脳血管疾患でリハビリ中または終了後の患者が来院したときの歯科口腔外科的処置
脳血管疾患は脳出血、くも膜下出血、脳血栓、脳塞栓、が主にあり脳の循環障害により急激に倒れ、意識障害を呈し、片麻痺をも合併している症候群である。【脳出血】最も多いのが被殻出血で次に視床出血で頭痛、嘔吐、片麻痺、感覚障害、意識障害、偏視がある。口腔内においては脱落症状として顔面神経下肢麻痺として頬部、鼻、口唇部の運動障害、舌下神経麻痺のため舌提出時に舌尖が麻痺側に傾き構音障害を起こす。咀嚼、嚥下、喉頭の筋肉は両半球から支配されているので麻痺は生じない。【くも膜下出血】脳動脈瘤が破れてクモ膜下に出血し脳が圧迫されて頭蓋内圧亢進が起こる。激しい頭痛薬、嘔吐、徐脈、意識障害を伴う。脳血管攣縮、水頭症、出血の合併症。後部硬直、ケルニッヒ徴候が特徴。再発あり。【脳血栓】高血圧、糖尿病、高脂血症など動脈硬化がおこり動脈の内壁にアテロームプラークが付着しそれが破れ血栓が作られ血管の内腔が詰まる。前駆症状としてTIAがある。【脳塞栓】心原性脳塞栓症で心房細動により心臓内に血栓が作られやすくなり血栓がはがれて塞栓子として脳に運ばれ脳動脈を詰まらせる。脳出血と同じ症状であるが言語障害、半盲症状がある。口腔外科的処置としては脳性片麻痺があるのでユニット座らせる際に補助者が必要である。血圧測定の必要の際には非麻痺側で測定すること。治療姿勢は循環器の負担の少ない仰臥位か水平位あるいは頭部を高くした姿勢で行われるのが理想。特に抜歯のときには注意を要する必要がある。
2024年08月09日 02:50