糖尿病患者の歯科口腔外科的処置
糖尿病とは膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるインシュリンの作用不足によっておこる代謝の異常状態である。インシュリンの作用不足はブドウ糖とグリコーゲンの合成を障害し血糖は上昇して尿糖が排出されエネルギー不足をきたすがそれを補うために体内の中性脂肪が分解され中間産物としてケトン体やコレステロールが生じる。ケトン体が尿中に排出されるときNa、Kと結合するからアシドーシスになりやすい。また体内の蛋白が分解し血中のアミノ酸、BUNが増加する。これら糖尿病性代謝異常の促進が全身の臓器、組織にみられ心臓、腎臓で硬化性の血管障害や電解質および水分の減少などが生じる。歯科口腔外科的処置としては空腹時に侵襲を与えると低血糖を起こす場合があるから空腹には避けたいところである。また細菌感染に対する抵抗力が弱く,創傷の治癒も悪いので抗生剤、消炎剤は2次感染予防として重要である。
2025年04月16日 16:26