①肝臓がん
肝臓の悪性腫瘍には管内から発生した原発性肝がんと胃がんや大腸癌から血行性に遠隔転移した転移性癌があります。肝がんの94%は肝細胞癌でのこりは胆管嚢胞腺癌、総胆管がんで1%である。前者は肝細胞から後者は胆管上皮細胞から発生したものでまとめて胆道癌で治療戦略は違います。【病因】C形肝炎ウイルス(67,7%)B形肝炎ウイルスHBV(15脂肪%)肝硬変、非アルコール性脂肪肝炎がある。【特徴】他の固型癌と比べて遠隔転移が少ない一方で多発し根治療法後の再発率も高いことが特徴です。病勢コントロールが可能なため(ラジオ派焼灼)が可能である。全身化学療法は骨髄抑制をきたすため汎血球減少や肝機能の低下をきたすためあまりしないです。しかし分子標的薬ソラフェニブによっておこなわれるようになった。【治療の選択】肝外転移の有無、肝予備能、腫瘍の個数、腫瘍径、脈管浸潤を評価して選択する。【肝移植】腫瘍径5センチ以下または3センチ以下3個以内65才以下の症例)【肝切除】肝予備能であるChild-Pughの分類でA/BでBで腹水がなく腫瘍個数3個以内が適応となる。【局所凝固療法】ラジオ波焼灼術腫瘍(RFA)径3センチ以下かつ3個以内または5センチ以下単発の場合が適応です。【肝動脈化学塞栓療法(TACE)】肝細胞癌は栄養血管である肝動脈から血流を受けています。主要の栄養血管を遮断しかつ抗がん剤の局所滞留効果を狙ってます。治療が難しい巨大腫瘍、4個以上の多発例でChildーPughA/Bの肝機能良好な場合が適応となります。【肝動注化学療法(HAIC)】径カーテテル肝動脈から抗がん剤を注入することで標的臓器である肝内の抗ガン剤濃度を高め、最初に肝臓を通過させることで代謝され全身への薬剤分布を減らして副作用の低減を狙った治療法である。局所療法が使えない場合に行われます。【全身化学療法】ソラフェニブのみ。セリン、スレオニンキナーゼを阻害して腫瘍増殖を抑制する一方血管新生に関する血管内被増殖因子等のチロキシナーゼ活性を阻害するマルチキナーゼ阻害薬。副作用は手足皮膚反応が特徴。【肝細胞癌患者と歯科治療】他の固形癌は骨髄抑制をきたす全身化学療法を行われていることは少ないですが背景に肝硬変があり汎血球減少やプロトロンビン機能低下、アルブミン低下などを意識することを念頭に置いて周期的治療を行います。
2025年09月20日 08:54
