妊婦中の歯科口腔外科的処置
妊婦での処置は出来るだけ抜歯は行わず応急処置にとどめておいて産後に行うことが賢明である。ここで重要なのは妊婦もさることながら胎児に悪影響を及ぼさないことである。X線、麻酔薬、消炎鎮痛剤、抗生剤、外科的侵襲、それに付随するストレスである。やむえなく抜歯が必要な場合は妊娠4月~8月の安定期が望ましい。さてX線の場合は最近はデジタル化されていて被ばくも20%に抑えられているも安心のため鉛入りのX線防御エプロンをつけた方が望ましい。抜歯後の投薬は妊娠中は薬剤の作用が平時と違って腎臓や肝臓の機能が低下しているため薬剤の代謝や排出が不十分なので予期せぬ副作用が発現することにより胎児に影響を与えることがあるし薬剤そのものが胎盤を通じて直接胎児に影響を及ぼすことがある。局所麻酔の場合も疼痛というストレスを与えないためにもスプレーの表面麻酔をしたり電動性の麻酔器を用いたりすることも大切である。又薬剤は塩基性鎮痛剤を用い抗生剤はペニシリン系やセフェム系が催奇性という点では細胞壁合成阻害するので無難であろう。
2025年04月26日 12:29