透析患者の歯科口腔外科処置
透析療法の目的は生体膜または高分子膜を用いて老廃物を除去することにより腎機能不全によって引き起こされる生体の内部環境の異常を可及的速やかに平常状態に戻すことである。腎不全以外にも糖尿病腎性、全身性エリテマトーデスや結節性多発動脈炎など全身疾患にも試みられている。透析療法には必ず抗凝固剤としてヘパリンが用いられている。出血傾向の主因は尿毒症物質による血小板機能の低下や透析により失われる凝固因子がそうである。術後出血の予防策として透析日の調整(透析翌日の抜歯を原則とする)局所ヘパリン化(体内に入ってきたヘパリンを硫酸プロタミンで中和し体外循環部分のみをヘパリン化する)。抜歯創の縫合による局所止血の徹底(スポンゼル、オキシセル、サージカルパック、シーネ)免疫能の低下による易感染状態なのでセフェム系の抗生剤を前日、術後3日~4日投与する。透析患者はHBウイルスのキャリア多いから感染に気をつける。
2025年04月16日 16:32