEMTが観察される。この事実からTGF-βを阻害すれば転移が抑えられるのではないかと研究が進められている。転移先の腫瘍を観察すると間葉系細胞の性質が失われ上皮系のつよ細胞間接着に戻る間葉系上皮系移行(MET)を起こしている。がん治療をする場合にTGF-βは転移を促進しますががん発生の段階では逆にがんを抑制している。
 
2026年05月14日 13:06

がんがしぶとく生きる残る術

【がん細胞にも免疫の仕組みが働く】がんに対しても免疫のしくみが働いていることはいくつかの根拠に基づいて次第に確かなことと考えられるようになりました。臓器移植をうけて拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を服用している人やHIVに感染したために免疫このウが十分に働かない人です。免疫機能が抑えられているとある種のがんにかかりやすくなることが知られている。【がん細胞を監視して破壊する細胞たち】自然炎症を担っているのはマクロファージ、好中球、NK細胞などです。これらの細胞によって構成される防御壁ががん細胞が超えてきた場合に獲得免疫が働きます。それの司令塔は樹状細胞です。自分の体の中で遺伝子に変異が起きている癌細胞は身体にとっては基本的に異物であり攻撃すべき対象として認識されます。「がん抗原」「ネオ抗原」と呼ばれる特別な抗原である。がん抗原は遺伝子に変異が生じたがん細胞が生産するタンパク質です。樹状細胞ががん抗原を捕捉すると活性化して免疫細胞に抗原提示しヘルパーT細胞を認識しキラーT細胞やB細胞による抗体をつくらせる。【免疫の壁を突破するまでの3段階】しかし精緻に仕組まれた防御壁さえ突破して生き延びるがん細胞がいるためにがんの芽はりっぱながんに育っていく。それではどのようにして免疫監視機構を突破していくのでしょう?一連のプロセスは「がん免疫編集機構」と呼ばれている。「排除相」⇒「平衡相」⇒「逃避相」という3つの段階を経る。さらに免疫監視機構が加齢とともに突破されやすい。「免疫老化」という。T細胞の数が減って機能低下が起こるためといわれている。高齢になるとがんになる確率が高くなるのはこれも一つである。免疫の仕組みは免疫細胞を使って攻撃しているがなぜがんはなくならないかというと免疫原性のの低いたちの悪い細胞に変化させてしまうという逆説的な事態が生じている。【がんは全身の免疫機能を抑え込む】がん細胞は免疫細胞から攻撃される一方ではなく局所にとどまっている段階の癌組織が逆に全身の免疫系に影響を及ぼしていることがわかってきました。免疫系を弱らせ機能をマヒさせがん細胞を攻撃する力を奪ってしまうのです。がん組織はがん細胞の他に血管系、免疫系、間質系など様々な細胞集団や組織から成り立っている。がん組織の内部で相互作用を営みながら微小なコミュニティーを形成している。この中で間質細胞が重要な役割を担っている。【攻撃にブレーキをかける細胞がある】免疫系には攻撃系はヘルパーT細胞、キラーT細胞、NK細胞、樹状細胞があるが攻撃を抑制する役割を持つ細胞もある。それはTreg、制御性樹状細胞、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)がある。間質細胞はこのような免疫抑制細胞をがん組織に呼び寄せたりがん組織の中で増やしたりしていることもわかってきました。がん細胞が人間などそのその宿主の免疫細胞からの攻撃を抑制して逃避するにあたって主な戦略が4つある。①がん細胞の表面存在するMHCおよびがん抗原の産生を低下させる。②がん細胞が免疫抑制性サイトカインを分泌すること。例えばTGF-β、IL-10、VEGF。がん細胞は免疫を抑制する働きを持つ酵素を作ることによりT細胞を弱体化する戦略を持ちあわせている。③免疫抑制機能を持った細胞をがん組織の内部や周囲に呼び寄せて防御態勢を固める戦略である。Tregや骨髄由来免疫抑制細胞ががん細胞の中に存在し免疫抑制環境を作っている。膵臓癌や肺癌などではTreg
大腸がん乳癌、胃がんではMDSCが多い。④がん組織が攻撃してくるキラーT細胞を無力化するシグナルを送る。CTLA4とかPD-1などである。PD-1は単独では働かずがん表面に現れるPD-L!と結合することによりキラーT細胞の攻撃を抑制することが出来る。【がん免疫療法】①第一世代・・・免疫賦活剤クレスチン、ピシバニール、BCG、結核菌抽出物質(丸山ワクチン)②第二世代・・・サイトカイン療法・・・免疫細胞の増殖と活性化を図る免疫療法(IL2、IL12、THFーα)③活性化リンパ療法(LAK療法)・・・患者の血液や腫瘍細胞からリンパ球を取り出しIL2添加培養し様々なTリンパ球を増殖、活性化させた上で基に戻す。④特異的免疫療法として抗体療法・・・がん細胞の増殖や血管新生などにかかわる特定の分子の抗体を製造し大量に投与して体内で標的分子と結合させることによりがん細胞の生存や増殖を阻害する方法です。トラスツズマブ(抗HER2)リツキシマブ(抗CD20)セツキシマブ(抗EGFR)ベパシズマブ(抗VEGF)。ペプチドワクチン療法・・・がん抗原ペプチドを人工的に合成して大量投与する方法。新世代・・・チェックポイント阻害剤。免疫細胞療法としてCTL療法。TIL療法、樹状細胞療法(転移性前立腺がん®プロベンジ)。新世代・・・CART療法(遺伝子改変T細胞療法)キメラ抗原受容体・・・がん抗原を認識して特異的に結合する抗体部とT細胞の働きを活性化するシグナル伝達部位を融合させた1本鎖の人工タンパク質。B細胞性急性リンパ球性白血病に寛解率80~90%を示した。チェックポイント阻害剤はイピリムマブ®ヤーボイ。PD-1抗体ニボルマブ®オブジーボ。チェックポイント阻害剤の副作用は自己免疫疾患。
2026年04月27日 08:55

