1-④痛みは主観(痛みは測れない)
【痛みを測定する方法】脳で認識する視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚はアリストテレス感覚と言って特殊感覚である。これらは誰もが感じますが痛みは感覚を共有できません。痛みを共有できないのは医療従事者も同じです。診察で痛みの部位、強さ、方向、持続時間や痛みの訴えを正確に聞き取ることは痛みの原因を突き止め治療するため重要です。痛みの評価に主観的な評価法を用いる理由の一つに身体的、精神的状態が変化すると痛みの感じ方が変化することです。2つ目は患者の年齢、性格、文化的背景により痛みの感受性が異なるときです。3つ目はこれまでの痛みの体験や患者が受けてきた治療によっても痛みのとらえ方が人により異なることです。【慢性痛は個人にあった全人治療を】痛みは慢性化すると身体機能の低下だけでなく、情動的な要因が複雑に関与して痛みを長引かせることになります。痛みが長く持続し抑うつなどの心因的症状や仕事を休むといった社会的要因が加わると痛みを憎悪させ痛みの病態はより複雑になります。痛みの分類では侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛に対して心因性疼痛と呼ばれてました。慢性痛を心身症と捉え「慢性痛を伴う疾患でその発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し期間が変形するまで基質的傷害ないし機能的傷害が認められる病態」【生まれつき痛みを感じない人は早死に】反対に痛みを感じない人もいます。「先天性無痛症」・・・機械的あるいは熱の侵害刺激による痛みをまったく感じないため損傷した関節を動かし続け傷を悪化させてしまい感染のためなくなることもあります。又糖尿病患者も末梢神経傷害で、痛み、感覚麻痺により壊疽となり足を切断することがあります。痛みは侵害刺激が加わった場所とその強さを知る感覚的な側面と痛みに伴う不安や恐怖など過去の記憶により影響される情動的な側面からなる体験である。
