Treg細胞の安定化物質「Ikzf1」
免疫が過剰に反応するのを防ぐ「制御性T細胞」について、安定して働くために必要なたんぱく質を突き止めたと大阪大学特任教授らのチームが米科学誌に発表した。「制御性T細胞」の働きを人為的に操作できる可能性あり、自己免疫疾患や癌などの治療への応用が期待できるという。T細胞は体内の異物を攻撃することで体を守る免疫反応を担う。「制御性T細胞」は、自分自身を異物と認識して攻撃してしまう自己免疫疾患が起きないようT細胞の働きを抑える。一方自分自身の細胞に異常が起きる癌細胞もおさえるため「制御性T細胞」を操れば癌治療の応用が期待できる。「制御性T細胞」の機能安定維持には転写因子IKzf1との相互作用が必要であること。IKzf1は「制御性T細胞」のマスター因子であるFoⅹp3と相互作用することが知られている。Foⅹp3との結合に必要なIKzf1の領域を同定し、その結合領域を欠損させて相互作用を阻害するとINF‐βの過剰産生を介した「制御性T細胞」の機能不安定化が誘導され結果として重篤な自己免疫疾患が発症することが明らかになった。IKzf1分解誘導剤である【ポマリドミド】はIKzf1の発現抑制してを介して人制御性T細胞(Treg細胞)の機能不安定化を促進する。
2024年09月24日 08:53