貧血(鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血)の患者が来院したときの歯科口腔外科的処置
一般的には貧血により末梢循環障害、血圧の下降、ヘモグロビン減少による低酸素症、炭酸ガスの蓄積によりめまい、息切れ,動悸、眼瞼結膜蒼白、創傷治癒不全などがあることから歯科口腔外科的処置において1出血に対する処置2口腔清掃と管理3出血源となるうるものの予防と処置4感染に対する処置(特に再生不良性貧血や悪性貧血は特に注意また投薬も再生不良性貧血はかえって憎悪するので注意が必要である。1鉄欠乏性貧血(疫学)初潮~閉経期の女性に多い頻度高い約半分(原因)鉄分不足、鉄分吸収阻害、頻回の妊娠など(全身所見)貧血症状とspoonnail(口腔所見)舌乳頭萎縮による舌炎、口角炎、舌の灼熱感、食道萎縮性変化による嚥下痛などPLUMMER-VINSON症候群がある。(治療)鉄剤投与
2再生不良性貧血(疫学)日本に多い性差年齢差なし(原因)骨髄低形成(造血幹細胞障害)による汎血球性減少症を主徴とする(全身所見)貧血、出血傾向、感染(口腔内所見)粘膜下出血、歯肉出血、粘膜の潰瘍(予後)急性の経過をたどると死亡する場合もある。(治療)原因の除去、ステロイド
3悪性貧血(疫学】中年以降の成人男女差なし(原因)ビタミンB12欠乏(全身所見)貧血症状、神経症状、消化器症状(口腔内所見)口腔粘膜萎縮、舌症状が特徴的で糸状乳頭萎縮し、舌の平坦化、刺激痛などのいわゆるハンター舌炎が知られている。(治療)ビタミンB12、葉酸、鉄剤投与
2024年07月29日 15:31