心房細動
心房や心室が規則正しく収縮と拡張を繰り返します。このことを「正常洞調律」といい正常な心臓では心室から5~6Lの血液を送り出しています。洞結節からの電気信号は1分間に60~100が標準です。正常洞調律が維持できなくなる原因は様々なであり、電気の通り道でどの部分に支障が出るかで心臓の影響も異なります。心房細動の場合は左心房近くにある「肺静脈の細胞」から正常な人では起こらない異常な電気信号が出ているのです。この異常な電気信号によって心房内を流れている洞結節から電気信号が乱されているのです。心房細動がおこると左心房が震え、その動きが心房全体に広がって、細かくさざ波のように震え1分間に350回以上です。【心房細動】はこの心房の震えから来ています。心房は血液を貯めた後拡張して血液を心室に送る働きを担っているのですが心房細動が起こるとこの働きが滞るため心室に十分な血液がいきません。結果心室から全身への血液の送り出しも不規則になるため脈がバラバラになります。そのため全身の血流が滞るため「動悸」「息切れ」「目まい」が起こるようになる。【合併症】脳梗塞と心不全脳梗塞・・心房細動が脳梗塞になるのは血流の流れが悪くなると固まりやすくなります。健康な心臓では心房から心室に勢いよく血液が送り出されているので血は固まりません。しかし心房細動が起こっていると心房は小刻みに震えています。この震えにより血液が悪くなり心房内で血がよどみ固まりやすくなります。よどんだ血液が完全に固まってしまい心房の壁に血液の塊である「血栓」が出来ると脳梗塞の引き金になります。心房細動で起こる脳梗塞がいわゆる「心原生脳梗塞」である。
心不全・・・心房細動が慢性不全を引き起こす原因は発作により早い心拍が続くことで心室が疲弊しポンプ機能(心収縮力)が弱まってしまう。この結果心臓から身体が必要としている血液を送り出せなくなるために息切れやむくみが送り出せなくなります。重症になるとよどんだ血液が毛細血管から肺に漏れ水がたまることもあります。こうなると肺の機能が低下してうまく酸素が取り込めなくなり酸素の投与が必要になります。心臓弁膜症や心筋梗塞などの心臓病は心不全を引き起こす原因であるためより病気が進行しやすくなります。心房細動に心不全を合併している例が多いです。
2025年05月11日 09:45