口腔感染病1
歯周病はポケットの細菌によって口の悪さをするだけではなく歯の根元を走る血管内に忍び込み全身のあちこちにひろがっていきます。口の中で破壊的な現象が起きることよりずっと早くごく軽い歯周病の段階から、病原菌は血液の流れにのって全身に広がっていくのです。これらを「口腔感染病」といいます。歯周ポケットの細菌は種類もたくさんあるが特に特に危険度が高いPg菌’(ポルフィロモナス・ジンジバーリス)Tg菌(トレポネーマデンチンコーラ)Tf菌(タンネレラフーサイシア)が三大悪とされています。いま流行りのフソバクテロイデスなど多種類ある。歯周病菌は嫌気性で桿菌で歯肉滲出液などに人間が食べた食べかすなどを酵素を使って増殖していきます。また赤血球などのヘモグロビンなどのヘム鉄も好物です。これらが毛細血管を通じて体の病気の病気の発症・悪化に大きくかかわってきます。そこで体の各臓器で最近の存在を見つけ出すのは遺伝子増幅法やシークエンス技術といった遺伝子解析技術が応用されています。遺伝子増幅法は細菌の死骸に含まれるDNAを増幅させ確認する。ちなみにコロナのPCR検査は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法)。シークエンス法は遺伝子の配列を調べる分析技術で細菌の種類分けに役立つ。細菌の数は細菌カウンターで調べることが出来る。細菌の持つ毒はエンドトキシンとエキソトキシンがあるが歯周病菌はエンドトキシンで毒性が弱いが慢性炎症になりやすい。エンドトキシンの本体は脂質と糖質が結びついたリポ多糖(LPS)歯周病菌の細胞壁を構成
1動脈硬化 アテローム性動脈硬化と中膜硬化と細動脈硬化がある。この中で最もみられるのがアテローム性動脈硬化である。要因としては高コレステロールや高血糖や高血圧である。最近は歯周病菌の持つエンドトキシンが血管の内壁に定着し炎症が起きる。炎症による血管の損傷を修復するためにLDLがやってくる。活性酸素によって酸化したLDLがマクロファージによって貪食されてアテローム性プラークが出来て破れると血小板が集まり血栓ができる。血管が詰まって血液の流れがstopすると周辺の組織は壊死してしまうのです。
2糖尿病 腎臓病 歯周病菌による慢性炎症を食い止めるために免疫が働きだすとTNFーαというサイトカインが分泌される様になります。このサイトカインが血糖をコントロールするために重要なインスリンを邪魔することで血糖値が下がりにくくなるのです。高血糖が続くと血管のダメージが強まり歯肉の血流も悪化し互いが互いの状態を悪化させていくのです。さらに血液中に細菌や毒素が混じれば腎臓の負担も増す。又糖尿病で血糖コントロールがうまくいってないと腎臓の毛細血管にもダメージがおよび腎機能の低下が起こりやすくなります。
3癌 癌は発がん性物質や紫外線、ウイルスなどが原因で正常な細胞の遺伝子が傷つき不死の細胞へと変異することで生じることで起こる病気とされてましたが最近は歯周病など慢性炎症によって細胞の癌抑制因子が働かなくなったり癌の発生に関わる遺伝子が発現しやすくなったりことも癌化を招く大きな誘因となっています。遺伝子の本体であるDNAを折り畳むために使われるヒストン修飾が慢性炎症によって変化を起こすことにより癌関連遺伝子のスイッチが入ったり切れたりすることが発がんに影響するのです。
4アルツハイマー型認知症 アルツハイマー型認知症の人の脳から歯周病菌の中で特に凶暴なポリフィロモナス・ジンジバーリス(P・G菌)の内毒素であるLPSが高い頻度で出ます。アルツハイマー型認知症が発生する前後ではP・G菌やT・D菌の血清抗体値があがるという報告があり歯周病菌のエンドトキシンを血中に投与すると脳にβーアミロイド蛋白が沈着することがわかってます。アルツハイマー型認知症はβーアミロイド蛋白がたまることにより起こる病気です。
2024年11月09日 03:58