⑦免疫反応の制御
【誤作動と暴走を起こさない】体には自己反応性のT細胞や自己反応性のB細胞が出来ることがある。胸腺や骨髄で完全に取り除くのは難しい。しかし何とか制御しないと自己免疫疾患が起こる可能性だってあるかもしれない。【誤作動を起こしにくいシステム】免疫のシステムが自己反応性の免疫細胞が誤って活性しにくい仕組みになっている。樹状細胞は食べた相手が細菌やウイルスの時だけ活性化しナイーブT細胞に抗原提示し獲得免疫を始動させる。このような仕組みなのでたとえ自己反応性のナイーブT細胞がいても獲得免疫が始動しない。【アナジー】病原体の侵入がないとき樹状細胞は活性化しておらず表面のMHC分子には自己細胞由来のペプチドだけを提示している。このようなときに自己反応性のナイーブT細胞がくっつくとアナジーと呼ばれる状態になる。活性化していない樹状細胞はCD86/CD80の補助刺激分子の発現低くサイトカインもほとんど放出していない。すなわちナイーブT細胞が結合してもアナジーになる。マクロファージも感染がない状態では自己細胞由来のペプチドを提示しているので自己反応性のナイーブT細胞が結合するとアナジーを誘導する。【Treg細胞】しかしアナジー誘導の仕組みがあっても自己反応性のナイーブをすべて不応答化できない。そこで競合的に働いていて反応を抑制するTreg細胞が用意されている。Treg細胞は胸腺での選択を通過する約10パーセントを占めるという。本来胸腺における負の選択で排除されそうなものからTreg細胞は生まれており生き残るナイーブT細胞の山とも一部かさなりがある。Treg細胞のTCRha自己反応性である。CD4分子があるためヘルパーT細胞の仲間である。【樹状細胞にくっつきやすく抑制性の刺激を与える】Treg細胞の表面にはCTLA4という分子が出て活性化した樹状細胞の表面に出ているCD80/86と強く結合する。するとTreg細胞から樹状細胞に抑制性の刺激が入り樹状細胞の表面のCD80/86の発現が減少する。以上の仕組みでTreg細胞は自己反応性のT細胞の活性化を抑えている。活性化できなかった自己反応性のナイーブT細胞はアナジーとなる。【免疫反応を抑制】①Treg細胞は自己反応性ナイーブT細胞の活性化を抑制する仕組みを持っている。②抑制性のサイトカインを産生してこれを放出することで免疫反応を抑制する働きがある。IL10とTGFβである。③IL2に対する受容体が非常に多い。IL2はナイーブT細胞が活性化して増殖する際に共通して必要とする受容なサイトカインでこれをTreg細胞は奪い取る形になり免疫反応は抑制される。胸腺で作られるTreg細胞は以上の3つの働きがる。もう一つは胸腺を出てリンパ節など循環するようになったナイーブT細胞がTreg細胞に転ずる仕組みもある。【B細胞の制御】自己反応性ナイーブB細胞を取り除く仕組みはあきらかになっていない。自己反応性のB細胞を活性化する活性化ヘルパーT細胞は原則として存在しないので自己反応性のB細胞が活性化することはないだろう。
2026年02月16日 13:20
