5-①着目される痛みの治療薬・治療法
慢性痛の患者の治療はアスピリンに代表される消炎鎮痛剤には胃潰瘍や腎障害や出血傾向があるので選択的なP・G合成酵素阻害剤、方頭痛にはトリプタン製剤、下行性疼痛抑制系を賦活するセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬がある。免疫反応は細菌、ウイルスやがん細胞など非自己と判断した物質や微生物に対して抗体を作りがん細胞をやっつける免疫細胞を活性化して排除する、生体の防御システムです。非自己と認識するタンパクや細菌などの高分子、巨大分子に対して様々な部分を抗原として抗体が出来るのでその中で単一の抗原だけを認識する抗体、モノクローナル抗体が治療に使われている。関節リュウマチにはTNFα抗体、癌性疼痛はモルヒネに加えて抗神経成長因子抗体が試されています。【胃潰瘍を生じない安全なアスピリン】PGは炎症反応だけでなく健康な時も胃粘膜の保護、血小板凝集、血管拡張、利尿、子宮収縮などの様々な役割があります。PG合成の酵素PG合成酵素(COX)がCOX1とCOX2の酵素がありCOX2は炎症反応にかかわってきます。それにより胃潰瘍などの副作用の少ないCOX2に選択的な阻害薬の開発が進められてきた。【副作用で鎮痛薬にならなかったカプサイシン受容体拮抗薬】カプサイシンを生まれたての動物に注射すると脱感作して無痛状態になりました。高濃度のカプサイシンは脱感作で鎮痛作用を発揮するので帯状疱疹後神経痛にカプサイシンクリームが用いられていた。ところがカプサイシンの刺激の方が強いのであまり使われなくなりました。それに代わってカプサイシン受容体拮抗薬が開発されました。しかしこれもカプサイシンの作用と反対に熱の損出を減らして体温の上昇を引き起こした。実際親知らずの抜歯時にカプサイシン受容体拮抗薬を使用した場合40℃を超える状態が続いたので薬は使えなくなりました。この拮抗薬は体温調節に重要な役割を果たしている。【生物製剤の登場で変わった関節リュウマチの治療】関節リウマチは関節滑膜の炎症が主な主症状の慢性疾患で免疫システムが自分の関節を攻撃する自己免疫疾患です。関節リュウマチで関節に侵入してきた免疫細胞からTNF-αをはじめとする炎症性サイトカインが出ます。関節炎が進行しますと関節軟骨や骨が破壊されて関節機能が低下し激しい痛みと発熱といった症状が出ます。今までは選択的COX-2が使われていたがTNFα抗体レミケードによる治療法に変わりました。診療ガイドラインは抗リュウマチ薬で生物製剤を用いるようになった。補助的にステロイド、選択的COX-2阻害薬が消炎鎮痛剤として用いられています。【150年治らなかったカウザルギー(神経損傷)神経再生治療。】末梢神経が障害されて慢性痛になる原因は様々で感染、化学物質、アルコールや糖尿病などの代謝異常により末梢神経に病的変化をもたらす。しかし座骨神経など脊髄から皮膚や筋肉を支配している末梢神経は中枢神経系より強い神経再生能力を持っている。末梢神経は再生能力が強いので損傷された神経線維は目的を失うと糸玉のように神経の魂が出来、体を動かしたり熱の刺激を受けたりすると痛みを引き起こす発生源になる。髄鞘の通り道や手足の末梢組織から分泌される神経成長因子が再生神経の伸張を促し伸びる方向を決定する。【末梢神経線維の増加で生じるがん性疼痛】膵臓癌、骨肉腫などでは癌が出来たところに痛みは
2026年08月19日 08:54
