4-②脊髄での中枢性感作
末梢神経の神経線維は脊髄後角ニューロンの細胞体や樹状突起とシナプスを形成して侵害情報が伝えられます。軸索を伝わって神経線維のシナプス終末到達した活動電位が引き金となって、シナプス終末から神経伝達物質のグルタミン酸が放出されます。脊髄後角のニューロン上のグルタミン酸受容体と結合して、受容体チャネルが開き細胞外からNAチャネル、CAチャネルが脊髄ニューロン内に入ってきて内向きの電流が流れシナプス後電位が発生します。シナプス後部の局所的な膜電位の変化により脊髄後角ニューロンの軸索上のNAチャンネルが活動電位が八すぇいしますと脊髄から脳に神経伝達が行われます。侵害受容器やNAチャネルの性質の変化によって痛みが増強するのが(末梢性感作)に対して脊髄後角のニューロン上のグルタミン酸によるシナプス後電位の変化や脊髄回路網の変化により痛みが増強するのが(中枢性感作)と言います。【急性痛と慢性痛にかかわるグルタミン酸の2種類の受容体】神経伝達物質としてグルタミン酸を利用している中枢神経系の興奮シナプスはシナプス終末から遊離されるグルタミン酸をシナプスに集めて効率よく受け取ってます。その形態から「シナプス後肥厚」と呼ばれています。グルタミン酸受容体チャネルにはAMPA受容体(NAイオン)とNMDA受容体(NAイオンとCAイオン)の2種類あります。【中枢性感作はNMDA受容体のリン酸化】神経障害性疼痛ではカプサイシン受容体やNAイオンチャネル受容体のリン酸化で末梢性感作が生じているようにNMDA受容体のリン酸化により中枢性感作が起きている。【NMDA受容体のリン酸化により活性化されるNO合成酵素】一酸化窒素は大気汚染、光化学汚染などの原因物質であるが血管を弛緩させて、血圧を下げる物質であること一方NOが産生し続けると低血圧になりショック症状を起こすことがわかりました。強心薬の治療薬として用いられるニトログリセリンの作用は血管を拡張させることで理解できるようになりました。その他にグルタミンを放出させることや白血球に取り込んだ細菌を殺すことなど血管の緊張や神経伝達、生体防御において生理作用を持っています。急性痛は一過性にグルタミン酸がシナプス終末から遊離されて神経伝達が一方向に行われます。慢性痛では侵害刺激が持続的に入力することによりシナプス後部ではNMDA受容体が活性化されCAイオンが流入しCA依存性リン酸化酵素や神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)が活性化されNOが細胞外に出る。後根神経節ニューロンではCOXが合成されPGが合成されシナプス外に遊離されることで脊髄後角での神経伝達は一方的でなくなる。NMDA受容体もリン酸化され中枢性感作が起こり痛みが持続するようになります。【触刺激が痛みとなる仕組み】健康な時は感覚神経の活動電位とシナプスでの瞬間的なグルタミンの放出し静止膜電位近くでAMPA受容体が活性化され一方向に情報が伝達され神経伝達が終了。弱い触刺激に対する触受容器の様々な情報が単位ごとに脊髄後角に集められ触覚として知覚される。炎症や神経損傷ではAMPA受容体だけでなくNMDA受容体も活性化され痛みが持続するようになる。中枢性感作が起きるとNO、PG、ATPが神経伝達するようになり脊髄が炎症となる。その結果触刺激が痛みに変わる新たな神経回路が出来痛みの原因が取り除かれるまで誤って「アロディニア」が持続するようになる。【痛みはチャンネル病】①熱の侵害刺激、受容器電位、カプサイシン受容体⇒陽イオンチャンネル、CAイオンNAイオン⇒リン酸化(末梢性感作)②膜電位、活動電位NAチャンネル⇒NA選択的イオンチャネル、AMPA受容体⇒リン酸化(末梢性感作)③グルタミン酸、シナプス後電位、NMDA受容体⇒陽イオンチャネルCA2+、NA+、リン酸化(中枢性感作)
2026年08月18日 11:12
