上顎嚢胞(非歯原性)
顎嚢胞は顎の発生時に上皮組織が骨縫合部に上皮組織が骨縫合部に迷入したりあるいは顎骨内で歯胚形成時に上皮組織が遺残したり、上顎洞の根治手術時の手術傷に歯肉又上顎洞粘膜が入り込んだリした局所に感染あるいは炎症が介入すると発症する。嚢胞は内層が上皮細胞からなり、外層を結合組織が取り巻き、嚢胞壁には血清用の内容物が停滞している。内用液の成分値は血清のそれと値を異にする。内容成分のうち低分量の蛋白質が増量する(コレステリン結晶)と嚢胞壁の内圧が亢進し嚢胞が感染すると嚢胞壁の成分の透過性が変わりタンパク質がさらに増量して周囲の骨を圧迫吸収して嚢胞が増大するとされていた。最近は嚢胞壁にアラキドン酸代謝物質特にプロスタグランジンE2が生成し、周囲骨の破骨細胞に作用し骨芽が吸収し嚢胞が増大すという報告がある。嚢胞壁の感染により嚢胞壁のPGE2の生成が増す。嚢胞壁の処置は①内圧を減圧する②嚢胞空の感染を消去する③嚢胞壁を摘出する。嚢胞が感染している場合の治療法はこの菌に対する抗生剤(マクロライド系)を処方する。これによって嚢胞外の感染は改善できるが嚢胞内の感染の消炎は多少感染されないことがある。嚢胞の感染を抑制すると嚢胞壁の性状が改善し嚢胞壁の除去を行う。(適応症)まず歯との関係を観察する。歯が未萌出であり骨の膨隆があれば濾胞性歯嚢胞、歯が虫歯であったり歯内療法の履歴があれば歯根嚢胞、歯にまったく関係なければ裂隙製の嚢胞(ニッチ嚢胞)上顎洞の根治術があれば術後性上顎嚢胞(POKZ)下顎であればエナメル上皮腫が疑われる。(前処置)巨大な嚢胞は嚢胞腔の大きさは縮小する。嚢胞内は流動性なので咬合不全があると片咀嚼なりがちであるので咬合不全を治して片咀嚼を治す。両側性平衡咬合の変形にする(咬合性外傷が臼歯部で起こらないような理想咬合にする)(術式)①閉鎖法(PartschⅡ法)比較的小さい嚢胞で嚢胞壁を全摘する。歯根嚢胞など。基本唇側からアプローチする。②副腔形成法(PartschⅠ)嚢胞の大きい場合に適用する。嚢胞壁の内層が上皮性細胞層からなるという理由から一部を開窓し嚢胞壁と口腔粘膜を縫合する方法である。開窓は通常口蓋側はとらず頬側からアプローチするのが原則である。嚢胞壁の上皮細胞が腺毛上皮細胞からなる場合も術後1週間で化生し扁平上皮になる。POKZの症例にみられる。かなりの日数を伴う。
2026年05月27日 04:52
