①細胞膜
【ウイルスと細菌の違い】最も単純な細胞であるマイコプラズマがDNAとリボソームを細胞膜で包まれるという形をしているのに対し基本的にウイルスは遺伝子がタンパク質の殻(カプシド)で覆われている。中にはカプシドの周りを細胞膜と同じ成分でできたエンベロープの膜で覆われたウイルスをエンベロープウイルスという。インフルエンザが有名である。エンベロープに細胞に感染するためのタンパク質をたくさん埋め込んでいる。それを使って喉や気管の上皮細胞に入り込む。新型コロナウイルスも同じである。一方持たないのはノロウイルスやアデノウイルスである。【膜の正体】膜は脂質二重層でリン脂質である。脂肪酸という水になじみにくい性質(疎水性)を持った脂質分子が2個とリン酸という水になじみやすい性質(親水性)を持った分子が1個それぞれ結合してできた物質それが「リン脂質」である。膜で包まれるのが何故重要なのか?膜で包まれることで化学分子寄り集まり分子同士の衝突(化学反応)の頻度が高まるからです。そのおかげでATPを得たり体を作ったり活動したりできる。【ウイルスは何故細胞に感染するのか?】ウイルスが細胞でない理由の一つが膜で覆われていないという理由。何故ウイルスは細胞に感染するのか?自分一人だけの力だけでは「タンパク質」を作ることが出来ない。何故ならタンパク質の合成装置であるリボソームを持っていないからである。【人見知りしない膜たち】インフルエンザや新型コロナウイルスに何故感染してしまうのでしょうか?それは細胞膜の性質が大きな理由である。脂質二重層はリン脂質の疎水部分を自ら遠ざけるべき水溶液中で形成される薄い膜である。それがあるがゆえにシャボン玉と同じ様に融合する性質があるのでほんの一瞬だけ切断面が生じ疎水気が露出しないようにくっきあう。これによって細胞がウイルスに容易に感染される余地が生まれるのである。【エンドサイトーシス】インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスはエンベロープウイルスなので感染先の細胞膜(正確には小胞の膜)は融合します。特にインフルエンザはヘマグルチニンをエンベロープに埋め込んでいる。これらは感染先の糖鎖を認識して吸着します。一方新型コロナウイルスはSタンパクでありACE2に結合して細胞内に侵入してくる(シアル酸)。細胞は異物処理システムで変なものを自らの内部に誘い込むのである。「エンドサイトーシス」という。もともと細胞膜であった細胞内の小胞「エンドソーム」に閉じ込める。エンドサイトーシスの多くは細胞膜の内側から「クラスリン」というタンパクが集まって「クラスリン被覆ピット」を作って引きずり込むようにして行われる。その結果クラスリンという球状のかごで覆われる「被覆小胞」で形成されその後クラスリンが外れてエンドソームが完成するのである。【侵入に成功】こうしてウイルスをエンドソーム内に取り込んだ細胞はこれを消化しようとして中身が酸性になった「消化エンドソーム」という別の袋をエンドソームに融合させる。それによりエンベロープと細胞膜をつなぎとめていたヘマグルチニンの立体構造が変化しそれがきっかけとなってウィルスのエンベロープとエンドソームの膜の一部が「融合」する。その結果「脱殻」が起きる。RNAがmRNAとウイルスRNAが細胞質に放出される。新型コロナウイルスもウイルスがSタンパクを介して細胞内に侵入してエンドソームでウイルスが押し込まれた状態になる。Sタンパクが活性化しエンドソームの膜とエンベロープが融合する。中にはエンドソームを介さずエンベロープと細胞膜がいきなり融合する場合もあるようです。【細胞膜を連れて出ていくウイルス】ウイルスに感染した細胞の内部ではウイルスのタンパク質が合成される様になる。インフルエンザウイルスの場合細胞質では複製されたウイルスの遺伝子とそれと結合したタンパク質の複合体が作られM1で囲まれこれにヘマグルチニンなどが差し込まれた細胞膜を内から押し上げられ細胞から飛び出すのである。しかしヘマグルチニンは細胞から飛び出す際に周囲の細胞膜の糖質とべたべたくっつくので「ノイラミニダーゼ」というタンパク質が糖の先端にあるシアル酸という糖を切断する。こうして放出するのである。【ダイナミックな細胞膜】細胞膜の流動モザイクモデル・・・膜タンパク質は浸水性領域を膜の内外に向け、疎水性領域を脂質二重層に埋め込むようにして細胞膜の中に存在し目まぐるしくうごきまわっている。これによりインフルエンザウイルスや新型ウイルスのエンベロープが近づいてくる。さらに細胞膜は細胞の内速と外側との間で必要な物質を巧妙にやり取りしている。ある物質は通すがある物質は通さない「半透膜」の性質がある。水溶性の物質は通さないが特定のイオン(NAイオン、Kイオン)を通過させる「イオンチャネル」水分子を通過させる「アクアポリン」など通過させる。ニューロンはNAイオンとKイオンの細胞の濃度差を利用して電気信号を作り出しているからきわめて細胞膜は重要である。細胞膜の外側は糖鎖が飛び出したじょうたいになっている。これは他の細胞とのコミュニケーションや他の細胞の「細胞外基質」への結合など細胞自らの「立ち位置」を決めるのに重要な役割を果たしている。コラーゲンとかリン酸カルシウムなどが細胞外基質である。
2026年09月04日 17:18
