⑤舌苔のケア
健康人におけるわずかな舌苔は決して病的なものではない。しかし免疫力や口腔機能の低下は舌苔を増加させ日和見感染を生じることにより様々な合併症を引き起こすためケアが必要である。舌は毛のように伸びた糸状乳頭があり味覚には関与しないが手指にある指紋に類似した働きをしている。食塊形成や摂食・嚥下のサポートをしている。糸状乳頭は角化しているので表面は白く映るが伸張した糸状乳頭は毛ブラシ状になっているので口腔の様々な物が付着してくる。この付着物は口腔粘膜の剥離上皮、食物残渣、細菌、唾液や血液成分などである。口腔清掃が不良であると食物残渣や微生物が増加し糸状乳頭に絡みついて舌苔が生じる。さらに増えると口腔カンジタ症や黒毛舌を生じる。糸状乳頭は微生物などが誤飲されないためのフィルターの役割を果たしていてその中身が舌苔である。【舌苔のケアと留意点】①舌苔ケアの意義・・・免疫力や口腔機能の低下は舌苔を増加させ日和見感染を引き起こすにより様々な合併症を引き起こすためケアが必要である。②糸状乳頭の伸張・・・糸状乳頭の伸張は経口摂取をしていないことや軟食を摂取していることにより生じる。そのためこれらの人は舌のケアをする必要性がある。長くなった糸状乳頭を除去することが重要である。③口腔衛生状態の悪化・・・口腔ケアが十分おこなわれていれば舌苔は生じない。④口腔乾燥・・・高度な口腔乾燥が進行すると舌苔が乾燥し著しく除去が困難になる。⑤合併症・・・黒毛舌は通常の口腔ケアでは除去困難である。経口摂取の人は抗菌薬の使用を中止すれば自然と除去できるが非経口摂取の場合は舌ブラシで機械的に除去する必要性あり。口臭や味覚障害は通常の舌苔ケアと同様に行う。⑥薄く舌苔のある状態が自然な状態である。過度に行わない。舌後方へのケアは嚥下反射や嘔吐反射を誘発し誤嚥事故や不快症状を引き起こすことになるので注意が必要である。
2026年01月31日 06:34
