舌癌の放射線治療について
現在の舌癌の標準的な根治的治療法は外科的切除+再建法及び密封小線源による組織内照射と抗ガン剤の動注を併用した放射線治療である。【舌癌の疫学】舌癌は舌の前3分の2の部位で舌可動部から発生した悪性腫瘍である。舌有郭乳頭より後方の舌根部は中咽頭に分類されている。舌癌は口腔がんの約半数を忌めるがその舌癌の好発部位は舌縁(約90%)稀に舌下面や舌背にも発生する。95%は扁平上皮がンである。原因は飲酒やたばこなどの化学物質による刺激や歯牙トラブルによる機械的な刺激である。歯並びが悪いために歯が常に当たっている場合や入れ歯などの機械的な刺激が舌癌の誘発因子と考えられている。人パピローマウイルスの感染も原因の一つとされている。【舌の解剖】舌は厚い筋肉で形成され舌骨、下顎と舌骨により固定されている。舌は外舌筋(オトガイ舌筋、舌骨舌筋、茎突舌筋)と内舌筋(深・浅縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋)より形成されている。舌粘膜は重層扁平上皮からなり舌筋層と結合している。舌の知覚は三叉神経の舌動脈で味覚は顔面神経動きは舌下神経。血流は左右の外頸動脈の舌動脈。【舌癌の診断と臨床病期】初期症状として舌の違和感、しみる感じ、口内炎症状、疼痛、出血などであり粘膜変化として白斑野、潰瘍、びらんなどである。典型的な舌癌は舌縁に糜爛上の発赤や初期硬結として発生し腫瘍の増殖により外向発育性に腫瘤を形成したり潰瘍を形成するが混合型も多い。又腫瘤を形成せずに硬結主体で内向発育性に舌筋層内に浸潤性発育する場合もある。肉眼的には表在型、隆起型、潰瘍型、浸潤型に分かれる。予後が悪いのは浸潤型である。所属リンパ節は頸部リンパ節出るが所属リンパ節転移の頻度は高い。病理診断の確定後は視診、触診の他にCT、MRI,超音波検査などでがんの進展範囲を把握する。遠隔転移は肺が圧倒的に初発転移であるため肺野条件によるCT検査は必須である。【舌癌の治療法】舌癌の治療は臨床病期の他に原発巣のサイズや浸潤範囲や頸部リンパ節有無によって対応が異なる。根治的治療法は手術療法と放射線治療であり抗ガン治療は補助的治療や緩和目的である。密封小線源治療において低線量率と高線量率があるが現在においては低線量率の治療症例は減少している。それに代わって外部照射による舌癌治療も試みられている。しかし外部照射単独による舌癌の局所制御率は低いため動注を含めた化学放射線療法がおこなわれている。
2026年02月03日 16:22
