Treg細胞
Treg細胞は制御性T細胞とは本来は自己免疫疾患にならないように自己に対する免疫応答の抑制(免疫寛容)司っている細胞で免疫の恒常性維持で重要な役割を果たす。制御性T細胞の発生にはマスター制御遺伝子としてfoⅹ3を発現する。IL2受容体α鎖であるCD25分子を発現するCD4T細胞を除去すると自己免疫疾患が多発することから「CD4CD25Treg細胞」と呼ばれる様になった。末梢由来のTregと胸腺由来のTregとを内在性Tregという。Tregをうまく操ることができれば自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、癌などの治療が可能になると考えられている。その中でTregを操作する癌治療として免疫療法にTregの観点を取り入れる方法で現在免疫療法がうまくいかないのは①免疫を抑制するTregが活性化され癌細胞への攻撃力を弱めている可能性あり。②活性化リンパ療法でがん抗原に特異的に反応するキラーT細胞を増殖因子であるIL2を培養して増やしてから体内に移入して癌細胞を攻撃とする治療でその際にTregを除いて増やすことになる。③がん細胞に集まっているTregを操作する方法。Tregを減らして活性化T細胞が優勢になるように両者のバランスを調整すれば腫瘍免疫を高めることが出来る。
粘膜固有層においてはPTregが豊富に存在しており炎症の抑制に重要な役割を果たしている。腸内細菌であるクロストリジュウム菌がTregの強力な誘導因子であることが明らかになった。腸管の樹状細胞を刺激するとTGF‐β(抑制性サイトカイン)産生されTregが誘導される。
2024年08月22日 13:35