がんはどうして生じる?

【遺伝子変異で何がおこるのか?】がんは癌遺伝子や癌抑制遺伝子に異変が起こることで発生する。遺伝子のDNAは塩基3個ごとに1個のアミノ酸を指定していて3個の塩基の並び方(コドン)が20種類のアミノ酸のうちどれかと対応しています。翻訳の際にはこの指定に従って選ばれたアミノ酸が順番にしたがっていき蛋白質が作られます。遺伝子の変異とは①一塩基置換した変異(点変異)②一塩基欠失してズレる。③染色体欠失した状態。これらが遺伝子突然変異の例です。点変異した例はがん遺伝子(KRAS遺伝子)の変異が癌を引き起こすのがせいじょうな場合はGGT⇒GAT(アスパラギン酸)GGT⇒GTT(バリン)アミノ酸の変化が起こる。KRASタンパク質の機能が変化し細胞増殖のシグナルを送り続けて⇒癌発生。【一つの遺伝子変異でがんにならない】しかし変異した異常なKRAS遺伝子だけでは癌は発生しにくくP53の抑制遺伝子が変異すると癌が発生する。現在では「遺伝子変異が次第に積み重ねられた結果癌が発生する」という考え方が広く受け入れられている。この説は癌の発生率または罹患率が年齢とともに上がることとも符合しています。もし一つの遺伝子変異でがんが起こり遺伝子変異のおこる確率が年齢で変化しないならどの年齢でも癌の発生率または罹患率は同じはずだからである。一つの例として大腸がんがあります。正常粘膜⇒APC⇒隆起腺腫(低異形)⇒KRAS⇒隆起腺腫(高異形)⇒P53⇒腺腫内癌(腺癌)⇒隆起型早期がん⇒SMAD4、PTEN⇒進行がん、転移癌。しかし例外として網膜芽細胞腫はRb1遺伝子の変異で起こる。さらに肺癌は2番染色体上の近い位置に存在するEML4遺伝子とALK遺伝子とがくっ付くことによっておこる遺伝子でEML4-ALK融合遺伝子と呼ばれ非小細胞がんの4~5%みられる。他は慢性骨髄性白血病でBCR-ABL癒合遺伝子によっておこる。(フィラデルフィア染色)9番と22番がつながることによっておこる。【遺伝子の使われ方】がん遺伝子が異常に増殖することを「がん遺伝子の活性化」一方がん抑制遺伝子が働かなることを「がん抑制遺伝子の不活化」という。しかし細胞はいでんしの塩基配列が同じでも遺伝子の使われ方を変えることにより遺伝子を活性化したり不活化したりしています。それが「エピゲノム」である。ある遺伝子からタンパク質をつくるかどうかを決める機構の全体を指す言葉である。体を作っている37兆個の細胞はみな同じ遺伝子2万個を持っているがそれらのうちどれを使うかエピゲノムによって制御されています。その結果同じ遺伝子セットを持つ細胞から組織や臓器の機能にあった様々な形と性質の細胞が出来てくるのです。エピゲノムの一つがDNAのメチル化である。①DNAの4種類の塩基のうちシトシン(c)の決まった炭素にメチル基が結合します。遺伝子の塩基配列の手前にはプロモーター領域といった配列があります。このプロモーター領域のDNA高メチル化は遺伝子をオフにする働きをする。もしがん抑制遺伝子のプロモーターが何らかのきっかけで高メチル化されるとこの遺伝子は働かなくなりがんにつながる可能性があるということです。②エピゲノムのもう一つがマイクロRNAと呼ばれる20塩基ほどの小さなRNA分子があり自分の配列と相補的な配列を持つmRNAに結合して翻訳されにくくします。これによってmRNAの転写元の遺伝子から蛋白質は作られなくなります。何らかのきっかけで特定のマイクロRNAがたくさん作られるとそれに対応する遺伝子が働かなくなります。【ミスマッチ修復機構】ミスマッチとはCとAのように相補的でない2個の塩基がDNA二重鎖の中で向かい合っている状態。ミスマッチ修復機構は数個の蛋白質からなりミスマッチを含むDNA領域を一端除去してその部分を新たに複製します。複製中の校正機構と複製後のミスマッチ修復機能によりDNAの複製時の間違いはほとんど取り除かれ10塩基に一つしか変異が起こらないのです。実際ミスマッチ修復遺伝子の一つが変異を起こして働くなる大腸がんが知られている。【発がんのメカニズム】(正常細胞)⇒遺伝的要因(がん遺伝子の活性化またはがん抑制遺伝子の不活化)⇒(やや異常な細胞)⇒環境要因⇒(癌細胞)⇒遺伝子の変異⇒がん【環境的要因】①化学物質がDNAを修飾(化学物質がDNAの中の塩基に付加すること)することにより突然変異を引き起こすことも明らかになっている。②カビ毒アフラトキシンが肝細胞がん。アリストロキ酸が尿路上皮がん、アスベストが中皮腫。③放射線はDNAの二重鎖を両方とも切断することと細胞内の水分子を放射線が分解することで活性酸素が生じこれが塩基を酸化して構造を変えてしまうことにより起こるのです。④ウイルスはパピローマウイルス、B型肝炎ウイルス、EBウイルス、HTLV-1が人の癌のDNAの中に入っていることはわかっています。これらはがん遺伝子の活性化またはがん抑制遺伝子の不活化をひきおこし癌化するのです。ピロリ菌は慢性胃炎になりその炎症がエピゲノムになどに影響するのでしょう。炎症が続くと細胞分裂が続くので突然変異が起こる確率が高くなります。④飲酒との関係。酒はエタノール⇒アルコール脱水素酵素⇒アセトアルデヒド⇒ALDH⇒酢酸。ところが同じ日本人の中でもALDHの働きが強い人弱い人がいて弱い人はアセトアルデヒドが体の中にたまります。アセトアルデヒドは発がん物質で食道がんにかかりやすいのです。

