遺伝子再構成と自己反応性細胞の除去
【ノーベル賞を出した研究】TCR、BCRに共通する2つの特徴。①受容体の形状が1000億種類以上もあるのでどのような抗原に対してもそれに対してくっつく受容体は必ずある可能性あり。②自己細胞に由来するものにピタッとくっつく受容体はない。①に対しては人の遺伝子はせいぜい2万個しかないのに何故受容体の種類は1000億以上あるのか?②に対して受容体の数が1000億以上あるのに何故自己に反応するものがないのか?【遺伝子再編成】抗体の構造と遺伝子配列にて内側にH鎖が2本、外側にL鎖が2本があり2本鎖になっている。可変部に抗原が結合する。抗体の形状が1000億以上あるということは可変部の形状が1000億以上あるということである。H鎖の遺伝子の配列は可変部に注目するとVが200種Dが12jが4種類の遺伝子断片がありそれぞれ1個ずつ選ばれるとするとH鎖の可変部の遺伝子配列は200×12×4の9600通りある。同様にL鎖の可変部はV250J4で1000通り。可変部は9600×1000=960万通り。さらに遺伝子断片のつなぎ目に塩基が挿入されたり欠失したりするので可能な可変部の種類は960万×数万倍になるという。さらにL鎖の多様性が増すために最終的には1000億以上とされている。このように各領域から一つずつ遺伝子断片を選んで新しい遺伝子を作ることを遺伝子再編成という。これはTCRでも同様である。【胸腺でのT細胞の選択】遺伝子再編成によって多様な抗体やT細胞抗原認識受容体が作られることが分かった。ここで自己に反応してしまうもが1000億以上あるので出てきてしまうがこの問題はどう解決するのであろう?胸腺に移動したT細胞の前駆細胞は増殖してさらにに数を増やす。その途中で遺伝子再編成して多様なT細胞抗原認識受容体を持つようになる。上皮細胞の表面にはMHCクラスⅠ分子+自己ペプチドとMHCⅡ分子+自己ペプチドが乗っかっている。【正の選択/負の選択/無視による死】T細胞は胸腺上細胞に提示されたMHC+自己ペプチドとTCRがどのように結合するかで選択を受ける。強く結合するとアポトーシスかアナジー。結合できないと抗原ペプチドにも結合できないからアポトーシス。適度に結合が生き残る(ナイーブT細胞)。【あらゆるペプチドを選択できるか?】胸腺におけるT細胞の選択にはまだ未解明の分野が残されておりこれまで出てきたT細胞とは真逆の働きをする別の細胞(Treg細胞)が登場する。【CD4陽性かCD8陽性】胸腺で生き残ったT細胞がヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)キラーT細胞(CD8陽性T細胞)なのかはクラスⅠとⅡの違いを考える。クラスⅠに適度に結合した場合はCD8から刺激が入ってCD8陽性T細胞。クラスⅡにはCD4から刺激が入ってCD4陽性T細胞。【骨髄でのB細胞の選択】B細胞の場合は負の選択だけ起こる。B細胞は胸腺に移行せず骨髄で成熟する。抗体は抗原に直接結合するものなので周囲の細胞に出ている分子や体液中を流れる分子などあらゆるものを自己抗原と考えくっつくかどうか?テストして自己抗原に強く結合したらアポトーシスが起こる。逆に負の選択にかからなかったら生き残る。実際には自己反応性T細胞B細胞の一部は生き残って胸腺や骨髄からでていくことがわかっている。でもそうしたことも計算に入れた制御システムや特別なT細胞が用意されている
2026年02月15日 10:07
