血友病の患者が来院したときの歯科口腔外科的処置
血友病は血漿中第Ⅷ因子あるいは第Ⅸ因子活性の先天性欠乏または低下に基づくトロンボプラスチン生成障害または低下による出血性素因で前者を血友病A後者を血友病Bである。5対1の割合で血友病Aがほとんどである。伴性(x連鎖)劣性遺伝である。男性のみに発現し女性は保因者である。(出血症状)関節や筋肉内等の深部出血(診断)出血時間正常、プロトロンビン時間正常、部分トロンボプラスチン時間延長、凝固因子活性の定量(ほとんどが1%以下)(治療)血液製剤による欠乏因子の補充療法【歯科口腔外科処置】抜歯に関してはエピネフリン含有の局麻剤を用い刺入点は一点のみで粘膜下に徐々に注入する。不良肉芽は完全に掻把。抜歯窩はスポンぜル等を埋入し縫合する。さらにシーネなどの装着を行う。乳歯の自然脱落の際も同様である。外傷に関しては口唇、舌、小帯、歯の亜脱臼が多い。口腔軟組織からの出血は補充療法、抗線溶剤、局所止血処置を併用する。可動粘膜は縫合処置で不動粘膜はシーネとサージカルパックの併用が有効である。
2024年08月09日 02:58