 
2026年04月27日 08:54

がんとは?

【細胞の増殖が腫瘍を造る】人間の細胞は37兆個の細胞からなっています。始まりは1個の受精卵からである。それが分裂を繰り返し増殖し増殖の過程で様々な種類の細胞に分化しそれらの細胞が組織、臓器、器官を造り体が出来上がっていきます。いったん体が出来上がったりした後も細胞は必要に応じて増殖します。胃の粘膜の細胞とか毛母細胞や骨髄細胞も増殖の速い細胞として知られてます。一方体の中で一番重い臓器である脳の細胞、肝臓、心筋の細胞は増殖しません。体の中でどのような細胞がどれだけ増殖するかはコントロールされている。しかしこのコントロールを逃れ必要とされる量を超えるて細胞が増殖し続けることがあります。これらの余分な細胞が腫瘍です。【悪性腫瘍の3つの特徴】①自律性増殖②浸潤と転移③悪液質(全身性の慢性炎症が起こること)脂肪や骨格筋が減る。上皮細胞から発生する悪性腫瘍をがんで非上皮細胞から発生する悪性腫瘍を肉腫。上皮は外胚葉由来、管状臓器の内面は内胚葉由来ですが非上皮性細胞は中胚葉由来で表皮と管状臓器の内面の間を埋めている。ただし泌尿器や生殖器は中胚葉からできるもの中空の管状臓器であるため上皮細胞である。癌腫である。胃は粘膜の上皮細胞に由来するのは胃がんであり粘膜下層や筋層で発生するのは消化管間質腫瘍で肉腫である。【様々な種類がある血液のがん】悪性腫瘍とは別に造血器で発生するがんもある。「造血器悪性腫瘍」があります。血液細胞には白血球、赤血球、血小板がありますがこれらは骨髄にある造血幹細胞が分化して出来ています。この分化の途中で異常に増加し悪性化するのが白血病であり悪性化した細胞を白血病細胞である。多発性骨髄腫は形質細胞の癌です。白血病と異なり、分化の進んだ血液細胞が悪性化するがんです。悪性リンパ腫はB細胞やT細胞などのリンパ球が悪性化するものです。悪性リンパ腫はリンパ節やリンパ小節(パイエル板や扁桃)で増殖します。中皮腫は胸膜、腹膜、心膜は中皮細胞がならんでいてそこから発生するするのが中皮腫である(アスベストが原因)【浸潤と転移】上皮組織は基底膜という丈夫な膜で裏打ちされている。その下には間質があります。間質はコラーゲン線維と繊維芽細胞、リンパ管、血管がある。上皮細胞が発生した腫瘍が成長すると基底膜を突き破って間質に達します。これを「浸潤」と言い浸潤が進むと腫瘍が乾漆にある血管やリンパ管に達し腫瘍から離れた細胞が血管やリンパ管に乗って体の別の場所に移動する。移動先で細胞が血管やリンパ液から抜けだして増殖し腫瘍をつくることが「転移」という。白血病は転移がない。がんになる前の状態を「上皮内新生物」といい上皮内腫瘍という。【がん遺伝子の発見】現在では「遺伝子の病気であると考えられている。」それが「Src」と呼ばれている遺伝子である。これらの肉腫ウイルス遺伝子により宿主細胞は増殖する。ところが鶏の正常細胞にもウイルスのSrc遺伝子があることがわかりました。ここから「癌の発生には正常な細胞に存在する正常な遺伝子がかかわっている」という考えが生まれました。正常な遺伝子が変異するとウイルスの遺伝子と同じ様にがんを引き起こすと考えられるようになった。変異を起こす前の正常な遺伝子を「がん原遺伝子」変異した後の遺伝子を「がん遺伝子」と呼ぶ。