紫斑病の患者が来院したときの歯科口腔外科的処置
紫斑病は血小板異常によるものと血管の異常によるものとに分けられる。この中で特発性血小板減少性紫斑病を取り上げる。血小板減少をきたす原疾患や遺伝的要因を認めず血小板の産生は正常で破壊が亢進し貧血や好中球減少を示さず薬剤などの外的要因や基礎疾患がないものを言う。(原因)感染から抗原抗体免疫複合体が血小板の複合体につき脾臓で破壊し慢性になると抗血小板抗体反応により血小板が破壊される。(症状)血小板減少のため出血傾向を示し紫斑が主で点状出血、斑状出血が特徴とする。口腔内症状は大小多数の血種が特徴特に頬部、軟口蓋、咽頭粘膜に著明。(診断)血小板数が5万以下。(治療)急性型慢性型ともステロイド投与。成人で40~60mg/日、小児で20~40mg/日。免疫抑制剤の投与。【歯科口腔外科処置における注意事項】➀小児は急性型が多いので6か月で寛解するので問題なし。②成人では慢性が多いので疾患と共存して日常生活を過ごしている(ステロイド投薬中)抜歯後の止血処置は完全を期すべきである。③慢性型はステロイド投与中なので感染症対策が必要である。抗生剤を十分投与し、ステロイド増量する。万が一感染したら抗生剤を増量する。
2024年08月09日 03:02