IPS細胞から「顎の骨」の立体的組織作製
人の人工多能性幹細胞(IPS細胞)から顎の骨の構造を立体的に再現したミニ組織の作製に成功した。画期的なのは骨の再生能力を持ち合わせていること。これができれば再生治療や難病の治療などが期待できる。顎の骨は食事の接種、呼吸、発音、顔貌に係る重要な部位だけど口腔内の細菌感染、障害性咬合による歯の過負荷による損傷により一度失われると元の状態に戻すことが難しく(歯周病)、顎の骨は発生過程が特殊でIPS細胞で分化誘導を再現することが困難とされてきた。そこでIPS細胞を立体的に培養。神経や骨の基になる神経堤細胞を経て外肺葉性間葉細胞をへて分化誘導し分化から38日後に直径1~1.5mmの白色の塊が出来きた。骨組織にみられる石灰化の特徴が確認でき、顎の骨の構造を再現したミニ組織の作製が出来きた。これを顎の骨が欠けたマウスに複数のオルガノイドを移植する実験では通常の骨移植と同等の骨組織の再生が確認できた。
2025年09月04日 11:20