がんを引き起こすウイルスはたくさんあります。そうしたウイルスが持つがん遺伝子とよく似た遺伝子が人を含む様々な生物で発見され支持される様になった。【リン酸化で情報を伝達する癌細胞】Src遺伝子からSRCというタンパク質が作られる。酵素として働き別のタンパク質をリン酸化する。リン酸基が結合できるのはセリン、トレオニン、チロシンの3種類である。普通はチロシンのリン酸化はみられないことからチロシンのリン酸化によりそれががんを引き起こすというものでした。SRCがチロシンキナーゼです。体の中では2万種類の遺伝子にもとずいて約5万個~10万個の蛋白が作られている。しかし細胞の増殖に関するタンパク質は数百種類です。人を含む神格生物はチロシンをリン酸化することにより増殖シグナルの伝達専用に割り当てられている。【癌抑制遺伝子】Rb1と名づけられたこの遺伝子は細胞周期を途中でやめる働きがある。この働きによってDNAが損傷を受けた細胞がそれ以上増殖しないように抑えている。【発見当時はがん遺伝子だと思われたP53】現在では数百種類のがん抑制因子が知られています。いずれも変異したDNAを持つ細胞が増殖するのを抑えるがやりかたによって多いっく3つに分けられる。①傷ついたDNAを持つ細胞が増殖しないように細胞増殖抑制(Rb1遺伝子)②DNAの傷ついた箇所を修復。(MLH1遺伝子)③細胞アポトーシス(P53遺伝子)P53遺伝子の特徴はがん患者の半数以上という高い頻度でP53遺伝子の変異がみられることです。がん細胞ではP53遺伝子はが不活化されていてることからがん抑制遺伝子であると考えられるようになった。【多彩な顔を持つP53タンパク質】P53は転写因子である。細胞の中では遺伝子の情報がRNAに転写されそのRNAの情報にもとずいて蛋白質が作られる。その時転写因子は遺伝子の手前のDNAに配列し遺伝子の転写を抑えたり進めたりする。機能としてはDNAの修復と細胞周期の停止、血管新生の抑制、アポトーシスの誘導など。こうした機能は細胞のDNAに傷がつくようなストレスを受けた時にだけ発揮される。P53遺伝子に変異が起こるとP53蛋白質は部下の遺伝子のDNA配列に結合できなくなる。その結果癌になる。【癌のメカニズムの解明で治療が進歩】それは分子標的薬です。細胞の異常な増殖を引き起こす蛋白質の働きを抑えれば癌を治療できる可能性が明らかになりました。がんを発生させる分子(特定分子)(標的タンパク質)を狙う薬。EGFRなどの標的に結合する低分子化合物と標的に対する抗体がある。ゲフェチニブは肺癌の治療薬であるが肺癌にはEGFRの変異がみられ増殖シグナルを出し癌細胞を増殖させるがこの抗体薬によってATPを結合させないことにより癌を増殖させないにする。「阻害剤」。乳がんではHER2が変異をおこしています。トラスツズマブは変異したHER2に結合しHER2の増殖シグナルを抑える。さらにNK細胞や単球を呼び押せて腫瘍細胞を障害する。


 
2026年04月27日 08:53

呉市広駅前|歯医者

小早川歯科口腔外科クリニック

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