③病原体との攻防ー1過剰な免疫応答「サイトカインストーム」
身体には幾つもの感染防御機構が備わっています。にも拘わらず病原体の感染で死亡するものもいます。新型コロナ感染症ではウイルスは細菌に滑り込み複製して増殖して細胞の外に飛び出すことを繰り返します。新型コロナウイルスは肺の細胞に潜り込んで増殖し肺の細胞を破壊します。その結果呼吸が苦しくなり重症化すると肺炎になります。通常はウイルス感染から時間がたつと体内のウイルスは減ってきます。ところが減ってきても肺の損傷は継続し心臓や肺や能hに血栓ができるのです。このような症状の原因となるのが「サイトカインストーム」である。通常サイトカインはマクロファージⅠによって産生され炎症を起こして病原体を排除するのに必要な物質である。ところがサイトカインが全身で強力におこれば発熱や倦怠感や血栓が全身にわたって起こりいろんな臓器が障害されて多臓器不全となります。新型コロナウイルスの治療薬は軽症では抗ウイルス薬としてレムデシビル、モルヌピラビル、ゾコーバなどがあるが重症者患者には効果がありません。重症者患者に投与される治療薬は過剰な免疫応答がである「サイトカインストーム」を抑える薬になります。デキサメタゾン、トシリズマブ®アクテムラ、バリシチニブがあります。それぞれの治療薬の作用機序は異なります。デキサメタゾンは副腎皮質ホルモンの一種で免疫全般、特にマクロファージⅠからの炎症性サイトカインの産生を抑えます。トリシズマブ®は炎症性サイトカインのIL6の受容体と結合するのを阻害します。IL6gaが結合する受容体は細胞膜を貫通して細胞内の部分にはJAK(ヤヌスキナーゼ)が結合していなす。キナーゼは細胞内の蛋白質をリン酸化する酵素である。JAKはサイトカインによるシグナルを細胞の核内にあるDNAに伝える働きをしており様々な炎症反応を引き起こすための鍵となる重要な酵素である。【何故高齢者が重症化し子供が軽症なのか?】新型コロナウイルスの感染による重症例のほとんどが高齢者や基礎疾患がある人で重症化した人は好中球やマクロファージなどの自然免疫系の細胞が増加しリンパ球(T細胞、B細胞)が減少していることはわかっています。特に高齢者は胸腺のT細胞は減ります。子供は免疫系の発達が未熟なためサイトカインストームを起こしにくいのではないかと考えられます。子供が軽症なのはインターフェロンの産生量が多く自然免疫と獲得免疫が発動されてサイトカインストームを起こすことなくウイルスが排除されているのは間違い内容です。川崎病はウイルス感染や細菌感染をきっかけに過剰な免疫応答により全身において動脈炎が起こるのではないかと考えられている。【日本が軽症なのは交差免疫のため?】交差免疫とは過去にある病原体に感染したことでその病原体に似ている別の病原体に対しても働く免疫のことです。一つの例が天然痘です。一方天然痘に似た書状が出る「牛痘」という牛の病気があります。種痘は牛痘に感染した人に出来た水疱から液体を取り出して接種すると天然痘にかからなくなります。これが交差免疫の代表的な例です。新型コロナにウイルスに一度も感染していないにも関わらず健康な人の20~50%が記憶T細胞を持っています。4種類の感冒ウイルスに対する交差免疫である。HLA-AーAは2402という型は日本人の約6割が持っ就ている。日本人に多いHLAーAーA2402が感冒ウイルス(HKU1,OC43、NL63、229E)のどの部位のペプチドと結合するかを調べました。その結果スパイク蛋白の幹の部分から切り出されたペプチドであることがわかりました。HLA-A-A2402は新型コロナウイルスの同じ部位から切り出されたペプチドとも結合しHLAー抗原複合体を記憶T細胞が認識して活性化されることを乱しました。従って新型コロナウイルスの感染は初めてなのにHLA-A-A2402に結合して提示された新型コロナのスパイク蛋白のペプチドを過去の感冒ウイルスの感染で作られた記憶T細胞が認識して活性化され交差免疫が発動されるのです。「交差免疫」は子供が軽症である理由の一つとも考えられている。子供は常に風邪ひている。感冒コロナウイルスに感染してあまり時間がたってないにも関わらず感冒ウイルスの記憶T細胞があるからだということです。子供はや若者は交差免疫によって新型コロナウイルスが排除されるのでサイトカインストームが起きることなく治ってしまうのです。
2026年03月03日 17:46
