③分子標的薬
化学療法が癌細胞のDNA合成抑制、細胞分裂抑制して細胞死させるのに対して分子標的薬は増殖を起こす信号を止める。選択性としては分裂している細胞を癌細胞かどうかの区別なく攻撃するのに対して腫瘍内にある分子を標的としている。標的はがん細胞の細胞膜上、細胞内の分子、細胞外の増殖因子がある。化学構造的には抗体薬と小分子薬に分けられる。①抗EGF・R抗体・・・・EGF(上皮成長因子、癌増殖因子)EGFの受容体に結合して細胞増殖、組織修復を抑える。セツキシマブ、パニツムマブ
②EGFR阻害薬(チロシンキナーゼ阻害薬)・・・・ゲフィチニブ®イレッサ
③抗HER2抗体・・・・・EGFの2型であるHER2の受容体にくっつき細胞増殖を抑える。乳がんに用いる。トラスツズマブ®ハーセプチン®カドサイラベルスツマブ®パジェッタ
④HER2阻害薬・・・・ラパチニヴ
⑤抗VEGF抗体・・・・・VEGF(血管内皮増殖因子、癌細胞が出す)に結合。ベバシズマブ®アバスチン
⑥抗VEGFR抗体・・・・・VEGFRにくっつく。ラムシルマブ
⑦VEGFR阻害薬・・・アキシチニブ
⑧BCR-ABL阻害剤・・・慢性骨髄性白血病の原因物質。染色体の中のBCR-ABL遺伝子蛋白をATP阻害することによりチロシナーゼ活性阻害する。イマチニブ、ダサチニブ、ボスチチニブ
⑨mToR阻害薬(セリン・スレオニンキナーゼ)・・・・FKBPとくっ付くことによりシグナル伝達物質を阻害。エベロリムス
2025年07月17日 05:21