癌患者を診る前に①臨床検査値
癌と歯科治療の関係を考えるにあたって、治療時期との関係、癌の治療状況、癌治療の副作用などを含めて問診によるリスク評価が重要です。癌と歯科治療における臨床検査は癌の病状に関する情報を収集し、癌診療と歯科治療がお互いに円満に進むために必要である。【癌診療で知っておきたい臨床検査】①白血球炎症の亢進↑抵抗力の低下↓4000~9000/UL②Hb・・貧血強い↓男13~17女12~15g/㎗③血小板・・止血異常12万~35万/UL④血液像・・・好中球減少すると抵抗力が弱い。好中球40~60%。⑤AST、ALT・・・↑は悪化。肝細胞の評価。AST8~40ALT4~33IU/L⑥ALP肝臓や胆道。骨の評価↑は悪化30~130IU/L⑦総ビリルビン・・・肝臓や胆道の障害を見る。↑悪化0,2~1,0mg/㎗⑧アルブミン・・・栄養状態の評価。↓悪化⑨BUN・・・腎機能の評価。↑は悪化。8~20mg/㎗⑩クレアチニン・・・腎機能の評価。↑は悪化。男0.7~1.3mg/㎗女0.6~1.0mg/㎗。⑪Na・・・下がりすぎると意識障害。137~147mEq/L⑫K・・・上がりすぎは注意。3.5~5.0⑬Ca・・・多くなると意識障害。4.2~5.2mEq/L⑭CRP炎症反応。↑は炎症の亢進0、3mg/㎗。【癌化学療法】1骨髄抑制・・・白血球減少は易感染状態になるので抜歯や歯肉炎下の歯石除去、局所麻酔を要する治療は避ける。2肝機能障害3腎機能障害。シスプラチンなどプラチナ製剤や分子標的薬は腎機能に影響を及ぼします。癌による高CA血症などがあります。【腫瘍マーカー】腫瘍マーカーとは癌細胞が血中や尿中に産生する特異な物質を測定することで癌の有無、進展度、再発や転移の有無を測定する指標です。CEA・・・大腸癌、胃がん、すい臓がんCA-19-9・・・大腸癌、胃がん、すい臓がん、胆道癌AFP・・・肝細胞癌PSA・・・前立腺がんSCC抗原・・・子宮頸がん、肺がん、食道がん頭頚部癌などの扁平上皮癌。
2025年10月17日 12:22