⑩白血病
白血病は進行のスピードにより急性型と慢性型に分かれ腫瘍血球により血髄性とリンパ性に分かれます。【急性白血病】急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ球性白血病(ALL)に分かれます。急性白血病は抗がん剤に感受性が高く治療が期待できるため
多剤化学療法や造血幹細胞移植が行われます。(病態)急性白血病は染色体異常および遺伝子変異により分化能を失うとともに増殖能を獲得した幼若骨髄細胞が自律的に増殖するクーロン性の疾患です。白血病細胞の増殖による正常造血の抑制による症状と白血病細胞の浸潤による症状が出現します。(症状)正常造血の抑制に基づく症状。汎血球減少。貧血による全身倦怠感や動悸・息切れ、血小板減少による出血傾向。正常白血球減少による易感染。発熱。口腔内では歯肉出血。抜歯後出血。播種性血管内凝固症候群(DIC)合併。(浸潤)急性骨髄性白血病は歯肉や皮膚に浸潤。急性リンパ球性白血病はリンパ節や脾臓、中枢神経に浸潤しやすい特徴を有します。意識障害や神経障害を伴うことがある。(検査)骨髄検査で白血病細胞が骨髄の全有核細胞中20%以上シメル場合に白血病と診断。(治療)急性白血病の治療理念は最終的に白血病細胞の完全駆逐です(TOTAL CELL KILL)。白血病細胞が5%未満を目指し寛解導入療法。残像白血病細胞の駆逐を目的とした寛解後療法(地固め、維持療法、造血幹細胞移植法)【AML】・・・寛解導入療法ではシタラビンAraーCとダウノルビシン点滴投与。寛解後療法では高用量シタラビン3コース。シタラビンとアントラサイクリン系抗がん剤。【ALL】・・・・寛解導入療法地固め維持療法からなりビンクリスチン、アントラサイクリン系アドリアマイシン、プレドニン、シクロホスファミドの組み合わせ。バーキット型ではCD20陽性であることからリツキシマブ(抗CD20抗体)とMTX療法。フィラデルフィア型はイマチニブの導入(造血幹細胞移植)55才の症例で化学療法では長期の予後が期待できない症例が適応。(支持療法)化学療法を成功さすために合併症や副作用対策が必要です。感染症管理が大事です。特に口腔ケアが大事です。(予後)AML48%ALL30%。【慢性骨髄性白血病】は症状がなくイマチニブでBCR-ABLを阻害しチロキシナーゼ活性化阻止。(病態)BCR-ABLキメラ蛋白がATPを取り入れなくしてチロキシナーゼ活性して白血病の原因になります。この白血病細胞は幼若な細胞だけ増殖する急性白血病と違って分化・成熟能を有するため進行速度や病態が異なる。(診断)脾腫による腹部膨満感、倦怠感体重減少が症状となる。白血病増多や血小板増多。(末梢血にフィラデルフィア染色体の存在)(治療)イマチニブ投与。第二世代のダサチニブ、ニロチニブも使える。慢性期には歯科治療は行える。
2025年09月29日 17:16
